■2020ACL出場チーム紹介 北京国安
■北京中赫国安 Beijing Sinobo Guoan (リーグ戦2位)
(2020/11/14更新)
https://note.com/yeehope87/n/nf48334e873f9 ←参考までに昨年の紹介
・概要
1955年に成立した北京足球隊が全身、1992年プロリーグ創設時に国有企業の中信国安グループが入資してクラブ成立。以降幾度かチーム名微変更経て2017年に中赫グループが筆頭株主となりし現在に至るが、プロリーグ創設からほぼ変化なく存続している中国では稀有なチーム。リーグ優勝1回、カップ戦優勝4回、スーパーカップ優勝2回を誇る。
2019年は開幕10連勝のロケットスタートも、夏場に失速しロジャー・シュミット退任。その後立て直し最終節まで優勝の可能性残し2位に食い込み、歴代最多の勝ち点70を獲得したが、恒大・上港との直接対決を悉く落としたのが悔やまれる。ACLでは全北に連敗、浦和とのホームで勝ちきれなかったのが痛恨(槙野のハンドが・・)
ホームスタジアム北京工人体育場(Workers' Stadium)は2004年アジアカップでジーコジャパンが戴冠した場所、現在2023アジアカップに向けた改修、陸上トラックを潰して専スタへ移行予定
・ACL戦績
現行ACL出場は2年連続8回目。うち3回ベスト16も上位進出はない。広州恒大、上海上港といったライバルに比べて物足りない。特に韓国勢に弱い印象。そろそろアジアでも結果を出さないと。
・監督
ブルーノ・ジェネシオ(Bruno Génésio) 1966年生まれフランス国籍。2015-19年リヨンを率いた実績。昨夏失速時にロジャー・シュミット退任後、臨時監督として7勝1分2敗と結果を残し正式な監督就任。前任者程のキャラの強さはなく、落ち着いたおじさんという印象。
・移籍市場
天津泰達から代表歴あるDF楊帆(Yang Fan)を獲得、1996年生まれで右サイドバックとCB兼任、年末のE-1選手権で代表デビューを飾った新星。
広州恒大からFWアラン(Alan)をレンタルで獲得。2015年から広州恒大に在籍し活躍しているが、ここ数年はレンタル暮らし。中国国籍取得し中国名は阿兰、U20ブラジル代表歴はあるが将来的に中国代表入りが可能とのこと。
・2020年シーズン
中超リーグ第1ステージは、8勝4分2敗の2位。しかし上海上港に連敗(通算5連敗)と相性が宜しくない。バカンブが1試合4得点を決めるなど9得点で得点ランク首位。また戦力外状態だったフェルナンド(とはいえ元ブラジル代表だが)が意外に活躍。オフに韓国メディアで中国サッカーをディスり、欧州移籍噂されたキムミンジェも残留。2014W杯ボスニア代表のDFシュニッチ(Toni Šunjić)を夏に獲得したが即河南建業へレンタルされたのは、放出候補だったフェルナンド&キムともに残すことになったせいかと思われる。
第2ステージでは山東に勝利(2-2,2-1)準決勝で恒大に敗戦(0-0,1-3)3位決定戦で上港に勝利(2-1,1-1)で最終順位は3位、来期ACL出場枠を確保。まあ相変わらずてっぺんはとれないが、落ち着くべき順位に落ち着いた感
昨季限りで退団したレジェンド楊智(YangZhi)が現役引退を表明。2005年から国安でリーグ350試合出場(中超歴代最多出場数)一時は代表正GKも張り、2009年の国安初優勝や、2010年東アジア選手権優勝にも貢献。
・予想フォーメーション
-----張玉寧(王子銘)----Alan(巴頓)-------
張稀哲-----------------Viera
-------池忠国(李可,呂鵬)Augusto(Fernando)
李磊-----于洋----Kim----王剛
-----(于大宝、楊帆)(金泰延、姜涛)------
---------------侯森--------------
・選手紹介
GK
1 侯森(Hou Sen) リーグ戦11試合出場-14失点。 89年生まれ。ずっと控えに甘んじていたが今季ACLでは正GKを務める見込み。国安生え抜きの北京出身者ということもあり、チームへの思い入れやサポの思い入れも強い選手。
25 郭全博(Guo Quanbo) 12試合-13失点 1997年生まれ、湖北省出身だが8歳から国安の下部組織入り。U23枠の恩恵で2018年途中からスタメン張ると2019アジアカップもメンバー入り(直前に負傷で離脱)2020年は侯森との併用だったがU23枠ないACLでは控え濃厚。
