見出し画像

翻訳記事:シティ・フットボール・グループの新しい歩み(四川九牛)

23年中甲リーグ(2部相当)で、四川九牛(Sichuan Jiuniu)が2試合を残し初の中超(1部)昇格を決め、最終的にはリーグ優勝した。 

母体は06年創設、17年に四川九牛の名称に、翌年中乙(3部相当)に昇格。2019年にシティフットボールグループ(以下CFG)資本参加して注目を浴びていた。

(元ネタ)http://sports.sina.com.cn/china/2023-11-06/doc-imztrwiy7738588.shtml

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 2試合を残して中超昇格を決めても、四川九牛は気を緩めず中甲優勝を目指している。九牛は11月5日の優勝セレモニーで、中国サッカー協会幹部史强や、四川省体育局、四川省サッカー協会などの幹部が出席。このことからも、九牛の昇格が四川サッカーにとってどれだけ意義あるかがわかる。
ただ知っての通り、このチームは年初に「ホーム移転」しいては「解散」の可能性すらあったのだ。
 世界サッカー界の巨頭・CFG(中国語:城市足球集団)のクラブがいかにして困難な中で1部昇格を果たしたか?中国のサッカー市場、四川九牛がCFGの世界戦略の中でどんな役割なのか?これらの答えは九牛の昇格で明らかになった。

  九牛の昇格決定後約1週間後、筆者は四川省成都市双流区のトレーニング施設“成都謝菲聯足球基地”に入った。四川九牛はここを拠点にしている。入口に昇格を祝う赤い垂れ幕がある以外は、歴史ある基地で四川九牛を現すものはない。
 歴史でいえば、この基地は四川全興(注:06年解散)から現在の成都蓉城(注:今季中超4位)までの川足(四川サッカー)の厳しい歴史を知る。成都謝菲聯成都天誠(注:15年解散)成都銭宝(注:18年解散)はここから始まり、消滅した。
 基地ではそうしたクラブの更衣室や、黄ばんだ写真も見れる。CFG傘下の四川九牛はこの基地を借り、中国市場での挑戦を始めた。クラブの背景だけ見れば、みな九牛がマンチェスターシティのようなリーグの覇者になると思うだろう。しかし彼らの苦難の道は、彼らの背景から説明せねばならない。
  2019年、CFGは四川九牛の株主になった。なぜ四川省、成都なのか?それは四川サッカーの長い歴史が、四川人にサッカーへの愛を刻み込み、サッカーへの情熱があふれる都市だからだ。当時の九牛は中乙(3部)だったが、CFGは十分な時間をかけて中国サッカー市場を調査しての結果だった。

  当初、四川九牛は株主が3社。CFG以外に、優必選(UBTECH Robotics Inc.深圳のロボットメーカー)と華人文化(CMC Inc.中国のメディアグループ) の3社だったが、中でも優必選が比較的優位だった。よってCFGは専門性や技術面で優位だったが、一方では優必選との間で分岐があった。
  2020年、新型コロナ爆発後、多くのクラブは困難に陥った。CFGも選択を迫られた、なぜなら彼らの投資はまだ回収できていないから。撤退か、100%保有かの選択を迫られた。状況変化で優必選は継続する余力がなく、株主3社体制は1年で終了した。CFGは優必選時代の債務を引継ぐ形で優必選の株式を取得し、華人文化と2社体制に。この時から四川九牛は真にCFGの仲間入りを果たしたといえよう。
 こうしてCFGが主導権を把握して、21年前半の任務はまずどうして負債や諸問題を処理するか。英国のCFG本部は以前の九牛の選手獲得にとても驚いた。CFGも長時間かけて「陰陽契約(二重契約)」などの問題を解決し、CFGは新しい管理方式を導入し始めた。この過程でクラブと四川省サッカー協会や地元行政との関係は付かず離れずの状態だった。このことが年初の移転騒動に繋がったかもしれない。
 CFGが四川九牛に投資する間、同じ町の成都蓉城が歴史を作っていた(注:22年中超初昇格で5位、23年4位)。共に成都のクラブで、蓉城は国有企業、九牛は外資系傘下と異なるモデルだった。

