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シウマイ弁当が日本の森を救う?!

横浜市民のソウルフード?! シウマイ弁当と森ってなんか関係ある?
多少あります。

横浜市民が大好きなシウマイ弁当

今日のお昼が、
横浜・崎陽軒のシウマイ弁当(シュウマイではありません)だったら、横浜市民の3人に2人はテンションが上ります。
(私の周り3人にヒアリングした結果ですが)

という訳で、
本家?横浜版のシウマイ弁当です

本家?横浜版シウマイ弁当

ご存じの方も多いでしょうが、
シウマイ弁当には「横浜版」と「東京版」があります。
「横浜版」は、お弁当の上に掛け紙を乗せて紙紐で縛ってあり、
「東京版」は、掛け紙ではなく絵柄の印刷されたかぶせ蓋で、紙紐もありません。(境界線は蒲田駅らしく、羽田空港は「横浜版」だそうです)

東京版はなぜかスカイツリーも!

冷めても美味しい秘密は 弁当の容器にあった!

シウマイ弁当は、冷めてても美味しいんですよね♪♪
シウマイはもちろんですが、ご飯がモチモチで美味しいんです。
そして、その秘密はお弁当の容器にあるんです。

シウマイ弁当の容器は、
「経木」製の折り箱で、底と上蓋も「経木」です。

蓋についたご飯粒もちゃんと食べるのが横浜市民
お弁当の底も「経木」

シウマイ弁当のご飯は、創業者のこだわりで、
釜炊きではなく、モチモチの食感になる「蒸気炊飯」だそうで、
それを温かいうちに弁当箱に詰めるそうです。
その後、「経木」が余分な水分を吸収することで、
まるでお櫃(おひつ)に入れたご飯のように、
ベタベタせず、もちもち食感を長時間キープするそうです。

「経木」とは?

横浜市民にとってはシウマイ弁当でおなじみの経木ですが、
大阪の皆さんにもおなじみの素材です。
アレです!あの剥がれにくい憎たらしいやつ!

551 HORAI HPより

そして、
ちょっとお値段高めのたこ焼きも経木で作った舟に乗ってますよね。

経木は、赤松や杉、檜などの針葉樹
0.05㎜〜1.0㎜の薄さに削いだ木の板です。
一般に、食品を包む経木は 0.18~0.2㎜が一般的です。

今はあまり目にする機会が少なくなりましたが、
昭和30年代までは食べ物はなんでも経木で包んでいました。
私も子供の頃、お肉屋さんにお使いに行くと
お肉を経木に包んでくれたのを覚えています。

適度な吸湿性があり、針葉樹が持つ殺菌成分もあるため、
食品を包んだり、保存するのに最適な素材でしたが、
スーパーマーケットの登場をきっかけに、
小分け陳列しやすく、より安価なラップや食品発泡トレイなどに押され、
厨房や魚市場などでのプロユース以外では、
どんどん影が薄くなり、
経木の製造工場もどんどん廃業してしまいました。

今、「経木」がアツい!?

そんな経木でしたが、
脱プラスチックが話題になるようになってから、
サステナブルな素材として、
そしてその温かみのある質感
再注目されるようになってきました。

経木製造の様子の動画を見ればわかりますが、
経木は、乾燥させていない生の木を薄く削ったあと、
2〜3日ほど自然乾燥させただけで出来上がる自然素材です。

普通、木工製品を作る場合、木を切り出し、
建材や家具用材、薪として利用できるようになるまでには、
天然乾燥で1年から2年、人工乾燥でも2週間から1ヶ月と、
相応の時間や設備が必要です。

それに比べて、間伐したばかりの木を、
特別な機械を使わず短い日数で製品になる経木は、
エネルギーコストを減らせるという利点もあります。
そして、間伐材利用であれば、
2〜30年サイクルで再生産できる森林資源を利用した
サステナブルな素材です。

最近では、
紙の代わりに「お経を書くのに使った」という経木の元々の用途に近いメモ帳などの文房具にアップサイクルしたり、
経木を重ねて貼り合わせて食品カップやお皿を作るといった試みも始まっているようです。

林業衰退により、間伐がされないまま荒れた森林が増えていますが、経木の需要が増え、間伐材の利用、林業再生につながることを期待しながら、できるだけたくさんシウマイ弁当を食べます。





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