【Story】月が恋した物語。
Story... それは短い物語。別の箇所にすでに掲出しているものですが、こちらにも。
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これは、月と地球の物語
その昔、月は光のない暗い暗い宇宙を、もう随分と長い間、ひとりぼっちで彷徨っていました。
月は自分のことがキライでした。
自信がありませんでした。
顔がデコボコしていて、自分のことを醜いと思っていたのです。
あるとき月は、蒼く光るそれはそれは美しい星に出会いました。
それが地球です。
美しく輝く地球に、その魅力に引き寄せられて、月は地球に
「ねぇ、近くに行ってもいい?」
と尋ねました。
地球もずっとひとりぼっちで寂しかったので、月と出会えたことがとっても嬉しかったのです。
それから2つの星はずっと一緒にいます。
地球はいつもそばにいてくれるやさしい月が大好きでした。
でも月は、変わらず自分に自信がありませんでした。
地球は思いました。
「月には素敵な魅力がたくさんあるのに・・・。」
地球には、月の魅力がちゃんとわかっていました。
そして、地球で暮らす人たちも。
その人たちは、夜になると空を見て、白く輝く美しい月に癒されたり、和んだり、愛を語り合ったり・・・。
自分の魅力は、近すぎて案外自分では気づかないものなのですね。
ずっと、ずっと、月と地球は一緒にいます。
月はもう、自分のことをキライではありません。
だって、ずっと一緒にいてくれる地球がいるのですから。