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◼2024/25ACL出場チーム紹介 山東泰山

◼2024/25ACL出場チーム紹介 山東泰山

昨年の紹介記事はこちら 
https://note.com/yeehope87/n/ncce3747049ed?magazine_key=m4aea91e7212e

・クラブ概要

■山東泰山 Shandong Taishan (カップ戦優勝&リーグ戦2位)

チームカラーはオレンジ

・クラブの成り立ち

ホームタウンは中国東部の山東省済南市。1956年に成立した山東省チームが源、94年にプロクラブ山東泰山(泰山は山東省の聖地的な山)98年山東省の国有コングロマリット・魯能グループが資本参加し山東魯能泰山、以降「魯能」の名称が定着。その間にも何度かチーム名変更はあれどプロリーグ創設からほぼ変わらず存続している中国では稀有なチーム。
99年の二冠以降リーグ優勝4回、カップ戦優勝6回、スーパーカップ・リーグカップ優勝各1回。
 下部組織が充実し、現チームも生え抜きが多い。ブラジルにサテライトクラブあり(Desportivo_Brasil)多くの選手がブラジルやポルトガルで武者修行経験。ユベントスのブラジル代表DFブレーメルもここの出身。
 2022年、中国協会の政策でチーム名からスポンサー企業を外さねばならなくなり山東泰山にチーム名変更。

山東省済南市 山東省の省都だが日本から直行便なし
済南オリンピック・スポーツセンター - Wikipedia

ホームスタジアムは済南奥林匹克体育中心(Jinan Olympic Sports Center Stadium)総合競技場で6万人近い収容人数だが、伝統あるクラブでサポーターの熱気高く,特にACLは平日でもほぼ満員。

一方で、別途済南市内に専用スタジアム.黄河体育中心も建設中。

26年竣工予定

・ACL過去戦績

現行ACL出場は3年連続13回目。05年横浜Fマリノスを下しベスト8、16,19年共にGL通過。21年は出場権剥奪、22年はリザーブチームが参加しGL敗退。出場回数の割にGL敗退が多く(7/11回)内弁慶の評判。
23年はマリノスに4連敗はしたが、川崎フロンターレを破りベスト8へ。

・監督

チェ・ガンヒ(Choi Kanghee/韓国)


1959年韓国生まれ。現役時代韓国代表として活躍。監督としては全北現代を長く率い、韓国代表監督も経験。大連一方(現大連人)、上海申花と中国での指揮経験もあり。前監督のトラブルもあり5月16日に就任。
23年はリーグ、カップ、超級杯全て準優勝だったが、ACLで中国勢唯一決勝トーナメントに導くなど、中国リーグ年間最優秀監督に選出。
24年は前年来のACL含めた過密日程、早いシーズンスタートの影響から負傷者続出し低迷。国内リーグは早々優勝戦線を離れており、チェ自身も体調不良で一時期帰国するなど試練の年。カップ戦で真価が問われる。

・2024年シーズン状況

・成績


前述の通り、怪我人続出で5位と苦戦気味。外国人もFWゼカはまだデビューできておらず、DFジャドソン、FWマテウス・パトは今季絶望でACL登録外に。
変にACL健闘して消耗するより、早く敗退して国内リーグに専念した方がいいのでは?と思ってしまってもおかしくない。

・選手紹介


選手のスタッツは、24年国内リーグの数字(9月14日・25戦終了時点)

GK

14王大雷(Wang Dalei) 18試合出場 89年 

遼寧省大連出身。16歳でプロデビュー、10代でA代表招集、04年U16アジアユースMVP、U17W杯8強と早くから経験豊富。16年山東加入後守護神として君臨し今年リーグ戦400試合出場達成。ロングスローやセットプレーの攻撃参加でたまにアシストも記録する派手目なGK。24年から中国代表の正GKに返り咲いている。先日の日本戦(0-7)で自信喪失してないといいのだが。

1于金永(Yu Jinyong)  1試合出場 04年

遼寧省瀋陽出身。2メートル越えの長身GKで、U23アジアカップでは控えGKながらFWで投入された。父も元選手で、ユース時代はFWもやっていたらしい。

DF

2童磊(TongLei) 11試合 97年 RB/LB

浙江省衢州出身。浙江、大連でプレイし今季から山東入り。攻撃力高い右SBで正確なクロスが武器。U23アジアカップ出場。カタールW杯アジア予選でA代表選出(出場無し)。怪我人続出の中でチャンスなのに自分も怪我してどうする

