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留学開始早々に妊娠発覚した話(後編)
留学開始早々に妊娠が発覚した件について、中絶を決断するまでの話については前編をご確認ください。
後編では、中絶手術当日とその後についてを書いていこうと思います。
慣れない国での病院探し
前編でも書いた通り、私が今留学している国は中絶を禁止しており、中絶手術を受けるには他国に行く必要がありました。
自棄になった私は、「どうせなら手術前後で観光してやる!」と憧れだったスペインで病院を探すことにしました。
ルームメイトの助けもあり、中絶手術を専門にしているクリニックを見つけ、早速翻訳アプリを使用してメールを送りました。
その日のうちに、「電話で説明するので、電話番号を教えてほしい」という返信があり、即座に電話番号を返信しました。
しかし、タイミングが合わず、電話に出ることができなかったので、手術の方法とそれぞれの料金についての説明のメールが送られてきました。
このメールからは英語ができるスタッフの方が毎回対応してくださり、とてもホッとしたのを覚えています。
その後、複数回メールをやり取りして、手術の日程や時間まで全て決めました。この間なんとたったの2日間でした!すごい!
病院に初めてメールを送ったのが、血液検査で妊娠が確定した日だったので、かなりとんとん拍子にことが進んでいきました。
予約の際に驚いたのは、提供する個人情報の少なさです。
予約の際に必要だったのは、名前と電話番号、妊娠何週目か、という情報だけでした。
あまりにもあっけなく予約できてしまい、本当に予約できているのか当日まで不安でした…。
しかし、外国人からもたくさんのレビューが集まっている&英語サイトもあることから、そもそも中絶手術を受けに来る謎の外国人には慣れっこだったのかもしれません。
中絶手術当日の様子
いよいよ迎えた中絶手術当日。予約は9月28日の朝8時からでした。
宿泊していたホテルが病院から少し離れていたため、余裕を持って6時半には起床して、7時にはホテルを出発しました。
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道を間違える可能性を考慮して30分前行動をしていたら、珍しく道を間違えずに辿り着けてしまい、予約の30分前にはクリニックに到着してしまいました。
予約の時間まで、病院の目の前にあった公園のベンチで、緊張を紛らわせるために少し彼氏と話しました。
彼氏は研究室にいたため電話はできなかったのですが、この日は普段以上に即レスで、それにも救われました。
予約時間が近づいてくると、クリニックの前に人が集まり始め、予定通り8時にはクリニックに入ることができました。
平日の朝8時にも関わらず、私以外にも多くの人が到着しており、このクリニックが有名であることを再確認しました。
受付で声をかけると、対応してくれた女性がメールでやり取りをしていた方で、オフ会のような気分になりました。
彼女の英語が本当に流暢だったのにも救われました。
予約はきちんとされており、パスポートを出したら、それ以上なにも聞かれませんでした。
受付でカップを渡され、尿検査をするように促されました。
尿検査を終えると、休む暇なく血液検査に呼ばれました。
受付にいた女性以外のスタッフの皆さんは、英語がほぼ話せないようで、でも英単語でなんとかコミュニケーションしようとしてくれたのも本当に嬉しかったです。
血液検査のあと、そのままプラスチックの針を腕に残されたままで、これ取らなくていいの!?ミスじゃないの!?っと焦っていたのですが、不安そうな顔をしているのをバレたのか、待合室で待っている際に、通りすがりの看護師さんが「これはプラスチックだから心配しないで」と声をかけてくれました。みんな優しい…。
後で調べたのですが、これは点滴針のようなもので、日本でも使うみたいですね。健康体過ぎて点滴の経験もなかったため、変に不安になってしまいました。
その後医師との診療、看護師さんとのカウンセリング(生活習慣、既往歴、アレルギーからドラッグ使用の有無や初体験の年齢まで…!)、経膣エコー検査を経て、1時間の長い長い待ち時間を過ごしました。
経膣エコー検査の際に、コンドームを被せてジェルを絡めたプローブと言われる細い棒を、産婦人科医の方が膣から入れるのですが、私があからさまに緊張していたせいか、その場にいた看護師2人と女性の産婦人科医さんがたくさん話しかけてくれました笑
中絶専門なだけあって、エコー検査の画面が見えないようにしてくれており、「妊娠8週と6日だね」とだけ告げられました。
待合室で待っている他のスペイン人(特に付き添いの男性)達がソファーで気持ちよさそうに眠っていて、ゆるくていいな~と思ったのを覚えています。
その後、全身麻酔を伴う手術への同意書にサインして、料金を支払いました。
全身麻酔と手術を含めて、500€でした。日本円では約8万円と、日本に比べると少しだけ安く済みました。
ちなみに、中絶手術には海外旅行保険(留学保険でも)は利用できないので、全額自己負担です。
その後、手術着に着替え、手術室のある部屋に向かいました。
ベッドに案内され、まずは点滴を受けました。意識があったので麻酔ではなかったと思います。
その後、手術室にベッドごと連れていかれ、英語がペラペラなお医者さんから手術の内容の説明を受け(吸引法のようでした)、「麻酔を投入しますね」と声をかけれてからは意識がありません。麻酔ってあんなに早く効くんですね…。スペイン仕様だから???
