2019年的中国足球名言?集
すっかり年も明けてしまいましたが、本年も皆様宜しくお願い致します。
年末に微博(中国のSNS)で名(迷)言集を見つけて、これを元に中国サッカー界の2019年を振り返ろうと思っているうちに年が明けてしまいました。いずれにせよ今年も宜しくお願い致します。
・マルチェロ.リッピ監督退任→再就任→再退任
「相手は我々より優れており勝利に相応しかった。私のチームがこの程度のチームならば、金をむしり取るわけにはいかない。私の年俸はかなり高額だ。ここに辞任を表明する。決定は覆らない」
アジアカップでベスト8進出も、イランにDFの3ポカで完敗し、予定通り退任。しかし後任が中々定まらず(協会はファビオ・カンナバーロにやらせる気だったと思われ実際3月に親善試合で代行監督を務めたが、恒大が抵抗したか、カンナバーロ自身があまりの代表ダメダメぶりに匙を投げたか)
結局6月からリッピ復帰。かつ艾克森(エウケソン)李可(イェナリス)の帰化もあり期待されたW杯予選。しかしアウェイでフィリピンに引分、シリアとの天王山では张琳芃の見事なオウンゴールで敗戦し既に1位通過は絶望的に。シリア戦後の記者会見で辞任を発表した際のセリフ
まあ個人的にはここで逃げるのか?と怒りを覚えたが、ただ前述の通り「しぶしぶ」再就任した経緯も理解できる。
ここで気になるのはかなり高額というリッピの待遇、これはメディアによって所説あるが第2期では日本円で20-30億円は下らないとみられる。原文で「非常非常非常多」(非常は英語のveryに相当する表現)なので、まあ余程の数字であることに間違いはないし「こんなに貰って申し訳ない」という気持ちもあったのか。ただこの給与は元々リッピが監督務め顧問も務める広州恒大が大半を負担していたとみられる。
因みにリッピさんの通算勝率は歴代最悪のカマーチョに次ぐ低さ、W杯最終予選やアジアカップの采配の印象が強いが親善試合は確かにボロボロだったし、公式戦で結果だしたけど何が残ったのかは確かに疑問もある。
因みに後任には李鉄(Li Tie)が就任(2020/1/3発表)、年末のE-1で代行監督を務めており簡歴は下記記事を参照。中国人監督としてはベストの人材と思うが、ただ外国人監督→ダメだ、やはり中国人を管理するのは中国人だ!→ダメだ!やはり外国人→ダメだ、やはり中国人ry (2009高洪波→カマーチョ→傅博(代行)→アラン・ぺラン→高洪波→リッピ→カンナバーロ(代行)→リッピ→李鉄)のループが続いているだけのような気もするが・・いずれにせよ期待。
・帰化選手たち
「同化してるぜ!」
2019年の大きな話題としては「帰化選手」の代表入り。
6月に李可(ニコ・イェナリス)そして9月には艾克森(エウケソン)が代表入りした。特に後者は広州恒大、上海上港での活躍から期待されたが、不思議と中国国籍取得後クラブでも代表でも今一つな印象
聂卫平氏は囲碁のトップ棋士でサッカー好きとしても知名度が高い、中国の羽生善治みたいな感じだろうか。元々辛口な批評で知られていたが「エウケソンは帰化でなく同化させられてしまった」という発言。まだ数試合なのでこれからに期待したいが・・
今後もブラウニング、リカルド・グラル、フェルナンジーニョといった帰化選手(ブラウニングは中国系)の代表入りが予想されるが、ただいずれにせよ帰化選手による短脈的な強化は知れており、育成や国内リーグ整備といった日韓やカタール、ベトナムのような長期的努力が最も重要なはず。協会の幹部たちも分かっていると思うのだが・・
・年代別代表、ボロボロ
「このままじゃベトナムにも負けてしまう」
