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Rx的「ヒット曲」分析 ~年間/月間1位の累計セールス~
【はじめに】
この記事では、「ヒット曲分析」のベースとなる指標の一つの「フィジカルセールス」について、時代を超えた拡張を目指す意味を込めて、「年間1位/月間1位」獲得曲の累計売上はどれくらいだったか軽く調べていきます。
1.「年間」チャート1位の売上指標
「☆」:25万枚相当(当該年)
「★」:25万枚相当(公称および当該年以外の売上)
1961 ★★★★.★★★★.★★★★.★ 銀座の恋の物語
1962 ☆☆☆☆.★★★★.★★★★王将
1963 ★★☆☆.☆☆★★.★★ いつでも夢を
1964 ☆☆☆☆.☆☆★★.★★ お座敷小唄
1965 ☆☆☆☆.☆☆☆★. 柔
1966 ★★★★.★★★★.★★★★.★★ 君といつまでも
1967 ☆☆☆☆.★★★★.★★ ラブユー東京
1968 ☆☆☆☆.☆☆★★.★★ 星影のワルツ
1969 ☆☆☆☆.★★ . 夜明けのスキャット
1970 ★★★☆.☆☆☆☆.★★ 黒ネコのタンゴ
1971 ☆☆☆☆.★★ . わたしの城下町
1972 ☆☆☆☆.☆★★★.★★★★.★★★★ 女のみち
1973 ★★★★.★☆☆☆.☆☆☆☆.★★★★ 〃
1974 ☆☆☆☆.☆☆☆★.★★★★なみだの操
1975 ☆☆☆☆.★★ . 昭和枯れすゝき
1976 ☆☆☆☆.☆☆☆☆.☆☆☆☆.☆☆☆☆.☆☆★★
およげ!たいやきくん
1977 ☆☆☆☆.★★★ . 渚のシンドバッド
1978 ☆☆☆☆.☆☆★★. UFO
1979 ★☆☆☆.☆☆☆★.★★★ 夢追い酒
1980 ☆☆☆☆.☆☆★★. ダンシング・オールナイト
オリコン発足前は推定&公称値。
年間チャート1位の楽曲の累計売上は、
少なくとも150万、平均は約200万
というのが昭和中/後期の目安値と推定。
2.「月間」チャート1位の売上指標
「☆」:25万枚相当(当該年)
1970年
70/01 ☆☆☆☆.☆☆☆☆.☆☆ 黒ネコのタンゴ
70/02 ☆☆☆☆. 逢わずに愛して
70/03 ☆☆ . 白い蝶のサンバ
70/04 ☆☆☆☆. 女のブルース
70/05 ☆☆☆☆. 〃
70/06 ☆☆☆☆. 圭子の夢は夜ひらく
70/07 ☆☆☆☆. 〃
70/08 ☆☆☆☆. 愛は傷つきやすく
70/09 ☆☆ . 手紙
70/10 ☆☆☆☆.☆男の世界
70/11 ☆☆☆ . 京都の恋
70/12 ☆☆☆ . 〃
1975年
75/01 ☆☆ . 冬の色
75/02 ☆☆ . 私鉄沿線
75/03 ☆☆ . 22才の別れ
75/04 ☆☆☆ . 我が良き友よ
75/05 ☆☆☆☆. 昭和枯れすゝき
75/06 ☆☆☆☆. シクラメンのかほり
75/07 ☆☆☆ . 港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ
75/08 ☆☆☆ . 心のこり
75/09 ☆☆☆ . ロマンス
75/10 ☆☆☆ . 時の過ぎゆくままに
75/11 ☆☆☆ . 『いちご白書』をもう一度
75/12 ☆☆ . センチメンタル
1980年
80/01 ☆☆☆☆.☆異邦人
80/02 ☆☆☆☆. 大都会
80/03 ☆☆☆☆. 贈る言葉
80/04 ☆☆☆☆. ランナウェイ
80/05 ☆☆☆☆. 〃
80/06 ☆☆☆☆.☆☆☆☆ ダンシング・オールナイト
80/07 ☆☆☆☆.☆☆☆☆ 〃
80/08 ☆☆☆☆.☆☆☆☆ 〃
80/09 ☆☆☆☆. 順子
80/10 ☆☆☆ . 風は秋色
80/11 ☆☆☆ . 〃
80/12 ☆☆☆ . 恋人よ
年間チャート1位の楽曲の累計売上は、
少なくて45万(厳密には☆1つだが、本記事では☆☆で表示)
平均は約75万程度(年間上位で100万超?)
というのが昭和中/後期の目安値と推定。
3.時代を超えて適用したい!
昭和の後半のデータを元にまとめると、ざっくりこんな感じでしょうか。
(1)下限の目安
・月間1位 : 累計 45万
・年間1位 : 累計150万
(2)平均の目安
・月間1位 : 累計75~100万
・年間1位 : 累計200万
元々の目的としては、オリコンなどのヒットチャートによる「実売売上」が無い上、「公称売上」も示されていない昭和中期以前のヒット曲について、売上の平均推定値を設けようというものでした。
※例えば「日本レコード大賞」を受賞した楽曲でも、第2回や第8回で大賞を受賞した曲は、公称&実売売上が明確でありません。こういった楽曲達のデータをざっくり補完したいというのが趣旨でした。
ただ、更に拡張すれば、(あささんなどのご意見に基づけば)CDセールスがヒットの指標として機能不全に陥った平成の後半以降に年間1位や月間1位を獲得するような楽曲達も、時代が時代ならば、これぐらいの売上換算値のヒットを遂げていたと推定できるのではないかと考えるようになりました。
さらにさらに拡張して解釈すれば、
「目標としたい時代の平均値」を求めて、
それに「今、新たに生み出した指標」を寄せていく
という作業は必要不可欠ではないかと感じるのです。
※これをしないと、表面的には連続性が取れているように見えても、時代等の断絶によって「単純比較」ができなくなってしまいます。
以上、”チャート1位”の雑感メモでした。今後の「ヒット曲分析」の参考にしたいと思います。