映画「OVER DRIVE」
ラリーの世界に生きる兄弟の話。
兄はメカニック。弟はドライバー。
前半は、富士の麓など何ステージもあるラリーのレースをテンポよく見せて、その世界へ引き込んで行く。
このレースのカメラアングル・フレームワークがカッコイイ!
生でそのレースを見たくなるほど!
実際のレース中継じゃ実現が難しいだろうなという角度から撮っていたりしてレース好きには、たまらないだろう。
願わくば、エンジン音にもっと迫力が欲しかったが、F1マシンではないので、これがリアルなのかも。
後半は、前半のラリーを通して垣間見せていた反発し合う兄弟の過去が明らかになっていく。レースから人を描く方にシフトしていく。
兄弟の原風景は幼い頃に。
自転車で丘の上から一気に下るダウンヒルのスピード競争。
弟は怖いもの知らずで、猛スピードで丘を下っては途中の草むらにつっこんで自転車をよく壊す。
その度に兄が近所の整備工場で工具を借りて直してくれる。
「すぐ直してやるから」
この言葉が、大人になって反発はしていても、心では兄を信頼している弟の胸にいつもある。
ふたりの間に何があったのかは
映画で、DVDで観たいと思ってる方もいると思うので書かくのはやめておきますね。
そんなふたりの心の傷を描きながら、舞台はとうとう最終ステージの北九州へ。
緊迫したレースのなか、総合優勝をねらうふたりが所属するチームに致命的なアクシデントが!
それでもあきらめないチーム。
「すぐ直してやるから」
ラリーの興奮と人の想いがつまった、バランスの良い映画だと思います。
描きたがったこと、伝えたかったこととは違うかもしれないけど、私が改めて感じたことは、
どうしようもない悔しさっていうのは、本気でやった人のみが知ることのできる、崇高な感情なのだ、と。
#映画 #シネマ #overdrive
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