3マルセル(Marcel) 6試合0得点 CB

96年ブラジル出身、190CMの左利きCB。同胞ジャドソンが負傷で今季絶望となり7月に急遽加入。主にブラジル2部でプレイしており、市場評価額は僅か5万ユーロ。急いで穴埋めした感じだが、上々のパフォーマンス。

5鄭錚(Zheng Zheng) 16試合1得点 89年 LB/CB

山東省済南出身。地元出身、生え抜き一筋。08年デビュー、22年クラブ史上最多の公式戦351試合出場を達成。元々左SBだが近年はCBで定着。186CMの高さに加えポカも少なく安定した守備、攻撃性能高く直接FKで得点も。代表ではカタールW杯予選にも出場。

6王彤(Wang Tong) 3試合 93年 RB/CB/DMF

遼寧省瀋陽出身。下部組織生え抜き、17歳でデビューしており年齢よりキャリア長い印象。CBや中盤にも対応。右サイドバックのスタメン候補だが、1年近く負傷離脱し今夏に漸く復帰。代表3Cap。

11劉洋(Liu Yang) 20試合1得点試合 95年 LB/LMF

山東省青島出身。下部組織生え抜きで16年までポルトガル下部リーグでプレイ経験。サイドバックでは守備が脆く、前目だと迫力不足な印象だったが、クラブ/代表共に監督の信頼厚く、代表でも不動の左SBに定着。攻撃力活かし左MF起用も。フル稼働続ける鉄人だが怪我が心配。

27石柯(Shi Ke)14試合 93年 CB

江蘇省徐州出身。かつて杭州緑城(現浙江)で岡田武史氏によりトップに抜擢され、2019アジアカップで代表レギュラーだったCB。その後上海海港で長く活躍し21年山東へ。しかし最近は足元に不安あり、ポカも多く信用を無くしている印象。CBの3番手。

28高准翼(Gao Zhunyi) 15試合1点 95年 CB/RB/LB/DMF

吉林省延辺出身の朝鮮族。父も元代表で、14年~15年にカターレ富山、アビスパ福岡に在籍しJ2で得点も記録。15年に福岡から山東に加入もずっとレンタルで、山東でプレイ経験はなかった。その後広州恒大、武漢三鎮へて今季復帰。代表&山東で右SBのスタメン候補だが、CB、両SBに加え、近年はボランチでの起用も。

MF

20廖力生(Liao Lisheng) 18試合2得点 DMF/OMF

93年広東省深圳出身。広州恒大時代リッピに抜擢され頭角を現すも、広州の財政難で22年に山東へ。痩せ身の司令塔タイプ。時折見事なミドルを決める。2015アジアカップなど代表6Cap。2016年U23アジアカップで3得点。

13張馳(Zhang Chi)  8試合 RB/RMF/DMF

87年山東省済南出身。地元出身&生え抜き一筋の最年長。右サイド全般とボランチに対応。代表歴もなく、2度の骨折などいろいろあったが息の長い選手となった。今季も怪我人続出の中で貴重な戦力。

21劉彬彬(Liu Binbin)10試合 93年 RW/LW

広東省出身で下部組織から生え抜きのウイング。172cmと小柄なテクニシャンで、広東省っぽい選手。10代から頭角を現して2015年アジアカップのメンバー入りもし期待された、未だ名門山東と中国代表で定着しており中国有数のウィンガーと思うが、今季負傷もあり本調子でない。

22李源一(Li Yuanyi)20試合3得点 93年 DMF/OMF/RMF

四川省徳陽出身。11~15年ポルトガルでプレイ、帰国後広州恒大経て天津で活躍。深圳では主将務めたが財政難により23年山東入り。U23代表時代はFWや攻撃的ポジションだったが、近年はBoxToBoxのボランチ。スタミナ、守備、前線への飛び出しと何でもこなしチェ監督就任後重宝されている。代表でも主力に定着した。

