見出し画像

◼2024ACL出場チーム紹介 上海申花

◼2024ACL出場チーム紹介 上海申花

・クラブ概要

■上海申花足球俱楽部(Shanghai Shenhua F.C. シャンハイシェンファ)
(リーグ戦5位&カップ戦優勝)

クラブカラーは青。

ホームタウンは上海市 (Shanghai)1953年成立の浦東隊が前身、プロリーグ開幕から存続し昨年創立30周年迎えた。チームの解散が頻発するこの国で、プロリーグ開幕から生き残る数少ないチームの一つで、熱狂的サポーターを抱える。
長い歴史で何度か親会社は変わっている。2010年代にIT成金・朱駿(ZhuJun)オーナー時代にディディエ・ドログバ、ニコラ・アネルカらを獲得。その後不動産バブル時代には、大手デベロッパーの緑地集団(Greenland)の資金力でカルロス・テべス、フレディ・グアリン、オバフェミ・マルティンス、ティム・ケーヒル、デンババらを「爆買い」
23年から国有系の建設会社・上海久事集団が親会社になっている。
また18年に、中国版国体で優勝した崇明根宝足球倶楽部のU19チームを買収、その中から朱辰傑、蒋聖龍、徐皓陽らが育ち現在主力で活躍している。

*過去のチーム紹介、歴代外国人列伝はこちらを参照



 ホームスタジアムは上海体育場(通称・八万人体育場)。

「あれ?」と思った方はアジア/中国通。上海体育場は長年宿敵・上海海港(前上海上港)のホームだった&申花は虹口足球場(専スタ)を利用していた。
→海港は新スタジアム浦東足球場を建設しそっちに引越し&上海体育場は久事グループの管轄施設だったこともあり、24年から申花はこちらにお引越し。
以前は陸上の国際大会なども開催する総合競技場だったが、コロナ禍の改修で陸上トラックを座席で潰し、専スタもどきになった。
地下鉄3.4号線「上海体育場」11号線「上海遊泳館」駅から徒歩数分。市街地で交通の便良し。

・過去戦績、監督、移籍市場


リーグ優勝は95年/03年。但し03年は八百長で剥奪(リンク)されたため公式には1回のみ。
カップ戦に強く足協(FA)杯優勝4回(98,17,19,23年)、スーパーカップも4回、A3杯も07年に中国勢で唯一優勝している。

・ACL過去戦績

出場10回目
2005年のベスト8が最高。近年はグループリーグ通過もできておらず、通過がまず目標。

・監督


レオニド・スルツキ(Leonid Slutsky/ロシア)
71年ロシア生まれ。日本人的にはCSKAモスクワやフィテッセで本田圭佑を率いた監督として名高い。
就任時懐疑論もあったが、スーパーカップで海港破り優勝、その後開幕から上位を堅持。21試合無敗。特に前半戦15戦6失点と驚異的な堅守が光る。
ただ主力固定気味で怪我人が出始めており、夏場以降の疲れ&ACLとの並行後も状態を維持できるかどうかが懸念。

・移籍市場の動き


武漢三鎮から謝鵬飛(XiePengfei)を獲得。現役代表10番、116万ユーロと今の中国リーグではかなりの高額。
外国人選手は2人を入替。
ブラジル人FWアンドレ・ルイス(←モレイレンセ)
ポルトガル人DFマナファ(←グラナダ) 共に即戦力として貢献中。

・2024シーズン状況


年始の超級杯(スーパーカップ)でライバル海港に勝利。から開幕5連勝、21試合無敗と最高のスタート。海港と優勝争いを演じる。

・予想フォーメーション


ダイヤモンド型の4-4-2、またはルイストップ下の4-4-1-1が多い。

    ルイス  マレレ(費南多)
      ティシェイラ(謝鵬飛)
 高天意(謝鵬飛)    呉曦(高天意)
      アマドゥ(汪海健)
徐皓陽  朱辰傑 蒋聖龍  楊澤翔
(楊澤翔、陳晋一) (金順凱) (呉曦、マナファ)
                        鮑亜雄 

・選手紹介(数字は9月13日時点、25節消化後)

GK
30鮑亜雄(Bao Yaxiong) 24試合

97年浙江省杭州出身.前所属河北の解散で23年から申花へ。昨季途中から馬鎮を追い抜き正GKに。河北時代に給与未払で苦労したようで、その分稼いで欲しい。6月のW杯予選でA代表にも選出(出場なし)