その後、意識が戻ると最初に点滴を受けた場所に戻っており、目を覚ましたのに気付いた看護師さんが「桃とリンゴどっちが好き?」と聞いてきたので、リンゴと回答するとリンゴジュースを持ってきてくれました。
全身麻酔のために当日の0時から飲まず食わずだったので、正直水が欲しい気分でしたが、とにかく飲み干しました。
その後30分ほどベッドで休んで、ナプキンを受け取って服に着替え、手術後の過ごし方の説明を受け、病院を後にしました。
スマホを見れなかったので定かではないのですが、彼氏とのLINEのやり取りから推測するに、手術着に着替えてから病院を後にするまではたったの2時間20分でした。
想像以上にあっけなく終わって、現実味が湧きませんでしたが、病院を出る前に朝も受付してくれた女性が「これでもう自由だよ」と声をかけてくれたのが、やけに心に残りました。
生理中のような鈍い痛みがある子宮だけが、私が中絶した証拠であるような気がしました。
その後、薬局で炎症を抑える抗生物質のようなものを処方箋どおりに買い(約400円)、その後スーパーでナプキンも購入しました。
病院を出てすぐに彼氏に電話をかけ、気になっていた日本食のお店に向かいました。
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中絶手術、その後
手術直後にあった生理痛のような痛みは、ご飯を食べているうちに消え失せて、その後は何事もなかったのかのようにスペイン観光を楽しみました。
私の場合は出血が9日間ほど続き、それ以降は生理終わりかけのような茶色い血が術後2週間くらいまで続きました。
それ以外には痛みも炎症もなく、妊娠していた頃の症状が全部消え失せたおかげで、元の元気溌剌な自分に戻ることができました。
3週間の運動禁止期間を経て、待ちわびていた留学先でのクラブ活動にも参加でき、中絶手術後初の生理が終わったタイミングでこのnoteを書いています。
中絶の費用ですが、手術費や薬代の他、手術当日までの観光にかかったお金や食費、スペインまでの航空券代も全部含めた金額を、彼氏と半分ずつ負担することにしました。
彼氏曰く、食費や観光の分まで含めるのは、身体的・心理的負担が大きかった私へのせめてもの償いとして当然だとのことでした。
手術費だけ割り勘のつもりで散財していた私としては、若干不服ではあるのですが、彼氏がなかなか引き下がらなかったので、この方法で納得することになりました。
スペイン語を全く話せない中、異国で受ける中絶手術は、本当に本当に不安で、何度も彼氏が一緒にいてくれたらと思いました。
でも、良いルームメイト、病院に恵まれ、彼氏もできる限り連絡を取って支えてくれて、なんとか中絶することができました。
とはいえ、もう二度と中絶手術は受けたくないです。
これまで以上に注意深く避妊して、行為後にコンドームが破けたりしていないかの確認も欠かさずしようと思います。
次にもし妊娠することがあったら、今度こそ喜べますように。
家族や友達にきちんと報告できますように。
不安でいっぱいの同じ境遇の人たちが、私のnoteで少しでも安心できますように。
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ごめんなさい。