ヨルシカ月光再演ライブレポ
3.31.2022 【月光再演】
ー僕らは深い海の底にいる。
真下には言葉の砂漠が広がる。
遥か上には表現の波が泡立つ。
僕らは鯨だ。
想像力という名の海を、深く深く泳ぎながら、いつだって
欠けてしまった 何かを、探している。
「僕らは鯨だ。」
この言葉が強く印象を残し
そんなポエトリーから幕を開けた、月光。
3年前の初演とセットリストは変わらずだったが、舞台演出、ポエトリー、曲のアレンジなど細やかな部分がさらにブラッシュアップされていた。
舞台上に立つヨルシカの二人が
今2作の物語の青年エイミーと、彼女エルマに重ねて映る。
終盤に向けてエイミーの終わりを感じ緊張感や虚しさが胸を締め付けた。
最後の「だから僕は音楽を辞めた」では
suis氏に完全に投影されたエルマの歌が、叫びが、突き刺さった。
悲劇は胸を苦しみ傷めて、後味の悪さを残して終わった。
ー "そうか、これは走馬灯か。"
僕は今、瞼の裏に光を見ている。
夜しか照らさない、夜明けにも似た光。
薄く眩しく、淡い光とはとても思えない、月光を。
深い海の底からは地上の明るさ、または日差しが、夜を照らす月明かりのようにも見えたと思う。
東京ガーデンシアター、ライブハウスさながらの臨場感ある音響で
重低音が身体を伝う感覚がすごく心地よかった。
n-bunaのギターを荒く掻き鳴らす姿が忘れられない。(なのに、丁寧な綺麗な音を鳴らしていたりする)
ヨルシカのライブは映画を観るように、物語に没入する感覚が堪らない。
命を燃やしていた。