FF11の昔話を始めようか ⑤~父親のサイドストーリー。側で見ていたリアルファンタジーの世界~
今から22年前にもなる。サーバー開始時の当初。
それはガチでリアルファンタジーをしているという感じのものだったものだ。
当時、父親と一緒にプレイを開始して。
父親は2002年12月5日から、私はその翌日の12月6日から。
同時期にFF11を開始していたのだけれど
2002年11月7日開通のケルベロスサーバー、まだ1か月の世界の中、
父親はバストゥークの戦士のエルヴァーン。
私はウィンダスの白魔導士のタルタルで始めた。
偶然もあったのだけれど幸運にも、当時は漂白時代と言われて
戦士と白魔道士以外、まさかのPTでは必要とされない中で、
適切と言われるエルヴァーンでの戦士とタルタルでの白魔道士をそれぞれしっかり選んでいたことでとても良い経験をできていた。
そして、中身に2人の人間がいるので、
前衛と後衛の正反対であるお互いの画面見ていて、
めちゃくちゃお互いが参考になっていたし、
お互いに教えあい、PTプレイにはそれぞれ自信を持って挑むことができていた。
そしてそこには激熱なストーリーが生まれていたと思う。
そしてこの記事では、側で見ていた激熱な、そんな父親サイドのストーリーを書こうと思う。
私のFFライフに関して言えば対人関係が多いものになったのはいいけれど
あまりにもリアルに寄り過ぎてしまったため、なんというかファンタジーだといえるような激熱なストーリー枠から離れてしまっていた部分があって
反対に父親は、いつもPTを組むのも一緒に行うような相棒的存在のフレができていて、
それ故のファンタジーのようなストーリーが生まれていたのを見ると、父親のプレイを側で見て羨ましく思っていた。
さてそんな父親が歩んでいたファンタジーの話。
当時開始したとき。まず父親にできた先輩的存在の人がいた。
それが12月5日の、ログアウトの仕方もわからず、質問した通りすがりのその人であったか
また別の人であったか、もう忘れてしまったのだけれど
白魔道士のツインテールのタルタル。その人が父親の先輩と呼ぶ存在になった。
まだ駆け出し冒険者で溢れる中、その人のレベルは30台になっていた。
当時にはレベル30台に達しているというと、かなり先輩のように感じたものだ。
エルヴァーンから見た、白魔道士のタルタル。
そのちいさいなちいさな体が、とても頼もしく見えたのだ。
そしてレベル5になったときであったか。グスタベルグを駆けていると
ヒューム♀の白魔道士の人からPTに誘われた。
まるでその様がファンタジーのように感じた。「あら...戦士さん発見。フッフーン?ねえ、あたしと、PT組まない?」と言わんばりの
そんな感じのファンタジーの一部の台詞のような雰囲気が自分の中で勝手にこだましている。
そうして戦いはじめたときに、ターゲットがそのヒュームの白魔道士の人の方に行ってしまったとき
「挑発して!」と言われ。しかしまだアビリティを覚えているなんて確認すらしていない状態で「挑発ってなんですか?」と聞くと
「えっ」と返答が。その後「逃げて!」「街に入って!」と一緒に街に戻ることになってしまった。
そして挑発というアビリティを学び、初心者の方だったんですね。誘ってしまってこちらこそごめんなさい^^;と丁寧に謝ってくる。
戦士とは、挑発をして、白魔道士を守らないといけないジョブなんだということをそこで学んだ
なんというかエルヴァーンの♂なので、頭ひとつ以上背の低いヒューム♀の白魔道士の人から積極的な感じでPTに誘われて
挑発ひとつもできず、守ることも知らなかったという非常に格好悪い結果に くそっと嘆くような形で終わったのだけれど
こうした駆け出しの冒険者であるというストーリーが最初にあったものだ。
そしてその後すぐに、私側は、レベル6になったとき、白魔道士として6人のフルPTを組み、白魔道士としての在り方を学んだのだけれど、
私のそのプレイの様を父親が側で見て
「白魔導士ってそんなんなの...?!」と驚き、愕然としていた。戦士がしっかりとして白魔道士を守らなくてはいけないのだと心に留められていた。
そうしてレベル10以上へと越えて行く頃、
サポ取りに誘われるようになる。いつもリーダをしている白ガルカの人。その人が後に父親の相棒的存在になった。
漂白時代にはすぐに取り合いになって誘われるはずの白魔道士ではあってもその人はガルカだったため、
誘われることがなく。そうして自分がいつもリーダーをやる必要があるということだった。
