ファッション誌から読むアート最先端 2014年 8月 vol.1
「日本でアートの最先端をつかむにはどんな雑誌を読んでいればいいのか」、美術手帖?、芸術新潮?、はたまたアートコレクター?、いろいろ考えていたんですが、どうもピンとこない。情報であれば、今やわざわざ雑誌を読まなくても、ネットで(アートクラスタとして振る舞っている限り)ある程度得られるのではないだろうかということです。
だったら、専門誌からただ情報を享受するよりも、別の何かがアートに向けるまなざしを主体的に追った方が、アートをより深く考えることになるのではないだろうか、と思いいたりました。そこで注目したのが、ファッション誌が読者に提供しているアート情報。そう、よく最後の方に映画や音楽情報と一緒に載っているアレです。
それは決して「最先端」ではないかもしれませんし、アートを「ファッション」として消費しているだけなのかもしれません。むしろアートの最先端をつかもうとすれば、それでもなお美術雑誌を読み込むほうが正当なのは間違いないでしょう。だけどもしかしたら、アートを消費する側から眺めてみたとき、文化の中でアートがどういうものなのかが立ち上がってくるかもしれない、そう思ってこの試みをやってみることにしました。とはいえ、当面は雑誌に取り上げられた展覧会などを列挙するだけになりそうですが。。
また、雑誌の選定はかなり雑になっていると思います。なんとなくクリエイティブシーンを向いていそうなもの、という恣意的な基準で選びました。その他いろいろ修正はありそうですが、9月にもちゃんとリリースする、というのがまずは目標。こころざし低めですが、どうぞよろしくお願いします。
『 』 → 雑誌名、号数
− − → コーナー名
( ) → ライター、エディター、ない場合は不明
『VOGUE JAPAN (ヴォーグジャパン) 2014年 9月号』
−VERY VOGUE−
「ヨコハマトリエンナーレ2014 華氏451の芸術: 世界の中心には忘却の海がある」 (富田秋子さん)
鈴木康広 「近所の地球」 (青野尚子さん)
「絵画の在りか」 展 (児島やよいさん)
『ELLE Japon (エルジャポン) 2014年 9月号』
−Elle insight−
メイン記事
「 ア ー ト 小 豆 島・豊 島 2 0 1 4 」 (山下紫陽さん)
その他の記事
「絵画の在りか」 展 (山下紫陽さん)
谷内恒子 「ミクロ・イヴェント」 (山下紫陽さん)
*この他に、舞台の情報がアート情報として掲載されていました。「ヒストリーボーイズ」「バベル BABEL(words)」(共に高橋彩子さん)
『Harper's BAZAAR (ハーパーズバザー) 2014年 9月号』
−TALKING Point−
「イメージメーカー展」 (Noriko Kawakamiさんによる、ジャン=ポール・グードのインタヴュー)
「オルセー美術館展 印象派の誕生 - 描くことの自由 - 」 (鈴木芳雄さん)
フィオナ・タン 「まなざしの詩学」 (鈴木芳雄さん)
『Numero TOKYO(ヌメロトウキョウ) 2014 年 09 月号』
−cultural trip to Sapporo− (Fukasawa Keitaさん)
「札幌国際芸術祭2014」
−今月の展覧会− カレンダー付き
「美少女の美術史『少女』について考えるための16の事柄」展
「宇宙博2014」
谷内恒子 「ミクロ・イヴェント」
「李禹煥 展」
「絵画の在りか」 展
「モディリアーニを探して アヴァンギャルドから古典主義へ」
フィオナ・タン 「まなざしの詩学」
「ガウディ×井上雄彦 -シンクロする創造の源泉-」
「横尾忠則 肖像図鑑」
「会田誠展 世界遺産への道!! 会いにいけるアーティストAMK48歳」展
『NYLON JAPAN (ナイロンジャパン) 2014年 09月号』
−Art Tripper− (工藤キキさん)
万代洋輔 「あばら骨しか信頼していないじゃないですか俺」
目【め】「たよりない現実、この世界の在りか」展
三嶋章義「節穴」
−G's ART−
−林央子のWhat's Art?−
「開館20周年記念 MOTコレクション特別企画 クロニクル1995-」
「拡張するファッション」展
「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより - 」
フィオナ・タン 「まなざしの詩学」
−column−
「オープン・スペース 2014」展 (齋藤あきこさん)
−SO-EN JAM−(中島良平さん)
鈴木康広「近所の地球」
「びのこづさいぼー:ひびのこづえ+「にほんごであそぼ 」のしごと」
「美少女の美術史『少女』について考えるための16の事柄」展
「札幌国際芸術祭2014」
「横尾忠則 肖像図鑑」
−TO DO LIST−(keisuke Kagiwadaさん)
「ガウディ×井上雄彦 -シンクロする創造の源泉-」
谷内恒子 「ミクロ・イヴェント」
「美少女の美術史『少女』について考えるための16の事柄」展
「ジョージ・ネルソン展 - 建築家、ライター、デザイナー、教育者」
フィオナ・タン 「まなざしの詩学」
横山裕一展「これがそれだがふれてみよ」
** note
今回掲載が多かったのは、谷内恒子「ミクロ・イヴェント」、フィオナ・タン「まなざしの詩学」でした。逆に「ヨコハマトリエンナーレ」は意外と取り上げられていないんですね。
『装苑』はぼくも以前読んでたんですが、ひびのこづえさんが取り上げられていて、読者に制作を志す学生らが想定されているのを感じました。
また、ぼくが名前を知っている人だと、林央子さん、工藤キキさんなど、ライターの個性が記事に出てくると、他の雑誌と差別化されてるなという印象です。
さて今後は、雑誌のターゲット層などの分析も加えていければと思います。