ファッション誌から読むアート最先端 2014年 9月 (vol.2)
ファション誌のアート囲み記事からアートの「最先端」考えようという試み、第2段を迎えることができました。
まず、ここで取り上げている雑誌、前回選定基準で「なんとなくクリエイティブシーンを向いていそうなもの」というふうにしていました。これらはどうやら「モード・ハイエンド系」に分類できるものが多いようです。(参考:ファッション誌の系統女性ファッション雑誌ガイド)つまり、ファッションの最先端に目を向けている雑誌といえます。だからアート記事にも最先端のものが多く集まってくる、と受け取って今のところは問題ないと考えておきます。確かにいわゆる「上野系」は少なく、一般的にも最先端と目される現代アートが中心に取り上げられていています。
雑誌の系統に目を向けていくと、それはそれでおもしろく、系統ごとの偏差とかもとれたらな、、とか思いますが、それはまた別の機会に。。。
今回『Harper's BAZAAR (ハーパーズバザー)』はお休みです。隔月刊だというのは知らなかった。。。代わりに、婦人誌『クロワッサン』がおしゃれなライフスタイル誌へと劇的なリニューアルを遂げた、『&プレミアム』の人気にあやかり加えてみました。
また、男性誌が少ないところに、季刊の『Them magazine (ゼムマガジン)』が出たので入れられると思ったんですが、アート記事、ないんですね。『EYESCREAM (アイスクリーム)』(前号に引き続き)にも見つけられず。。。男性はアートに興味少ないんでしょうか。なんだか悲しいですが、これはもっと他の男性誌も見てみないとですね。あと、男性誌は女性誌とは系統の分け方が違うような気がしています。この辺の分析も今後の課題です。
『 』 → 雑誌名、号数
− − → コーナー名
( ) → ライター、エディター、ない場合は不明
『VOGUE JAPAN (ヴォーグジャパン) 2014年 10月号』
−VERY VOGUE−
MY OBSESSION (青野尚子さん)
フィオナ・タンへのインタビュー (「まなざしの詩学」&「Nellie」)
ART (児島やよいさん)
「札幌国際芸術祭2014」
「せいのもとで - lifescape - 」展
イケムラレイコ 「PIOON」
『ELLE Japon (エルジャポン) 2014年 10月号』
−Culture Club−
ART&STAGE
メインの記事 Beyond Earthとして3つの展覧会を紹介 (青野尚子さん)
鈴木康広 「近所の地球」
「ARCHEOLOGY OF THE FUTURE - 未来の考古学 - 」
ピエール ポラン「デザインフォーエバー」
その他の記事
「ヨコハマトリエンナーレ2014 華氏451の芸術: 世界の中心には忘却の海がある」
Recommended Stage (高橋彩子さん)
ジョージ・イブラヒム、坂田ゆかり、目、長島確「羅生門|藪の中」
「炎 アンサンディ」
『Numero TOKYO(ヌメロトウキョウ) 2014 年 10 月号』
−今月の展覧会− カレンダー付き
鈴木康広 「近所の地球」
「HILLSIDE TERRACE Photo Fair」
「アート・スコープ2012-2014 -旅の後 (あと) もしくは痕 (あと) 」 展
「オルセー美術館展 印象派の誕生 - 描くことの自由 - 」
「ヨコハマトリエンナーレ2014 華氏451の芸術: 世界の中心には忘却の海がある」
横山裕一展「これがそれだがふれてみよ」
「イメージメーカー展」
「だまし絵Ⅱ 進化するだまし絵」展
堤清二/辻井喬 「オマージュ」
「第9回ヒロシマ賞受賞記念 ドリス・サルセド展」
『NYLON JAPAN (ナイロンジャパン) 2014年 10月』
−Art Tripper− (工藤キキさん)
「ヨコハマトリエンナーレ2014 華氏451の芸術: 世界の中心には忘却の海がある」
「無人島プロダクション8周年記念展」
五木田智央 「THE GREAT CIRCUS」
−G's ART−
林央子のWhat's Art?
メインの記事
ツァイ・ミンリャン「郊遊<ピクニック>」
その他の記事
「絵画の在りか」 展
谷内恒子 「ミクロ・イヴェント」
召ませ♥︎メディアアート (齋藤あきこさん)
「札幌国際芸術祭2014」
−&ART− (展覧会紹介ではなくコラム、河内タカさん)
デレクジャーマンの庭 (関連書籍のリンクです)
−SO-EN JAM−
INTERVIEW (北小路隆志さん)
ツァイ・ミンリャン「郊遊<ピクニック>」
ART (中島良平さん)
メイン記事
五木田智央 「THE GREAT CIRCUS」
その他の記事
「ヨコハマトリエンナーレ2014 華氏451の芸術: 世界の中心には忘却の海がある」
フィオナ・タン 「まなざしの詩学」&「Nellie」
「ジャック・ドゥミ 映画/音楽の魅惑」 展
スズキユウリ 「Playing with Sound」
−TO DO LIST− (Keisuke Kagiwadaさん、Ken Miyamotoさん)
オカタオカ 「STUFFED HEADS」(終了)
「花咲くジイさん~我が道を行く超経験者たち~」
「ジャック・ドゥミ 映画/音楽の魅惑」 展
五木田智央 「THE GREAT CIRCUS」
** note
紹介される展覧会は、なんとなく月が変われば一気に入れ替わる気がしていたんですが、そういうわけではないんですね。たしかにそれぞれの発売時期(半月くらい違うものがあります)や展覧会の会期などを考えれば当たり前か。また、同じライターさんが別々の雑誌で月を変えて同じ展覧会を取り上げていることも。なるほど、そういうこともあるんですね。
今回特に目についた記事は、五木田智央 「THE GREAT CIRCUS」、鈴木康広 「近所の地球」、それから前回意外と少なかった「ヨコハマトリエンナーレ2014」は会期が始まり掲載が増えました。
五木田智央さんは活動としてはイラストレーションの文脈が強いようです。Tシャツのデザインなども多く手掛けてきていて、直接ファッションと関われるということから、ファッション誌では注目を集めているのだと思います。
『GINZA』では林央子さんが、映画のツァイ・ミャンリン監督「郊遊<ピクニック>」を取り上げています。『装苑』でも監督ツァイのインタビューが取られているんですが、たぶん映画としてなんですね。他の雑誌でも映画の記事に載ってたりしますが、林さんはアートで取り上げている。これには林さんの見地の柔軟さが表われているのはもちろん、この作品がアートとして取り上げられることに、読者が受け取る情報として一定の意味があるように思います。
唯一の男性誌『POPEYE』から、「花咲くジイさん~我が道を行く超経験者たち~」は、非凡な魅力を放つじいさんたちを集めた展覧会。サブカル全開&男性読者に年の取り方を伝授するかのようで『POPEYE』ならではでしょう。
第2回、前回より若干ボリューム増しました!秋が深まっていくこれから、そういえばアートイベントは毎年この時期からぐんと増える印象があります。そんな中でどんな傾向が出てくるのかな、楽しみです。
*ちなみに「アートイベント」をまとめたカレンダーを作ってます。
→ ART EVENT CALENDAR