  当然、CFGが成都を離れようと考える理由は、四川に根付けないことだった。2023年初に湖南省長沙への移転話があり、実現直前になった。しかし当時中国サッカー協会の反腐敗の動きで混乱しており、クラブやCFGにはどうしようもなかった。CFGの中国地区代表は英国本部への報告で、本部の反応は驚きだった。まずCFGは中国サッカー協会と関連機関の要求通り書類を提出していたこと、もう1つは当時の協会トップ幹部の状態に驚いた。
(注:当時のサッカー協会主席や幹部、前代表監督李鉄、山東の韓国代表ソンジュノら多くの選手、指導者が、関連して連行されている。)
 移転ができず、2023年中甲開幕まで残り少ない状況で、当時の四川省サッカー協会は既に九牛が四川を去ることに同意し押印もしていた。即ち四川に残れば新シーズンへの準備は何もなく、ホームのサポーターも移転話でクラブに失望していた。また監督交代もあり、ホームスタジアムも中々決まらず。当時の四川九牛は給与未払が無い点除き、ほぼ四面楚歌だった。
 CFGはまたも運命の分岐点に立たされたが、今回の主導権は中国サッカー協会にあった。彼らはリザーブチームもホームスタジアムもない。3か所を転々とした末に、遂宁市の遂宁体育中心に落ち着いた。幸いサポーターが離れず、チームも健闘し、監督ジェスス・タト(Jesús Tato)のスペイン流ポゼッションで昇格争いの主導権を握った。
 もし年初にリーグ参加が認められなければ、CFGの中国でのプロジェクトは終了していた。CFGが重視しているのは中国のサッカー市場、アジアの他国では成功したのにもし中国で失敗すればそれは受入れ難いものだろう。CFGは継続を決め、昇格決定後新しい計画を通った。全て省内各部門の対応を待って実現することを期待している。

 中国のファンにとって、CFGは良く知られているようであまり知られていない。皆が知るマンチェスターシティもその傘下で全世界に、まずマンチェスターシティ・ニューヨークシティ・メルボルンシティのような100%資本。目標はリーグ戦で最高の成績を上げること。
 続いて、部分的に株式保有するクラブ、四川九牛やアジアだと横浜Fマリノス、ムンバイシティなど、いずれも今年のACL傘下する。
 なぜCFGが中国市場を選択したか、特に中国のクラブの経営思考は欧州と異なるのを理解した上で?記者はCFGの関係者から理解したのは、中国はCFGが重視する市場の一つ。彼らは中国経済の高速発展と、膨大な人口に基づき、サッカー市場も無限の潜在能力を持つとみている。
 CFGの四川九牛に対する位置づけは、下部リーグでなくトップリーグに上がるというもの。ただ資金力でタイトルを目指すのではない。少しづつ競争力をつけ中超に定着し、クラブの力をつけ、CFGと中国サッカーを関連付け、CFGのグローバル体系を作ること。よってクラブの投資額は5000万人民元(約6億円)を超えたばかり。
 CFGが相対的に安定した競争環境を求めるには、関連政策の支持が必要。合理的な症例、招商政策と育成システムの構築、全て協力できる。クラブの運営が安定し、給与未払いや負債がなければ、CFGも退出することはない。現地に受入られればCFGはそこで頑張る。目下、クラブの問題はリザーブチームの構築。外資ということもあり直接中国で土地を取得はできず政策の補助が必要。これはリーグの参加許可にも関係する、当然クラブとCFG上層部は協会や関連部門と協議しているが、まだ結論は出ていない。(注:経営状態などに応じて、開幕前に協会がリーグ参加を認めないケースがある)。
  新任のサッカー協会主席・宋凱(Sun Kai)は会議上、今後“更に開放していく”と明言。他10月22日の座談会でも九牛に言及し、中国足球市場は外資クラブを入れるべきと明言した。CFGは自らの要求を述べると、皆が関心を示した。こんなグローバルなグループは中国足球市場に何をもたらすことができるだろう?

  監督タトや選手を取材した際、みなCFGの長期的計画について言及した。まずCFG他クラブが他アジアでやったようにクラブを豊かにする。
 CFGは中国サッカーの弱点も理解する。CFGはずっと育成を重視、他大陸ではまずCFGアカデミーを設立、例えばジローナ(スペイン)パレルモ(イタリア)など、現地の資源が安定していれば、インフラと資金は投入する。CFGは育成、試合、指導者育成などにおいて中国協会や中国サッカーと積極的に協力する。
 1つの案例がある。トットナム監督のポテスコグルーは、CFGの中で成功した監督だ。横浜Fマリノスへてセルティックへ。特筆すべきはポテスコグルーは4人の若い日本人を欧州に連れていった。(注:古橋亨梧/前田大然/旗手怜央/岩田智輝)。近年の日本代表のパフォーマンスを見ても、ただの監督移動のようで、日本サッカーに大きな利益をもたらしている。
 だからCFGも中国で試そうとしている、中国はCFGにとって新しい場所だ。彼らには世界の精神的な経験があり、「中国と世界のサッカーは違う」ことも聞いているが、アジアで成功したやり方が、なぜ中国でできないと言えるだろうか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?