ヒヨコのエッセイ#01-ナッシュ均衡と搾取戦略から考えるパンツ夏川事件
※この記事は数学的な検証を目的とした記事ではありません
昔、東大受験の数学で「グリコじゃんけんの最適戦略を自由に考えよ。」という問題が出題されたのを記憶しています。今考えるとこの問題ってナッシュ均衡の話をしていたのだな、と感じます。
ナッシュ均衡とは、ノーベル経済学賞受賞者でもあるジョン・フォーブス・ナッシュが提唱した理論で、めっちゃ簡単に言うとゲームのプレイヤー同士が一番バランスを保った戦略を取った状態のことです。普通のじゃんけんで言うと、2人のプレイヤーがグー、チョキ、パーを1/3ずつ出す状態がナッシュ均衡になります。
まあそんな難しい話をする予定はないのでご安心あれ。僕も正直数学は全然よく分かりません(滝汗)
例えばノーマルのグリコじゃんけんをする場合、グーを出すと3マス、チョキとパーを出すと6マス進める(実際はチョキって5マスでしたっけ?)ので、それぞれ1/3出すと進めるマス目の数を最大化出来ず、相対的にグーを出す頻度は減ります。かと言ってグーを全く出さないとチョキに永久に無双されるので、頻度を落としてグーを出すのがバランスの取れた戦略になってくる、みたいな感じです。
こうやってお互いがバランスを取った状態をナッシュ均衡と言うのですが、実際にじゃんけんする時に1/3ずつぴったり出す相手なんていない訳で、偏りが存在します。(ここでは触れませんが、囚人のジレンマを思い出す方もいるかと思います。)その場合は自分も敢えてバランスを崩して相手から搾取しに行きます。グーをいっぱい出す相手にはパーを出す頻度を増やす、みたいなイメージです。
この話からパンツ夏川事件を紐解いていきましょう。軽く振り返ると、基本的にはグリコじゃんけんのルールながら、自由なワードを選んでその文字数だけ進むことが出来るルールで、最終的に夏川さんと天さんの一騎打ちの構図となりました。夏川さんがリーチをかけて「(*>△<)<勝つとしたらパンツだ!」と謎の縛りをかけます(笑)
ここで一歩後退していた天さんが何ともらしい老獪な心理戦を仕掛けます。芸人肌の夏川さんがパンツで勝つためにパーを出す読みに一点張りして、チョキでそれを見事に仕留めます。ここであの名言が生まれましたね。
天「( ゚∀ ゚)信じてたぞ夏川。お前はパンツだ!」
ナン「(*>△<)<ボクパンツで勝ちたい!」
天さんの仕掛けた罠は巧妙で、自身の優勝も賭かった最終戦への伏線まで敷いてあるのです。天さんは恐らく夏川さんのクソザコ度をよく理解しているのだと思います。パンツのパーを狙い撃たれた夏川さんは次に出す時、心理的にパーを圧倒的に出し辛くなります。なら最終戦はグーを出せば確実に負けはない状態を作れます。
さっきのナッシュ均衡からの搾取の観点で言うと、夏川さんが次からパーを出す頻度が落ちると天さんは踏みました。そうなると極論100%永遠にグーを出し続ける純粋戦略を取っても利益が出せそうです。結果は皆さんのご存知の通り、そのグーに対して夏川さんは気合いのパーを貫き「(*>△<)<ぱあああぁんつ!!!」と叫びながら優勝を決めました。
天さんの何が間違っていたのでしょう。元来お互い優勝が賭かっているこの状態、優勝によって得る利益Xは条件に関わらず同じはずなので、天さんのパンツ対策を感じている夏川さんがパーを出す確率Pは落ちて、元来得る期待値E(X)(=PX)は減少するはずです。そうなると均衡を保つために相対的にグーとチョキの頻度が増えるはず。
天さんが恐らく見落としたものの正体は「パンツのエクスタシー」による評価値の急騰だったのだと思います。さっきの話で言うと、優勝による利益Xが同じという前提がそもそも間違っているのです。夏川さんの脳内の中で「ただの優勝」と「パンツによる優勝」は天と地ほどの差があったのです。
つまり夏川さんにとって
パンツによる優勝による利益(X1)>>>>>(越えられない壁)>>>>>普通の優勝による利益(X2)
という構図があったはず。そうなると利益Xが上昇しすぎて期待値の大小も逆転するという訳です。天さんの考えた期待値計算は単なる勝敗を基準とするもので、夏川椎菜という人物の脳内にあるパンツの存在意義を過小評価しすぎたが故のミスだったと言えるでしょう。夏川さんの中のパンツへの熱い情熱が最適な均衡解すら塗り替えたのです。
とはいえ最後まで夏川さんが戦いにくい土俵を計算しつつ、負けた時にこれは悔いの残らない一品だと夏川さんのパンツへのこだわりをに敬意を表した天さんは流石だと思います。またここまで長く書いてきましたが、つまり夏川さんはずっと「心が(パンツって)叫びたがってるんだ」という状態だったのだと思います。
こういう『理論派VS.脳筋一点張り(そして置いてかれるもちさん…)』という図式がドラマを引き起こすのも、まさにTrySailというユニットの確たる所以なのだなぁと感じさせられますね。何が言いたかったっていうと、御三方みんなパンツ大好きだなぁって事です(こなみかん)
最後までご拝読頂きありがとうございました!ばいなーんす!