12/26「VESPERBELL」
〇聴いてるもの:「VESPERBELL」の曲いろいろ
パソコンと向かい合っているときは何かの音楽を聴いてるのが常である。私の趣味は主に、ボカロや、ボカロ出身アーティストなど。周期的にヘビロテするアーティストが変わり、最近ではぬゆりやナナホシ管弦楽団がアツい周期だった。しかし数日前、新たな発見を果す。
作業中、何の気なく曲を変えようと思った際、意図せず本家だと思って生再生した(R-sound design氏作曲)帝国少女の歌ってみた。youtube musicでは、サムネで本家だと思ったら似たサムネの歌ってみただったことがよくある。好ましい現象でもないが、今回は好転的に働いた。それ以来存在を知り、デュエットであることを知り、魅力にハマり、聴き漁った。
今日はなんとか、VESPERBELLの良さを書き連ねたい。
●リンク:youtube msuic
VESPERBELL。「ヨミ」「カスカ」からなる二人のバーチャルシンガー(最近で言えば「花譜」など、キャラクターアートを主体に活動する歌手、という説明で合っているだろうか)ユニット。
VESPERBELLにハマるかどうかは簡単に分かる。カバーソングが多いユニットだが、選曲がそもそも顕著だ。以下がカバーしている曲の一部となる。
『海色』『瞬間センチメンタル』『This game』『VORACITY』
上記した曲のうち一つでも、あっと来るものがあるのなら。VESPERBELLにハマるのはほぼほぼ間違いないだろう。厨二心を残す元少年少女を殺したいのかというラインナップ。試験紙のようですらある。上記楽曲のどれか一つが好きな人間が、他はあんまりということもそもそもあるのか。
VESBERBELLの魅力は何より歌唱力。上記楽曲を聞くときに私たちが求める、というか原曲からそうである、スタイリッシュでエッジのある、アニメチック女性ボーカル。カッコイイと女性的アニメチックを同在させてほしいのだ。オタクは。
二人は違った声のタイプで、共にその欲求を果してくれる。「ヨミ」はまさに「スタイリッシュでエッジの効いた」を体現する声質で、ここまで原曲の他に『海色』を歌いこなせるのかよと言いたくなるほど、パワーもエモさも兼ね備えたボーカル。
「カスカ」は対照的に可愛さが勝った声質で、アニメで言うなら主人公と同期入隊したとか、勝ち気な後輩とか、そういった役柄の赤毛ヒロインが思い浮かぶ感じ(ヨミなら精鋭部隊に所属する強キャラ先輩)。
単独で『ワールドイズマイン』を歌っていると言えばより分かりやすいだろうか。しかし、可愛いだけに終始するわけではない。VESPERBELLのコンセプトなのか、やはり彼女のボーカルもカッコイイ曲に良く合う。その「合う」の一因を言葉にするなら、それは「舌足らずなパワフルさ」にあると思う。
カスカの声もやはりパワフルでエッジがある。特に高音。スタイリッシュアニソンのラスサビ。あの特有の音程的盛り上がりが、欠けなく伸びきるのだからパワフルなのだ。
しかし、ヨミとデュエットで歌唱するとき。ヨミの完成度の高いパワフル歌唱と比べると、どこか舌足らずさと、力の劣りを感じてしまう。
それが、魅力なのである。
それは、先の例え話で述べたような「新米」と「精鋭」の対比における、『伸びしろ』の魅力だ。
これは間違いなく、ユニット発案とか、プロデュースの時点で意図された魅力に決まっている。圧倒的完成度の「ヨミ」と、どこか未完成さを残す「カスカ」。古来から、成長譚がカッコよくなかった時代などない。二人のユニットは、ボーカリストという立ち位置ながらに、『成熟』と『未成熟』の物語的魅力を演出している。
改めて言うが、どちらもカッコよくて歌超上手いアニメチック女性ボーカルだ。だから単独歌唱もとてもいい。ただ、その上で言うべきなのが、二人がユニットを組んでいることで生まれる、対比関係上の、物語性だ。ここまでつづった文章で、少しでも彼女らが歌う『カルマ』や『ピースサイン』のVESPERBELLにしか為しえない魅力に、興味を持ってもらえたらと思う。ユニットであること、ボーカルタイプの違いから生まれる物語性を、カバー歌唱に持って来たこのユニットをぜひ知ってほしい。
●リンク:youtube music
歌唱力ばかり書いてしまったが、アートワークも非常に良いので、そちらもご覧あれ。サムネイル一枚絵のクオリティが凄まじい。
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