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これからの観光…スイスから学ぶ11のヒント
憧れの観光地スイス、その魅力といえば、なんといってもユングフラウヨッホやマッターホルンなどの雄大な自然を最大限に生かした観光コンテンツの数々...
コロナを契機にゲームチェンジすべき日本の観光にとって、スイスに学ぶことがあるのではと思います。
スイスのインバウンドは日本の約7倍!!
コロナ前の2019年、スイスのインバウンド人数は1181万人。
日本は3188万人なので、単純平均では日本が約3倍ですが、
それぞれの国の人口と比較してみると、
日本は人口(1.26億人)の約1/4の人数、
一方、スイスはなんと人口の1.36倍の外国人がスイスを訪れています。
そして、観光収入を比較してみると、
スイスが212億usドルに対し、日本は452億usドルと、
これも単純平均では日本の方が多いですが、
訪れたインバウンド人数「1人あたり」で見ると、
スイスは 1795ドル≒23.3万円と、日本の1.35倍。
日本は1333ドル≒17.3万円 (1usドル=130円換算)
その結果、スイスに訪れた外国人の落とすお金は、
スイス国民1人当たり年間で 2,440万円となります。
一方、日本は、国民1人当たり 358万円…その差、約7倍です!!
同じ山や森林を中心とした雄大な自然を持つ日本にとって、
スイスから学ぶことは何かを考えてみたいと思います。
今の7倍の観光収入があったら...
日本の森林や里山にもそのポテンシャルがあるかもしれない。
スイス観光客への11のヒント
スイス政府観光局のHPに
「11 tips for responsible tourism in Switzerland.」
というページがあります。
全文英語ですので、翻訳ソフトの力を借りながら意訳してみると…
1. Choose the greenest route in Switzerland.
スイスへの旅は最も環境に優しいルートを選択しましょう。
旅行で発生する汚染物質の70〜80%は、到着時と出発時に発生します。
環境にやさしい移動手段を選んでください。
ヨーロッパの多くの都市と快適な寝台列車結ばれています。
飛行機の場合は、直行便や資源効率の高い機種を採用の航空会社をお選びください。
2.Get to know Swiss art.
スイスの芸術を知る。
スイスに来る前に、
スイス人の価値観、考え方、伝統について学ぶことで、
スイスの行動や習慣を知ることができるだけでなく、
現地の人とより簡単に打ち解け、末永い友情を築くことができるからです。
3.Stay longer.
長く滞在する
地元の人々との出会いが増え、印象が深まり、
1日あたりの環境へのマイナス影響は少なくなり、
まさにWin-Win-Winです。
滞在期間が長ければ、
あまり知られていないけれども美しいスイスの渓谷や町を訪れ、
文化や生活様式をより身近に感じることができるようになります。
4.Discover Switzerland outside of the high season.
ハイシーズン以外のスイスを発見してください。
ハイシーズン以外の旅は、より牧歌的な場所、新しい色、
そして忘れがたい印象を与えてくれます。
同時に、これは、よりバランスのとれた観光をもたらし、
長期的に健康的です。
より広い空間、より多くの交流、より多くのリラクゼーションが保証されます。
6.Travel like the locals.
地元の人のように旅をする。
鉄道やケーブルカーなど公共交通機関は観光客と同様、
地元の人々にも人気があります。
スイスは、公共交通機関を使った移動のしやすさ、快適さ、多様性において、他の追随を許さない国です。
でも車での移動をしたいなら、低排出ガス電気自動車をレンタルしてください。電気自動車の充電ステーションは、日々増え続けています。
6.Opt for sustainable and locally run accommodation.
地元経営の持続可能な宿泊施設を選びましょう。
宿泊は、旅行中に排出されるCO2の中で2番目に多いものです。
Swisstainableのエンブレムが付いたホテル、B&B、ユースホステルを利用することは、環境保護と社会公平に貢献します。
地元経営の宿泊施設に泊まることは、
あなたが使うお金が地元に残るということです。
さらに、環境や社会的責任に配慮した宿泊施設を意識的に選ぶことで、
個人的な楽しみが増え、より充実した体験ができます。
7.Eat at local and responsible restaurants.
地元に根付いたレストランで食事をする。
地元で採れた新鮮な野菜や有機食材、スイスのワインメーカーや醸造所の製品を扱い、新鮮で本格的な料理を提供しているレストランを選ぶとよいでしょう。
また、Swisstainableのシンボルマークは、
そのレストランが人や環境に対して責任を持っていることを示すものです。
8.Respect the environment.
環境に配慮する
自然を守るため、畏敬の念と敬意をもって接してください。
スイスには、65,000kmに及ぶ驚くべきハイキングコースがあります。
野生のキャンプが許可されたところもあります。
自然を愛するすべての人々を満足させるに十分なものですが、
野生の生物にも配慮してください。
野生動物たちは、あなたの心遣いに感謝することでしょう。
9.Buy quality gifts made in Switzerland.
スイス製の高品質なギフトを購入する。
精度、ケア、品質というスイスの特徴を具現化した本物のスイスのお土産で、友人や家族を喜ばせてあげましょう。
地元の工房を訪ねて、スイス製の製品を探してみてください。
あなたの大切な人が喜ぶと同時に、地元の職人たちを支援することにもなるのです。
10.Reduce, reuse, recycle.
リデュース、リユース、リサイクル。
"Less is more "は新常識であり、資源の消費を抑え、より環境にやさしい実践をするための鍵です。
3つのRを常に念頭に置いてください。
たとえスイス旅行中でも、ゴミを出さないようにしましょう。
可能な限り再利用可能ものを使用し、
リサイクルマークやリサイクルステーションに注意しましょう。
スイスは、非常に効率的なリサイクルシステムを誇っています。
11.Be a role model.
模範となるように。
自分自身、そして未来の探検家や冒険家のために、積極的な模範を示しましょう。
次の世代も、あなたと同じように、スイスの自然の驚異や地元の文化を楽しみたいと思うでしょう。
責任と思いやりをもって行動し、環境への影響を最小限にとどめ、ホストや他の訪問者に敬意を払いましょう。
観光についても「安売りニッポン」?!
日本政府観光局にも、スイス政府観光局に負けず劣らずの素敵なサイトがあります。
サステナブル・ステイを提案するページもあります。
でもなんかちょっと違う…
日本はまだ、
「こんないいところがあるから来てね!」
「こんなエキゾチックな体験ができますよ!!」
「だから来てね!来てね!来てね!!」
といった手放しの歓迎アピール全開な印象。
スイスは、ちょっと上から目線?!の
「良いところはたくさんあるけど、誰でも彼でも来て欲しいわけじゃないからね」
「自分の感性や興味に合う旅を見つけてゆっくり楽しんでね」
「観光に来るならそれなりに敬意と配慮をもって来てね」といった印象。
国民の1.3倍以上の外国人が訪れ、国民一人当たり2400万円のお金を落としてもらえるスイス。
一方、コロナ前の日本の有名観光地が、受け入れきれないほどの外国人観光客で溢れかえり、嵐のように通り過ぎ、地元は疲弊するだけであまり潤わず、「オーバーツーリズム」という言葉だけが残った日本。
いま、日本は「安売りしすぎ」が国全体の成長を止めた要因と言われています。
観光についても、貴重な自然資源を安売りせず、もっと質を高め、高くても来てもらえるような戦略が必要かもせれませんね。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。