発言者は范志毅(Fan Zhiyi)日韓W杯メンバーで、現役時代はイングランド・スコットランドでプレイし、2001年AFC年間最優秀選手にも輝いたレジェンド。前述コメントは2013年カマーチョ時代に中国A代表がホームでU23主体のタイに1-5で敗れた後のインタビューコメント(試合後カマーチョは解任)。
なお原文はもっと激しく「趙鵬(当時の代表CB)なんか代表のレベルにない」に始まり「タイに負け、このままではベトナムにも負け、ミャンマーにも負ける、勝てるチームは無くなってしまう」当時はまだ冗談めいていたが
2019年、まずA代表は3月にホームでタイに0-1で敗戦。更にU22代表もホームでベトナムU22に0-2で敗戦(試合後フース・ヒディンク監督解任)U18代表はインドネシアU19に1-3で敗戦。数年前の冗談が現実となっている。
まあ特にベトナムについては東京五輪世代においては常に中国より上の成績残しておりもはや明らかに向こうが格上なのだが・・アテネ五輪、北京五輪世代はブラジルやアルゼンチンにも勝利していたのに、近年の年代別代表はカモだった東南アジアに負けるのも日常茶飯事である。U16代表は2大会連続アジアユースにも進めず、U19代表は今回ついにアジアユースにも進めなかった(まあいずれも韓国と同居したのだが)
帰化に頼った代表もこのザマで、更に下の世代はもっと深刻な状況。日韓に追いつけおいこせどころか、タイやベトナムに追いつかれ、追い抜かれつつある現状を表すコメント。
https://www.bilibili.com/video/av48163650/
・代表チームの乱立
「中国には一体いくつ代表チームがあるんだ?」
日本でもおなじみのドラガン・ストイコビッチ、2015年に広州富力監督就任以来現在まで(中国にしては)長期政権を築いている。
そんな中、富力の右SB唐淼(Tang Miao)が11月にE-1に向けた「国家選抜チーム」の合宿メンバー選出された際の上記コメント。「唐淼は素晴らしい選手でもっと早く代表選出されるべきだ、でもところで中国にはいくつ代表があるんだ?今回はB代表だろ、Cもあるのか?」
↓その直後に3試合のベンチ入り停止処分に。オフィシャルには審判への抗議が原因とされているが、上記発言が協会幹部の癪に触ったと憶測されている
まあ実際にE-1はB代表であったが、年代別代表も黄隊というBチームが組織されており、かつ各年代の監督国籍がバラバラで「連合国サッカーだ!」と揶揄され話題に。
なお広州富力はストイコビッチ以外にも、喜熨斗勝史氏や菊原志郎氏がスタッフとして在籍しており、日本と縁が深いのでご注目頂きたい。
・広州恒大
「監督ファビオ・カンナバーロは恒大の企業文化研修に参加する。その期間中は鄭智が代行監督を務める(広州恒大オフィシャル)」
広州恒大は2年ぶりにリーグ王者を奪還したが、順風満帆だった前半戦と、混沌に陥った後半戦と、その道のりは決して平坦ではなかった。
痛かったのはやはりタリスカの負傷離脱、かつ彼が復帰してからフィットするまで時間がかかりその間公式戦11試合で3勝4分4敗と乱調に。ACLでも鹿島には辛くもアウェイゴールで逃げ切ったが、浦和にはH&Aで屈辱の連敗。絶好調だった韦世豪&杨立瑜コンビをベンチに置いてまで、結果的に全く調子上がらないタリスカと心中したカンナバーロの采配には失望の声が上がった。
ACL敗退し、ホームでカモだった河南に2-2で引き分けた後、2位上海上港との直接対決を前に広州恒大オフィシャルから前述のアナウンスがあり、「ついに解任か?」と騒がれた。
、、結局は有耶無耶になりカンナバーロは指揮を続けリーグ戴冠に至ったが結局あれはなんだったのか・・?そもそも鄭智ってコーチライセンスないし、代行期間中代表合宿で不在なのだが・・まあ気にしないことにしよう