不思議な日
常日頃、人と接する日は頭の中が思考でごちゃごちゃしている。ごちゃごちゃした思考の中から悩み事を見つけて紐づけるのがすごく得意だ。
そんな気質だから、常にネガティブだった。リスクはいくらでも浮かんでくるから、リスクへの対策案をいくつも考えているのが普通だった。つまり思考が休まるときなんて、家で音楽を聴きながら酒を飲んでる時しかなかった。(そのときだって、今日の反省と明日の対策をしているけれど)
31歳になる歳、職場に行くとなんでもないけど涙が出るようになった。やばいと思って現場を変えてもらったけど、以前より悲観的になることが多くなって眠れなくなった。
32歳になるとき、人といるのがとてつもなく苦痛で、会社に退職したいと告げる日に予約のいらない心療内科に行った。
結局退職はなくなったけれど、あれから半年以上経つ今も同じ心療内科に通っている。
心療内科の先生は高齢で話を聞いてくれる人だ。わたしがまだ若いから依存性を考えて薬を出してくれているが、出されている薬ではどうしようもないことも多い。特に生理前は。
五年ほど前から四年間ほど低容量ピルを服用していた。生理前に異常に情緒が不安定になって当時のパートナーに当たり散らす、死にたくなる、仕事もイライラが目に見えてしまって周りに怯えられることが多かったから、その改善になればと思って服用していた。
しかし、あまり改善は見られなかったので一年ほど前に勝手にやめてしまった。お金もかかるし通院も負担だったし、決まった時間に薬を飲んだり、別の病院に通うたび服用を伝えなければいけないのも面倒だった。
けれど今年、膀胱炎でかかった婦人科でPMDDの可能性があるからピルを服用しては?と言われ、また服用することになった。ついでにリーゼをもらった。
婦人科では心療内科にかかっていることを伝えると、心療内科にもPMDDのことを伝えて通い続けたほうがいいと言われた。(PMDDが原因とは判断できないから)
後日、心療内科の先生にその旨を伝えたけれど、PMDDを知らないようだった。とりあえず以前からもらっていたセディールを5mgから10mgにしてもらい、入眠障害の対策として今までもらっていたセパゾンの代わりにデエビゴをもらって終わった。
入眠障害は相変わらずだが仕事中は安定していたので、セディールは飲みつつもリーゼはあまり飲んでいなかったが、いつだかに非常にストレスを感じることがあって、朝にリーゼとセディールを服用して、夜に飲み会に行った。
盛り上がって家に帰ったのは2時頃。この日の夜はなにも服用しないで寝て、4時間半ほどしか眠らずセディールのみ服用して仕事に向かったが、その日はおかしかった。
朝から思考がごちゃごちゃしていて未だにストレス源について考えていて頭が回らないから昼にリーゼを飲んだ。
そうすると、ネガティブな考えが一切浮かばなかった。例えるならお酒を飲んでいるような、幸福感。別にいいアイディアが浮かぶとか考えが捗るとかはないんだけど、あれを食べたいあれを買いたいあれをやりたい、というような欲求が浮かんでくる。普段そういう欲求がわからなかったから、びっくりした。
二日酔いで仕事に行ったことはあるが、そのときは「まだ酔ってるな」「具合悪いな」「ダメ人間」という気持ちばかりで、こんな気持ちになったことはなかった。
わたしの頭はおかしくなってしまったのか?と思ったが、やりたいことが浮かぶのはいいことだし、むしろ普通の人は薬やアルコールを飲まずにこんな気持ちで生きてるのかもしれないと思うと、わたしの人生損ばっかじゃん、とすら思えた。
テンションの上がったわたしは定時に上がっていろんな店を見たけど、結局なにも買わずに帰った。考えてた欲しいものも、食べたいものも、なにも買わなかった。
家に帰る頃には、そんな気持ち消えていて、デエビゴとリーゼを飲んで久々に12時間寝た。(途中で一瞬起きたりしたけど、瞬間再度寝れた)
目が覚めたときには久々にたくさん寝たからか、しばらく体が動かなかった。手足に力が入らなくて、会社を辞めるといったあのときのようだった。
とりあえずUberで食べ物を頼んで、午後になって動けるようになったから婦人科に行った。
今はお酒を飲んでいるけど、昨日の謎の幸福感、異常なテンションの上がり下がりはない。
あれはなんだったのか。。睡眠不足にリーゼ飲むとダメなの??初めてだったから、前向きになれて嬉しかったけど怖かった。
もし、あの「あれをやりたい」「あれを買いたい」って気持ちは、人間的に普通なら、みんなすごいね。欲求に殺されそうだったよ、わたしは。
でも、怖い一方で、「生まれ変わったら人間になりたい」っていう人の気持ちが少しだけ分かった。
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