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動きによる断層の分類について調べてみた

【はじめに】
この記事では、2021年3月31日に放送された「ウェザーニュースLive」内の『教えて予報士さん』コーナーで取り上げられた『正断層と逆断層の違い』に関連して、動きに寄る断層の分類について見ていきます。

Q.正断層と逆断層の違いがいまいちわかりません!

元・地象センターの山口さん曰く、

「地震」というと地震の揺れを想像する方も多いと思うが、地震学で言う「地震」とは、岩盤がズレ動く『断層運動』のことを指す。その『断層』のズレ方がどうなのかを正断層・逆断層などで表現している。

そして、断層の動き方を分類すると、大きく分けて以下の様になります。

・縦ずれ断層
 ・逆断層(横から押され、上に持ちあがる)
 ・正断層(横に引っ張られ、下に落ちる)
・横ずれ断層

ズレ方によって「縦・横」のずれに大別され、縦ずれのうち、圧力の掛かり方によって、縦ずれの中で「逆断層」「正断層」に分かれるのだそうです。

※もちろん、地震によっては、これらの複数の要素が含まれていたり、或いは、どれにも分類しにくいタイプの地震もあることはあります。

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教科書などにある図が少し学術的なので、もう少し直感的に覚えやすい形に簡略化した図を引かせてもらいました。要するに、引っ張って→落ちるのが「正断層」、押され→持ち上がるのが「逆断層」とまずは理解しましょう。

その上で、地学的な圧力の掛かり方だったり、細かい分類だったり、或いは「気象庁」の発表資料などで良く見かける「CMT解」の読み方などを、興味のある方が深堀りしていただければと思います。

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0.一般の人はそこまで気にしなくても良い説

気象庁の記者会見などの後、テレビなどで良く「地震のメカニズム」の分析結果が報じられるため、「逆断層型」がどうだとか耳にしたことのある方も多いかと思います。

メディアが報じるので、何か我々一般人にも重要な意味を持ってくるのかと思ってしまいがちですが、山口さん曰く、

・地震が起きた時に、違いを感じるか、意識できるかというと出来ない
・どういう断層運動したかはすぐには知れない(解析に時間が掛かる)
・被害、震度にも違いが出る訳でもない。(正断層だから~とかもない)

防災・減災という観点では、あんまり意識しなくても良い。
地震学(地震そのものの研究やその地域における特性とか)で使うもの。

とのことです。(なので、私も上の方で『知りたい方だけ』と言いました)

なのでここからは、具体的に過去の事例を列挙するに留めたいと思います。

1.縦ずれ断層【逆断層】の例

世界的な地震大国であり、4つのプレートに囲まれて、プレート境界型地震の巨大地震に何度も襲われてきた日本列島。

千島海溝沿い、日本海溝沿い(東北地方太平洋沖地震)、それに南海トラフ巨大地震などはいずれも「逆断層」型とされています。

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世界的に見れば、全ての巨大地震が「逆断層」という訳ではないのですが、日本の短い観測の歴史の中では、逆断層型の地震で、極めて甚大な被害が出たことが多いとは言えます。

《 20世紀の日本周辺 》
・1923/09/01 6 7.9 大正関東地震
・1944/12/07 6 7.9 昭和東南海地震
・1946/12/21 5 8.0 昭和南海地震
・1952/03/04 5 8.2 十勝沖地震
・1993/07/12 5 7.8 北海道南西沖地震
・1995/01/17 7 7.3 兵庫県南部地震(横ずれ断層も)
《 21世紀の日本周辺 》
・2003/09/26 6弱 8.0 十勝沖地震
・2004/10/23 7  6.8 新潟県中越地震
・2007/03/25 6強 6.9 能登半島地震
・2007/07/16 6強 6.8 新潟県中越沖地震
・2008/06/14 6強 7.2 岩手・宮城内陸地震
・2011/03/11 7  9.0 東北地方太平洋沖地震
・2011/03/12 6強 6.7 長野県北部(栄村)
・2011/04/07 6強 7.2 宮城県沖
・2018/09/06 7  6.7 北海道胆振東部地震
《 世界 》
・1960/05/23 9.5 チリ地震
・1964/03/27 9.2 アラスカ地震
・2004/12/26 9.1 スマトラ島沖地震
・2008/05/12 7.9 四川大地震(右横ずれ要素を含む)
・2010/02/27 8.8 チリ地震

2.縦ずれ断層【正断層】の例

「逆断層」型に比べて、「正断層」型での地震での顕著な例は少ない印象がありますが、別に「正断層の方が逆断層より怖くない」ということはありません。

《 20世紀の日本周辺 》
・1933/03/03 5 8.1 昭和三陸地震
・1953/11/26 5 7.4 房総沖地震

その最たる例が、1933年に発生し、数十メートルの津波と数千名の犠牲者を出した「昭和三陸地震津波」でしょう。

《 21世紀の日本周辺 》
・2008/07/24 6弱 6.8 岩手県沿岸北部
・2011/04/11 6弱 7.0 福島県浜通り地震
・2012/03/14 4  6.9 三陸沖
・2016/11/22 5弱 7.4 福島県沖

東日本大震災後に、東北地方の沿岸で起きた「正断層」の地震では、津波が観測された事例が幾つもあります。前述のとおり、縦方向へ断層がズレるため、横ずれタイプに比べ、津波が目立つケースもあるようです。

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明治三陸地震から昭和三陸地震まで37年、間隔があいたように、2011年に「東日本大震災」をもたらした東北地方太平洋沖地震から10年以上が経った現在においても、「アウターライズ地震」への警戒は引続き必要です。

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《 世界 》
・2007/01/13 3 8.1 千島列島沖

3.横ずれ断層の例

イメージ的に、日本列島の内陸部の断層が動き、数千人単位の犠牲者を出す様な大地震が印象的な「横ずれ断層」。

《 20世紀の日本周辺 》
・1927/03/07 6 7.3 北丹後地震
・1930/11/26 6 7.3 北伊豆地震
・1943/09/10 6 7.2 鳥取地震
・1948/06/28 6 7.1 福井地震
・1993/01/15 6 7.5 釧路沖地震
・1995/01/17 7 7.3 兵庫県南部地震(逆断層も)

北伊豆地震で、地表面に現れたこの写真は、現代でも知られています。

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21世紀における最たる例が、2016年の「熊本地震」ではないでしょうか。

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《 21世紀の日本周辺 》
・2005/03/20 6弱 7.0 福岡県西方沖地震
・2011/03/15 6強 6.4 静岡県東部
・2016/04/16 7  7.3 熊本地震

世界的には、数十万人の犠牲者を出した内陸直下型地震だったり、M8.6などと呼ばれる巨大地震が起きたケースもあります。

《 世界 》
・1906/04/18 7.9 サンフランシスコ地震
・1950/08/15 8.6 アッサム・チベット地震
・1976/04/28 7.5 中国・唐山地震
・2010/01/12 7.0 ハイチ地震
・2012/04/11 8.6 スマトラ島沖地震


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