35黄政宇(Huang Zhengyu)16試合1得点 97年 DMF/CB

広東省広州出身。広州富力(のち広州城)でストイコビッチがデビューさせた。22年限りでチームのリーグ脱退により山東に加入。当初はCBだったが、現在は守備的MF。中盤の守備のフィルタ役として期待される。見た目やポジションやプレイ的に遠藤航に似ていると思ったが、最近ハゲてきた。今年代表デビュー。

23謝文能(Xie Wenneng) 16試合1得点 01年 /RMF/LMF
広東省梅州出身の生抜き。U23アジアカップで1得点、決定力が高く、運動量豊富で守備にも貢献。チェ監督の評価も高く昨年ACLからスタメンが増えて今後が期待される。韓国戦でA代表にもデビュー。174CMとこの国では小柄なウイングだが、突破やクロスに加えシュート精度が高め。サイドからの守備への貢献も期待される。

10カザイシュビリ(Valeri Qazaishvili/ジョージア)24試合5得点 93年 AMF/FW

チェガンヒ監督の韓国コネクションから獲得。オランダ、ポーランド、アメリカ経て蔚山で100試合以上出場。3年連続出場しておりACLも経験豊富。ジョージア代表62試合13得点。174CMの攻撃的MFだが、FWにも対応。外国人選手らが続々怪我に倒れる中孤軍奮闘、もはやチームの王様感。第1節セントラルコースト戦では2得点。

77彭欣力(Peng Xinli) 12試合1点 91年 DMF/OMF

四川省成都出身。地元の成都謝菲聯(解散)でデビュー、広州恒大では出番恵まれずも、重慶や上海申花で活躍し18年A代表2キャップ。中盤のオールラウンダーで、組み立てるタイプの印象。

67呉興涵(Wu Xinghan)12試合1得点(南京城市) 93年 RB/LW/RW
天津出身。クラブ生抜きのウイング、中国代表でワールドカップ予選にも出場した実力者。不倫騒動(昨年の紹介を参照)でいろいろあったが、今年は右SBの新境地を切り開き代表復帰を期待された矢先7月に負傷離脱。怪我人多すぎ

44徳爾加多(Pedro Delgado) 23試合4得点 97年 RW/LW/FW

ポルトガル出身。ポルトガル代表としてU-20ワールドカップに出場。インテルやスポルティングの下部組織に在籍。祖父が広東省出身で19年に中国国籍取得も、前述ポルトガル年代別代表で公式戦出場しているため中国代表入り不可。今季からACLで中国人扱い、技術は高いものを持つが、利己的プレイ多くスタメン確保に至っていない。

FW

9クリザン(Crysan)20試合9得点 96年 FW/LMF

ブラジル出身。22年にポルトガル・サンタクララから加入。191CMの長身だが高さより、パワーや個人技で強引にゴールを奪う。22年は25得点決めた主砲、今季は怪我で欠場多いが未だにエース格。昨季ACLで通算8得点を上げている。

29陳蒲(Chen Pu) 21試合1得点 97年 FW/LWG
重慶生まれ、下部組織からの生え抜き。ブラジルのDesportivo Brasilに在籍し、河南、石家庄(現滄州)へレンタル。23年A代表デビュー。左ウイングでの起用が最も多いが2トップの1角も。トリッキーで創造性あり(中国人選手にしては)一方で判断力が課題か。24年アジアカップ選出も出番はなし。イケメンだと思う

19ゼカ(Zeca/ブラジル) 0試合0得点 (23年37試合12点&浦項)97年 FW

チェガンヒの韓国コネクションで獲得②。190CMの長身FWで22年大邱FC、23年浦項でACL出場。約180万ユーロは同年中国リーグ最高額の移籍金で、フェライニの穴埋め、クリザンと共に得点源と期待された。が、開幕前のキャンプで大怪我しデビューはまだ。ACL登録メンバー入りしているが、いつになれば出れるのか

24毕津浩(Bi Jinhao)8試合1得点 CB/FW

91年遼寧省大連出身。190CMの高さを生かし河南でCFとして台頭しA代表にも選出された。その後外国人選手との競争の厳しさもありCB転向。24年に加入した山東では外人FWの戦線離脱が相次ぐ中で再びCFとして定着、第1節のセントラルコースト戦では先制点。前所属上海申花でもチェガンヒと同僚で信頼されてそう。

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