短歌どうでしょう 吉野~歴史の記憶と神々の鎮もる地~
奈良県吉野 今では千本桜で有名な観光地であるが、修験の聖地でもあり、また、古代から日本の歴史の舞台となってきた地でもある。
吉野には何かがある。人間と神々のあわいにある何か。
ここにあるのはまったく手つかずの大自然ではない。この地には、悠久の歴史の中で人が関わり、神々の声を何らかの形に具現化してきた痕跡が刻まれている。
吉野には何かを壊し、新たに何かを生み出す力がある。この地にはそれほどに強く尊い神々のエネルギーが降り注いでいる。
青根ヶ峰はその名前の通り、重なり合う青い峰々が見渡せる。その果てに、雲は白く浮かぶ。その白さは吉野の地の厳しくも清らかな再生のエネルギーを思わせる。