追う者
主様はいつからか笑わなくなった
その不思議な瞳がなにを見通して
その強い腕がなにを捕らまえて
どうして
笑わなくなったのかわからなくて
ただ、その背を追うだけしかでき
ないけれど
まっすぐなその声で
「こい」
と、
呼ばれたそのときに震えた魂には
主様だけでいいという、凜とした
なにかがあったから
私は変わりゆく月影のように
でも変わらぬこの思いをもって
いつのひか
呼びかけてくれたときの
その微笑みのために
主様の背を
主様の背だけを追うと
そう決めたのだ…
#私が好き ?
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