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月またぎレビュー「9月→10月」

展覧会もアートイベントも映画も秋の新番組も、見たいものがたまってくると秋の訪れを感じる、そんな生活をしています。すでに見逃しそうなものもちらほら。。。
テレビでは、NHKの「ニッポン戦後サブカルチャー史」も第二弾がはじまっています。実は第一弾を全部見れていないとか、テレビの録画も必死に消化中。。。

【アート】
「Don't Follow The Wind Non-Visitor Center」
 @ワタリウム美術館
東京電力福島第一原子力発電所周辺の帰還困難区域内で開催されている、見ることのできない展覧会「Don't Follow The Wind」。ワタリウム美術館では今、その一部を垣間見ることができます。「見ることができない」ため、本当に展示がされているのかどうかもわからないとされていた本展ですが、このサテライト展によって、その姿が少しづつ具体的にイメージできるようになってきました。同時に公式カタログも刊行。展覧会のコンセプトを反映したデザインになっています。またドネーションとして、いつか見に行けるようになったときに使える「入場券」も販売しています。
実はまだキュレータートークを聞いただけで、展覧会自体はほとんどおあずけなってしまっています。そこで聞いたのは「内覧会」として数名の関係者が現地を訪れたということ。「見ることができない」というよりむしろ、(もちろん必要な準備をすればですが)「見ることができない、というわけではない」という方が強く印象に残りました。さて、ワタリウムの展覧会でその辺りがどのように見えてくるか、楽しみです。10/18(日)まで。

西野達 「写真作品、ほぼ全部見せます」 @TOLOT / heuristic SHINONOME
世界をひっくりかえすアーティスト、西野達さんの個展では、代表作「マーライオンホテル」や「ディスカバリング・コロンブス」など、主要な作品を写真で見ることができます。プロジェクト自体がおもしろいのはもちろんのこと、写真作品としても見応えがあります。10/31(土)まで。

「戦後美術クローズアップ」 @東京都現代美術館
今期のコレクション展は、「戦後美術の流れを軸にした通史的に展示」と「作品をかたちづくる基本的な要素としての素材に着目する展示」(キャプションより)。それにしても、いつもにまして知らない作家ばかりで勉強になりました。。。
特に60年代、反戦や万博粉砕を謳って過激なパフォーマンスが繰り広げられた「ブラックフェスティバル」。その辺りの前衛とかそこそこ見てると思ってたけど、恥ずかしながら初見。池袋が起点になっているらしく、先日見た「戦後池袋」展との関連を考えても興味深いです。他の企画展と合わせて、10/12(月・祝)まで。


【音楽】
アンリアレイジ(ANREALAGE) 2016 s/s コレクション

今回のコレクションでは、サカナクション山口一郎氏が手がける音楽が圧倒的に注目を集めていました。不思議な感覚におちいるバイノーラルサウンドは一聴の価値あり。イヤフォン、ヘッドフォン推奨。


【本】
TAKASHI HOMMA『THIRTYFOUR PARKING LOTS』&『SCANDINAVIAN MUSHROOM』
ホンマタカシ+田中義久+POSTによる、エド・ルシェのアートブックオマージュプロジェクトの第3弾、今回は2冊同時刊行です。エド・ルシェのオリジナルブックに合わせて、ホンマ氏の元の写真を大胆に改変。『THIRTYFOUR PARKING LOTS』ではカラー写真をモノクロで、さらにトリミングも変えて、『SCANDINAVIAN MUSHROOM』ではキノコの部分だけ切り抜かれ背景がない状態で収められています。
自作の改変について、ホンマさんは自分の写真切り刻んだりしてますからね、コンセプトに対しての貪欲さがうかがえます。

『boom+』
ブックデザインで異彩を放つオランダのグラフィックデザイナー、イルマ・ボームの仕事を、関わりのあるデザイナーたちが独特のやり方でプレゼンテーションする一冊。どのページも遊び心に満ち溢れていて、パラパラめくっているだけでほんとうに楽しい。イルマ・ボームのインタビューも収録、その他のテキストも日・英バイリンガル。
そしてなんと知人(覚えてるかな。。。)が企画・デザインしていたのでびっくり!


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