1馬鎮(Ma Zhen)  2試合

98年遼寧省大連出身。196CMの長身で、天津権健時代にFWで途中投入され話題に(U23枠消化のため)。権健解散後申花へ、昨年前半まで正GKでA代表招集歴もある。しかし昨年5月に暴力行為で出場停止食らい、調子を落とし鮑亜雄にポジション奪われた。最近クラブレジェンド范志毅(01年AFC年間最優秀選手)の娘にプロポーズし話題に。

DF


3金順凱(Jin Shunkai ) 8試合1得点  CB/LB/RB

01年浙江省温州出身。下部組織出身で、今季開幕からスタメンで起用されている。年代別代表常連でU23アジアカップにも出場。本職CBだが両SBにも対応。メンバー固定で手薄なCBの貴重なバックアップ。

4蒋聖龍(Jiang Shenglong) 24試合2得点 CB

00年江蘇省南京出身。同年齢で崇明根宝時代から幼馴染の朱辰傑とCBを組む。朱より出遅れたがレンタル暮らし経て23年から不動の存在になり、代表にも定着。193cmの長身を生かし、パワフルな守備だけでなく、セットプレイの得点源にも。代表ではFWや、日本戦ではボランチで起用されたマルチロールだがクラブでは原則CB。

5朱辰傑(Zhu Chenjie) 21試合2得点 CB

00年上海出身。前述の崇明根宝出身、18年の買収で申花入り後すぐ主力に定着。19歳でマルチェロ・リッピが代表にデビューさせて以降代表にも定着し、W杯アジア予選全試合先発中。今や代表と申花で不動のCB。呉曦不在時はキャプテンも。185CMの高さに加え、スピードや読みで鋭いカバーを見せるタイプと思う。

13ウィルソン・マナファ(Wilson Manafá/ポルトガル・ギニアビサウ)18試合0得点 RB

94年ポルトガル出身。アンゴラとギニアビサウの血を引く。今年スペイン1部グラナダから加入。19~23年までFCポルトに在籍し欧州CL出場経験。中国でサイドバックに外国人選手を補強するのは珍しいが、その攻撃参加は大きな武器で5アシストを記録。不動の右SBだったが、7月末に負傷し今季中に復帰できるかどうか微妙。痛い

16楊澤翔(Yang Zexiang) 22試合1得点 LB/RB

94年広東省佛山出身。主に2部やリザーブでプレイしていたが、21年申花へ。デビュー戦のファーストプレイで一発退場の鮮烈?デビューも、30歳にして初めてトップリーグで定位置確保した苦労人。6月のW杯予選韓国戦で代表デビューまで上り詰めた。堅実なサイドバックで、攻撃面は控えめか。左右兼用で、徐皓陽コンバート&マナファ離脱で右SB起用の可能性大。W杯予選日本戦は右SBで三笘薫にずたずたにされた。無理

32艾迪(AidiFulangxisi/Eddy Francis) 5試合0得点 RB/CB/LB

90年上海出身。父がタンザニア人のハーフだが生粋の上海人。年代別代表経験あり、ポルトガル・ボアヴィスタでプレイ経験あり。18年から申花へ。堅実な守備にDFライン全般をこなすマルチロールだが、スルツキ監督就任後出番が激減。守備固め要因か

27陳晋一(Chan Shinichi/香港) 6試合1得点 LB

02年東京都出身。日本と香港のハーフ。香港代表の主力でアジアカップにも出場。今夏申花へ加入。19~23年まで前所属の傑志でACL20試合に出場経験あり。スペイン下部リーグでもプレイ。左SBの控えだが負傷者続出で出番増えそう、攻撃力は高いが守備に不安。

MF


6イブラヒム・アマドゥ(Ibrahim Amadou/フランス&カメルーン) 22試合2得点 CM

93年カメルーン・ドゥアラ出身。4歳でフランス移住し同国U19代表歴あり。カンテのような守備的MFで、中盤のフィルター役として不可欠な存在で怪我や出場停止除きフル出場。昨年フランス1部のアンジェから加入、リーガ(セビージャ、レガネス)プレミア(ノーリッジ)も経験。

7徐皓陽(Xu Haoyang)25試合2得点 CM/RM/LM/LB/RB

99年四川省達州出身。崇明根宝で育成されたレフティー。6月のW杯予選2試合でA代表初選出&先発。戦術理解度が高く、プレイ判断が的確で歴代監督に重宝されている。時折トリッキーなパスや左足FKも武器。中盤全般に加え、マナファ離脱後は左SBにも定着。W杯予選日本戦では背番号10で先発も何も出来ず。まだまだこれから

