デジタルアートで地域活性化を図ろう!【デジタルアート!】プロジェクト
愛媛県と株式会社ディー・エヌ・エー(以下:DeNA)、さらにデジタルハリウッド松山校(以下:デジハリ)が協力し、一つのプロジェクトを立ち上げました。それが、「デジタルアートで地域活性化を図ろう!【デジタルアート!】プロジェクト」です。
このプロジェクトはNFT化したみきゃんを配布し、それを受け取ったユーザーの愛媛県への意識がどう変化するのかを確かめる実証実験です。 やり方は走りながら決めていこう!どんな結果であっても「失敗はない」、何かしらの化学変化が起こるはず!という愛媛県のスタンスのもとキックオフセミナーが開催されました。
みきゃんNFTをつくり、デジタル上で流通させる
2022年10月18日に、「デジタルアートで地域活性化を図ろう!【デジタルアート!】プロジェクト」のキックオフセミナーが開催されました。まずはプロジェクトの企画趣旨が話され、次にDeNA 技術統括部技術開発室の緒方文俊氏を講師に迎えたセミナーが行われました。
今回の実証実験は、愛媛県がweb3技術を模索していたところ、自治体とNFTを活用した 実証実験を行いたいというDeNA さんのお声がけからスタート。
ただ、愛媛県とDeNAさんの中で実証実験の構想はあっても、デジタルアートを作成してくれるクリエイターがいなくては、この実証実験は成り立ちません。そこをカバーしてくれたのがデジハリさんです。
プロジェクトの趣旨
このプロジェクトは、Web3やNFT を行政が活用する上での有効性を検証するため、みきゃんのデジタルアートをNFT化し、配布することでそれらがWeb3の世界にどのように流通するのか、また、NFTを受け取ったユーザーの愛媛県に対する意識がどのように変化するのかを検証します。
セミナーの内容
セミナーのタイトルは、「Web3、ブロックチェーンが変えるクリエイターエコノミーみきゃんNFTをつくろう」。セミナーの中で、Web3の世界観やNFTの活用についてお話しいただきました。
2022年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太の方針)」の中でも、次世代インターネットWeb3の推進に向けた動きが盛り込まれています。 これは、日本がマリオやポケモンといった世界的に人気があるエンタメを数多く輩出している、「エンタメ国家」としての威信をかけた動きになっており、Web3は、IT企業だけではなく、政府なども参入する大きな動きとなっていると解説いただきました。
Web3は、“クリエイターが主役の世界”だと言われています。Web3で使われるブロックチェーン技術、その中でもNFTという技術を使えば、デジタルでは不可能とされてきた1点ものの作品の表現が可能になります。
セミナーでは、ある小学生の夏休みの自由研究に描かれた動物アート「ゾンビズー」が、NFT化後、有名なDJの目にとまり広く海外にも普及したなど、実例をあげて説明いただきました。
「デジタルアートを作ってみて、大きく失敗したとしても、それはAIにはできない非常に面白いこと」とお話ししていた緒方さんが印象的でした。
最後は、「精一杯サポートさせていただきます。Web3.0 に関する質問には、100%責任を持って私がお返事をしますので、困ったことがあれば何なりとお問合せください」という言葉でセミナーは終了しました。
デジタルアートの配布方法について
配布方法は、県庁・ロープーウェイ街「えひめ 愛顔の観光物産館」・東京のアンテナショップ「せとうち旬彩館」・そして最後の1か所は県内の有名な観光地(ヒントは、「四国で唯一〇〇がある駅」) に貼られたポスターのQRコードを読み取り、みきゃんNFTを取得します。
まとめ
Web3が普及した世界では、コンテンツが力を持つといわれています。漫画・アニメといった世界に通用するコンテンツが豊富な日本にとっては、世界に打って出るチャンス!
ブロックチェーンを使えば、みきゃんのNFTを持っている人が、みきゃんのファンだったり愛媛に何かしら興味関心・関係がある”関係人口”だということが分かります。そのため、人口の減少を避けられない地方にとって、地域を維持するためのエネルギーを、構築したオンライン上の関係人口から持ってくることができるシステムとも言えるのです。
愛媛県は、デジタル技術を通して県民の暮らしをよくしていこうと考えています。今回の実証実験に関しては、どんな化学反応が生まれるか答えはありませんが、未開拓の分野に打ってでるため、スタートさせたところがあります。やれるかどうかより、まずはやってみる、チャレンジすること!
失敗してもいいから一歩踏み出すことが大事だと考えており、むしろチャレンジしたことでの失敗はないと考えています。
今後、どのようにNFT化したみきゃんが広がっていくのか、この実証実験に関する報告は随時行っていきます。