2022年 中超前半戦振返り
2022年の中超(中国スーパーリーグ)前半戦が終わったので軽く振り返りを
シーズン前のプレビューはこちら
◆順位(9/26時点)
◆雑感
・昇格組の武漢三鎮が首位、それを前年王者の山東が追う。優勝争いはこの2強か
・武漢三鎮に限らず昇格組が躍進。梅州客家(6位)浙江(7位)成都(8位)といずれも上半分に。
昇格組が相応の戦力(=財力、経営安定)を保持している、、というより他のチームが経営難などにより弱体化したことも大きいかと。
・武漢三鎮は18節で初黒星(3-4滄州)喫するまで15勝2分と圧倒的な成績で首位。得点ランク首位独走するFWマルコン(Marcão) 現役ルーマニア代表MFスタンチュ(Nicolae Stanciu)モナコ、ラツィオなどに在籍したDFワラシ(Wallace)、ガンバやマリノスにいたFWアデミウソン(Ademilson)といった強力外国人だけでなく、財政難の広州FC(旧広州恒大)から中国代表経験者5人を獲得するなど、豊富な戦力はバブル期の列強にも匹敵するレベル。
しかし、山東以外のライバルの不甲斐なさも彼らの独走を助けた一因か。
9月に入り、マルコンが負傷で長期離脱&スタンチュの代表合流と飛車角落ちの試合が暫く続き、山東と差が詰まっている。
・上海海港(旧上海上港)は戦力的には優勝候補ながら、17試合で僅か19得点の拙攻で足踏み。大黒柱MFオスカルが家族の問題?か何かで2試合出場に留まってるとはいえ、監督イヴァン・レコ(Ivan Leko元クロアチア代表)の手腕に批判が集まり、いつ解任されてもおかしくない状況。
この夏にチームレジェンドの武磊(Wu Lei)がスペインから復帰、エスパニョールで同僚だった元アルゼンチン代表FWバルガス(Matias Vargas)更に広州FCからイングランド出身のDF蒋光太(Jiang Guangtai/Tyias Brownng)まで獲得。後半戦の巻き返しは必須。
・残留争い、チーム事情(財政難)がモロに戦力に反映されている。
広州FC、河北は外国人選手ゼロ。広州城(旧広州富力)も長い期間外国人ゼロ、この3チーム+滄州と、武漢長江(旧武漢卓爾)あたりまで危険水域。
これらは残留できたとしても経営状況が芳しくなく、ピッチ外でも解散、給与未払いの危機に面している。降格しても残留しても、解散だけは避けて欲しいものだが・・
・財政難の影響でかつてのような大型外国人は殆ど去ったが、おかげで?若い中国人選手の出番が増えているのは朗報か
河北のFW張威(Zhang Wei)、昨年まで殆ど出場経験なかった2000年生まれの選手が今季6得点決め頭角を現した。財政的にも戦力的にも厳しい河北の降格は免れなさそうだが、彼のような若手が経験を得られるのは副産物か。
・2010年代王朝を築いた広州FC(旧広州恒大)、周知のとおり恒大グループの経営難で大幅に予算縮小され外国人、帰化選手、有力中国人選手が流出。
シーズン途中に往年のキャプテン鄭智(Zheng Zhi)が監督に就任。アシスタントに黄博文(Huang Bowen)梅方(Mei Fang)張成林(Zhang Chenglin)いずれも栄光を支えた選手たちがスタッフとして舞い戻った。今夏には元シャルケ・アジア最終予選で代表キャプテン務めた蒿俊閔(Hao Junmin)や栄昊(Rong Hao)といったベテランも加入。降格を避けることができるか?
・ACL出場権争いは、、どうせ来年も1軍派遣は難しく参加辞退までありそうなので論じても意味がない。
◆その他
ピッチ外の要素について触れざるを得ない。
周知のとおり「ゼロコロナ政策」の影響で開幕は6月に。夏のE-1選手権期間中停止したこと、また9月に感染蔓延のため頻繁に延期になったこともあり(順位表、チームごと消化試合の違いはこれが原因)9月下旬でやっと折り返し地点に。
2020年コロナ勃発後はずっと中立地(大連、海口)で集中開催だったが、E-1選手権以降中超はホーム&アウェー方式を再開
、、しかし実態は半数のクラブ(北京、天津、上海、深圳、成都といった大都市、北京に近い河北省の2チーム)は自治体からホームゲーム開催許可がおりず、引続き中立地でホームゲームを戦ったり
開催許可が下りたクラブ(武漢、長春、大連、梅州、浙江、河南)も無観客開催になったり延期になったり、、観客が入った、ホームらしいホームゲームは数える程度。
まともに開催できない上、費用も移動時間もかかるから、これなら集中開催の方がマシなのでは・・
今後寒くなるにつれて感染状況もどうなるか分からず、9月末でやっと半分、シーズン全試合終わるのは年を越すだろう
サッカー以前に国策が読めない。成績云々より、無事開催されること、無事終了すること、各クラブ無事に存続すること、、それで十分だ。
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