10ジョアン・ティシェイラ(Joao Teixira/ポルトガル) 20試合7得点 AM

93年ポルトガル出身のトップ下。スポルティングでデビューし、リバプール、ポルト、ブラガ、フェイエノールトと名門を渡り歩くも芽が出ず。昨年カタール・ウムサラルから加入。1年目は微妙だったが、2年目に開花。高い技術、ミドル、得点力の高さで申花の攻撃の核。

14謝鵬飛(Xie Pengfei) 25試合4得点 LM/RM/AM

93年貴州省貴陽出身。今年武漢三鎮から高額移籍金で加入。現中国代表で10番背負うアタッカー。以前はウイングだったが最近はトップ下としても機能、ドリブルやミドル、直接FKが武器。顔が地味。浙江在籍時に岡田武史監督がデビューさせた。

15呉曦(WuXi) 24試合5得点CM/RB

89年河北省石家庄出身。代表通算90試合出場、申花でキャプテン務める重鎮。10~13年にも申花在籍、当時右SBだったが、その後江蘇で中国を代表する選手に。江蘇解散で21年復帰。守備に奔走しつつ、組立て、飛び出しとオールラウンド。マナファ欠場後は時々右SBも。24年アジアカップ最後に実質代表引退しクラブに専念している。

17高天意(Gao Tianyi) 23試合3得点 CM

98年遼寧省大連出身。年初アジアカップのメンバーでW杯予選にも出場した現役代表。昨年まで北京国安に在籍、契約満了後今季フリーで加入。フィジカル物足りないが、パスや組み立てが持ち味で、プレイスキッカーも務める。守備面は課題で、6月の中国VSタイ戦で失点に繋がるマークミスで即交代、以降代表を外れている。

20于漢超(Yu Hanchao)21試合2得点LM/RM/FW

87年遼寧省出身大連。チーム最年長37歳のスーパーサブ。殆ど途中交代だがドリブル突破や得点力で貢献。昨季はカップ戦決勝で決勝点、先日の上海ダービーでも途中出場で逆転勝ちに貢献。代表復帰を願う声も。遼寧.大連へて広州恒大黄金期にACL優勝経験。しかしナンバープレート事件で契約解除され申花へ。代表59キャップ。

28曹赟定(Cao Yunding) 6試合 LM/RM/AM 

89年上海出身。崇明根宝で育ち、上海東亜(海港の前身)へて11年から申花に在籍、クラブ歴代最多のリーグ戦300試合出場達成した最古株。地元出身でチームの象徴的な存在。全盛期はリーグ屈指のドリブラーだった。今季メンバー固定のスルツキ体制で殆ど出番なく、最近はベンチからも外れており、不和が噂される。

33汪海健(Wang Haijian) 19試合1得点 CM

00年安徽省出身。崇明根宝で朱辰傑、蒋聖龍、徐皓陽らと共に育った守備的MFで、23年アジア大会出場。スタミナに加えて、ミドルや直接FKもある。アマドゥの控え的立ち位置だが、9月のW杯予選では代表初招集された(出場はなし)

FW

9アンドレ・ルイス(Andre Luiz/ブラジル) 23試合15得点 FW/AM

94年ブラジル出身。主にポルトガルでプレイし、23/24シーズンはポルトガルスーパーリーグで15戦6点。決定力、敏捷性に欠けるマレレの穴を埋め新しい得点源に。2列目にも対応する万能型かと


11セファス・マレレ(Cephas Malele/スイス・アンゴラ) 21試合15得点 FW

94年アンゴラ出身、早くにスイスへ渡り同国U15~19代表歴あり。イタリアのパレルモ、ポルトガル下部リーグ、ルーマニアリーグ経て、昨季サウジリーグから加入し11得点のエース格。黒人らしく高さ、フィジカル強。利他性もあるが決定力が物足りず「師匠」キャラ。

18費南多(Feinanduo/Fernandinho) 5試合1得点 FW/RW

93年ブラジル出身。15年重慶加入後そのスピードで注目され、19年中国国籍取得、コロナ禍や怪我もあり24年漸く代表デビュー。左利きだが、右からの突破やカットインが持ち味。以前ほどのスピードないが、ドリブルや個人技はアクセント。右ウイングが最適だが、申花では2トップの1角での起用が見込まれる。前所属山東で監督と不和により、今夏にレンタルで加入。


*全文無料公開してます、宜しかったら投げ銭ください!

ここから先は

0字

¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?