『スポーツビジネスのマネタイズと可能性』イベントレポート前編
皆さまこんにちは。YELLtum広報担当です。
今回は、2021年5月13日に開催した弊社主催イベント『スポーツビジネスのマネタイズと可能性』のレポートを前編・後編に分けてお届けいたします!
イベント概要
新型コロナウィルスの影響で、大きな打撃を受けたスポーツ業界。そのような状況の中で、オンライン観戦やファンと選手をオンラインで繋ぐツールなど、オンライン施策の強化が必要になっています。今回のイベントでは、スポーツ業界で活躍されている5名のゲストスピーカーをお呼びして、これからのスポーツ業界、スポーツビジネスについて語っていただきました。
<ゲストスピーカー>
・フットサル元日本代表キャプテン / 北原 亘氏
・福山シティFC副代表 / 樋口 敦氏
・スポーツジャーナリスト / 上野 直彦氏
・SPORTS TECH TOKYO ビジネス・クリエーター / 白石 幸平氏
・フットボールライター / 結城 康平氏
<モデレーター>
・canow株式会社 COO/YELLtum事業責任者 / 大坂 亮平
新型コロナウイルス感染症拡大による、スポーツ業界の変化
感染症拡大によりスポーツ観戦が出来ない状態になりましたが、サッカーチームはどのように活動していたのでしょうか。福山シティフットボールクラブ(以下、福山シティFC)を運営している樋口氏からは、福山シティFCは『本格的にJリーグ加盟を目指す』という目標を掲げ、2020年1月から3月にかけて地元企業に会いにいくなどのスポンサー活動を行っていたものの、感染症の影響でほぼ白紙になってしまい、チームにとって大打撃でしたが、なんとかクラウドファンディングや銀行からの融資を受け、運営費を縮小させて昨シーズンは乗り切ることができた、とのことでした。
「3月4月はもう本当にやばいんじゃないかという思いを持って活動していましたが、コロナ禍でも打ち勝てる業態の企業さんが応援してくださったこともあり、そこをなんとか乗り切らせていただきました。今現在は、上手く資金繰りができるようになってきました」
チーム運営が非常に苦しい状況ではあったものの、地域貢献は常に考えていたという樋口氏は「困っていた飲食店や周りの小売店さんに選手が無料で配達を行うなどのサポートを行いました。自分達も困っていたけれど、地域のために何ができるのかということを考えながら動いていましたね。その結果、地域の方々が応援してくれるようになりましたし、地域の皆さんにクラブを認知してもらえるキッカケにもなったと思います」と振り返りました。
▼この素敵な取り組みは朝日新聞でも取り上げられています!
続いて、コロナ禍でのヨーロッパサッカーの状況についてライターの結城氏に聞いてみると意外な回答が。
「ヨーロッパもかなり影響は大きかったのですが、ヨーロッパだからこそかなと思ったのが、サッカー自体が社会の一部としてすごく重要なものだという価値観があるので、各自治体やクラブ関係者、ファンも含めて『サッカーだけは止めてはいけない』というような風潮になっていました。無観客になったりとかいろいろあったんですけど、ヨーロッパのサッカーは比較的動いていましたね」(結城氏)
また、ヨーロッパでは、仕事の機会が少なくなってしまったサッカーの指導者達が新しく始めたビジネスがあるといいます。
「ヨーロッパの指導者さんたちが、積極的にウェビナーを開いたり、オンラインでの指導のコンサルティングみたいなことをスタートされたりしてました。なので、すごく指導の勉強をしやすくなったと思います」(結城氏)
▼結城さんが執筆されているfootbaはこちらから
「スポーツ×テクノロジー」はどう変わったか
新型コロナウイルスの影響でビジネスのデジタル化が加速していきましたが、スポーツ業界はどう変わっていったのでしょうか。スポーツ×テクノロジーをテーマにした世界規模のアクセラレーション・プログラムを行っている『SPORTS TECH TOKYO』の白石氏からは下記のようなご意見いただきました。
「あくまで私の立場で見えるところになるので、少し限定的だとは思うんですけれども、物事を進める時って『構想』『計画』『実行』という順番がありますよね。今までスポーツテック領域は中々『構想』から『計画』に落としこむことが難しかったり、『計画』して『実行』するとき現場のオペレーションと合わなくて難しいみたいなことが多かったように思うんですけれども、今回の機会において、一気に実行までいく機会は増えたのではないかと思います」(白石氏)
▼白石さんの主な活動は下記より
「僕らは、スポーツ×テクノロジーという形でやってるんですけど、もはやそれ自体が古いというか、もう当たり前になってきてると感じます。
皆さんが『フィンテック』(※金融[Finance]と技術[Technology]を組み合わせた造語)とあんまり言わなくなってきているのと一緒で、スポーツ×テクノロジーというテーマ自体も、いい意味で当たり前になってきてるんじゃないかなっていうのは感じています」(白石氏)
その他にも、様々な新しいテクノロジーが驚くべきスピードて立ち上がってきています。その一つがNFTです。デジタルトレーディングカードが高額で取引されたりと現在スポーツ業界でもNFTが注目されているように感じますが、その領域は今後拡大していくのでしょうか。「今、NFTはバブルの時期です」と話すのはスポーツジャーナリストの上野氏。
「ご存知かもしれませんが、『NBA Top Shot』というサービスがあって、日本ではこの春ぐらいにブレイクしましたね。
2018年に大学で行われたイベントで、トークンやNFTについてお話したところ、壇上から見ていると若い子はもう目をキラキラさせて聞いていたのですが、40代以上のおじさんたちは首かしげていました。笑
その時に、『これはくるな』という印象を受けましたね。
私自身も好きな選手のプレー動画をNFTで購入しましたが、これは売ろうとはしてなくてコレクションとして持っています」(上野氏)
今後、漫画などの分野でもNFTが発行される未来が来る可能性があると言う上野氏。
「この2ヶ月間ってやっぱりNFTはバブルだと思うんですね。私の元にも3日に1回は問い合わせが来ているんです。大手の出版社は大体仕組みはわかってるんすけど、基本的には慎重ですね。トップダウンで進められるものではなくて、最終的には作家と編集が決めることです。なので、一つ言えるのは時間がかかるということ。特に日本では大手になればなるほど難しくなるのかなと思います」(上野氏)
後編に続く...
PS.
トピックは「スポーツと地域活性の可能性について」と「スポーツ選手のセカンドキャリア」についてです!お楽しみに。
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