ご冥福をお祈りします キャンプ場での倒木死亡事故
2023年4月16日、神奈川県相模原の新戸キャンプ場で、テントで就寝中のご夫婦が倒れた木の下敷きになり、奥様が亡くなるという悲惨な事故が起きました。
心からご冥福をお祈りします。
この事故、私にとってはとても他人事には思えません。
事故の起きた新戸キャンプ場は、道志川の河畔にあり、首都圏には珍しく予約が要らないキャンプ場で、私も何度も利用しています。
冒頭の画像ですが、一見なんのこともないキャンプの一コマのようですが、実は…
2020年11月にキャンプした時の写真ですが、今回の倒木死亡事故のまさに現場で、テントの後ろに写っているのは今回倒れた木です。
まさかこんな大きな木(報道によると、幹の太さ70センチ、樹高が18メートル)が、倒れるなんていうことは全く思いもしていませんでしたが、ひとつ間違えば、私が下敷きになっていたかもしれない…
今回の倒木の原因はまだ調査中とのことですが、どうやら根腐れをしていたようです。
このキャンプ場は道志川の河畔にありますが、私の知っている限りでも、
19年、21年の二度、川が氾濫し、キャンプ場が水没しています。
19年10月、台風19号による大雨で濁流がキャンプ場全体を呑み込み、バンガローやトイレ、シャワールームなどがすべて押し流されてしまいました。
この写真は、対岸の青野原キャンプ場ですが、新戸キャンプ場も同様の被害を受けたそうです。
この写真にも大きな木が写っていますが、新戸キャンプ場のあの木も同じように水没した模様です。
そして、21年8月にも大雨で水没しています。
この写真は水没前ですが、撮影したアングルはまさに今回の倒木の近くからだと思います。
水辺にも生えるヤナギなどと違って、過湿環境に耐性を持たない樹種は、水没などにより、根の機能不全や成長停止、壊死などが引き起こされ、葉の萎凋や異常な落葉などの症状や、最悪、枯死する可能性があります。
水没と今回の根腐れの因果関係はわかりませんが、あれだけ大きな木が根腐れになり、倒木するというのは、木に対して何らかのストレスがあったのは確かであり、水没も何らかの影響を与えたのではと思っています。
今回の事故を受け、相模原市営のキャンプ場や民間のキャンプ場で、立木の点検が行われているそうですが、私達自身もキャンプの際、気をつけることが必要だと痛感しています。
立ち枯れが疑われる兆候を調べてみましたので、参考にしてください。
葉が出ている時期なのに、葉が異常に少ない、葉が縮れている
枝の付き方に偏りがある(一部だけ枝がついていない)
枯れた枝が上の方にたくさんある
ひこばえ(根元から生える小枝)や胴吹き(幹の下の方に生える小枝)が多い
樹皮に苔がたくさん生えている
根元にきのこ(ベッコウタケ)が生えている
また、ナラ・シイ・カシなどのブナ科樹木(どんぐりの木)が、紅葉には早い夏の時期に葉が赤くなっている場合、ナラ枯れ病の可能性もあり、こちらも倒木のリスクがあります。
楽しいはずのキャンプで起きた今回の事故。
なんとも切ないです。
亡くなられた方のご冥福をお祈りします。合掌