しかしたとえ禿ガルカであっても、礼儀正しく。きちんとしたプレイヤーの方だったため、「できればこの人と組むようにしたい」と父親も思うようになったのだ。
そうしていつの間にか、固定メンツと対人関係ができていくような。このサポ取りという時代を迎えていた。
(有名な再会というFLASHでもある話だ)
私は初日に入ることになったLSの先輩に、サポアイテムはLv18になる前に、先にとってもらうという形になってしまい、
ストーリーのようなものは何も得られず、そこが悔いに残っていたものだった。
父親のサイドでは、
誰もがまだ先のわからない中でバルクルム砂丘に集まって、
そしてゴブリンに絡まれ。それは絶体絶命のピンチだった。セルビナという町が先にはあるらしい、
みんなで逃げろ!と必死になって、そこに駆け込むと
突如、陽気なケルトの音楽が流れ。表示されないくらいの人、人。大量のプレイヤーがそこには集まっていた。
ここは...一体...?!息を飲むような気持ちで命からがらに逃げてそしてたどり着き見ることになったセルビナという町のあの瞬間に感じた
リアル、ファンタジーだという側で見ていたあのときのあの感動に勝るものはないような衝撃だった。
そしてサポートジョブを取り終わると、今度に訪れるのはジュノ時代だった。
過去の記事でジュノやPTプレイ、サポ取りなどについてすでに書いてきたのだけれど
この時から少しギスギスとしてくるようになる。
私の方のPTプレイにて、誰よりも早く反応して他のプレイヤーを回復して
そしてタルタルなのでMPが多いのでピンチになったときには誰よりも多く回復できる。
白魔道士のタルタルは、人の役にとても立つ反面、
誰よりもヘイトを貯めて、そして人を助けて、自分だけが死ぬ。という理不尽なことが多々あった。というかそういうトリッキーなシステムになっていた。
「そんなんやってられねぇ。やってらねぇよ。」と父親は私のPTプレイを見て憤慨する一方で、
だからこそ、戦士として、誠実に、白魔道士を守らなくては。という強く責任感を学んで持つようになっていたのだ。
FF11は、前衛側が後衛側をわからないと、極端にカス化するシステムになっているため、私から教わったこともあって父親の意識も高いものになった。
そしてLv30を迎え。ジョブチェンジを考える時期になり、選んだのはナイトだった。
そうしてジョブが育っていく頃、ある時の野良PTで、ピンチになった。
私みたいに「人を助けて、自分だけが死ぬ」という決断をしようとしていた白魔道士の人がいて。女神の祝福を使っていた。
そう。女神の祝福とは、メンバー全員のHPを回復する代わりに。いくら挑発しても絶対にタゲが取り返せず、白魔道士の人が死んでしまうジョブアビリティだ。
しかしナイトになっていた父親はそこで、インビンシブルを見事に決めた。
女神の祝福を使った白魔導士から、唯一タゲを取り返せるジョブアビリティ。
白魔道士の人は自分だけ死ぬ覚悟を決めていたと思う。
そんな中で、見事にタゲを取り返すことを決めて
そしてピンチな状況だったにも関わらず、軟弱なヒュームとは違う。丈夫で、そしてガルカよりも若干MPが多く自分で回復もできる。
エルヴァーンであったことが幸いし、本当にギリギリ。間一髪、
生還し「誰ひとりも死なせずに守り抜く」というのが決まったときには、震撼するものがあった。
エルヴァーンである父親が、とても格好良く、誇り高く見えた。
PTメンバーからも、拍手喝采ものだった。
そのときのメンバーの人から狩場から遠く離れていたにも関わらず
どうしてもこの人と組みたいと思ってもらえたのか、PTの誘いのTellが来たりとかしていたと思う。
レベル5の戦士の駆け出しだったとき、挑発というアビリティもわからず
白魔道士を守らないといけないということもわからず、
格好悪い結果に嘆いていたあの冒険者が
今や立派なナイトに育っていたのだ。
そして駆け出しの頃にお世話になっていた白タルの先輩はすでにもう長いことログインしていなかった。
先輩。一体どうしてしまったんだろう。今頃なにをしているんだろう。
そんなある日、本当に突然ひさしぶりに再会したとき、
その人のレベルを見て、驚愕した。未だにあの時の。レベル30台のままだったのだ。
とても頼もしく見えた30台という先輩のレベルを、父親はすでに抜かしてしまっていたのだ。
そうか。すでに先輩を、抜かしてしまっていたのか...。
すでに、そのとき。立派な熟練の冒険者になっていたという事実を。
身に噛みしめることなった。
先輩の背中を抜かし。他者を守り抜き。
気が付けば、父親は、ヴァナディールで。本当のナイトの冒険者になっていたのだ。