14 鄒德海(Zou Dehai)リーグ出場なし 2019年に2部浙江緑城から国安に加入しスタメンとして大活躍。カップ戦優勝に貢献、E-1で代表初選出された。しかし2020年は第3GKに落ちてしまい、クラブへ不満を漏らしたとも。いいGKだが競争が厳しい
DF
2 キム・ミンジェ(Kim Minjae・金玟哉)17試合 韓国代表レギュラーCB、96年生まれと若い彼が欧州行きでなく中超に来たのは意外だが、報じられた移籍金900万$はKリーグ歴代最高額、4年契約年俸総額1500万$は全北時代の5倍とされる。アジアでも屈指のCBだが、昨年アジアカップ、E-1選手権とやたら代表戦で中国から点を取る。欧州行きの噂もあったが当面北京。高い、強い、早いが、年始韓国メディアのインタビューで中国サッカーを侮辱する発言してバッシング受けたり。早く出たいんだろうなあ
22 于大宝(Yu Dabao)11試合1得点 1988年生まれの最年長にしてキャプテン。U17W杯ベスト8の後ベンフィカに引き抜かれ同世代のディ・マリア、コエントランらとプレイしたFWだったが、国内帰還後は外国人FWとの競争に勝てず中盤でプレイする機会も。2019年から北京国安では高さと強さを生かし主にCBで起用されハマってる。今季はケガもありスタメン落ち。
27 王剛(Wang Gang)18試合 右SBのスタメンだが、元々FWでベンフィカの下部組織へて、ポルトガルトップリーグでもプレイ。中国帰還後ポジション下げたあたり于大宝と似たキャリアを歩んでる。攻撃面は大きな魅力だが反面守備に課題があり、A代表のW杯予選シリア戦では戦犯扱いされた。187cm。
28 姜涛(Jiang Tao)3試合 下部組織出身で、他チームをへて2017年から復帰した右SBの控え、守備はそこそこだが技術面が厳しく、クロスやパス精度が残念な印象。
4 李磊(Li Lei)17試合1得点 コンディション万全なら代表でもスタメンでW杯予選ここまで3/4試合スタメンの左SB、旅行時に飛行機で揉めて悪い意味で話題になったが、プレイは素晴らしい。開幕戦では見事なミドルを突き刺した。
3 于洋 (Yu Yang)17試合1得点 代表14キャップのCB、下部組織出身で大連、広州富力から出戻り。今季は于大宝からスタメンを奪い、キムミンジェの相方候補筆頭かと。2019アジアカップメンバー
24 楊帆(Yang Fan)6試合 2018年まで中乙(3部)に在籍しトップリーグ未経験から、2019年天津泰達ではU23選手では出場時間最多。11月シリア戦ではA代表初選出され飛躍の1年に。CB兼右SBで質の高いクロスを供給する。
MF
5 レナト・アウグスト(Renato Augusto)元ブラジル代表 15試合2得点
大黒柱。16年に中国に渡った後もブラジル代表に選出され続け、ロシアW杯準々決勝ベルギー戦で得点。国安では于大宝に次ぐ副主将を務め、昨年は15得点(6pk)、MF全般や時にCB(その試合でハットトリック)と攻守に獅子奮迅の活躍。中超屈指のスーパー外人さん。帰化して欲しいくらい
6 池忠国(Chi Zhongguo)17試合1得点 吉林省延辺自治区出身の朝鮮族、守備力、展開力、大局観に優れたセンターハーフで攻守にレベルが高く、スタミナ豊富で「中国のカンテ」と呼ばれ。2017年には走行距離、パス本数でリーグNo.1に。北京国安のカップ戦優勝&ACL出場権獲得に貢献し評価急上昇中。代表にも定着している。2019アジアカップ出場
8 朴成(Piao Cheng) 2試合1得点 同じく延辺出身の朝鮮族。89年生まれの攻撃的MFで、クラブでは2列目での起用も多い。アテネ五輪代表不動の10番だったが怪我で五輪予選を棒に振るなど期待の割には伸び悩んだか。時折スーパーゴールを決める。今季は序盤に大怪我で棒に振ってしまいACLも出場は怪しい。2019アジアカップ出場
10 張稀哲(Zhang Xizhe)19試合1得点 生え抜きで中国有数の攻撃的MF、テクニシャンタイプで2列目での起用が予想され、代表でも10番を付ける。半年ドイツ・ウォルフスブルクに在籍したが公式戦出場は無し。その後国安に戻って年俸は倍になったと報じられている。実際そうなら多くの選手がリスク犯して欧州挑戦しなくなるのも理解。モデルの嫁さんが良くインスタで仲睦まじい様子をアップしている。
11 フェルナンド(Fernando)11試合3得点 92年生まれのBtoBMFで、シャフタール、サンプドリア、スパルタクモスクワを経て加入。セレソンで2013コンフェデ杯など8試合出場してる実力者だが、昨年加入後出番少なく今季開幕当初も放出候補だったが、試合出場すると攻守に高い能力を示し「パウリーニョに劣らない」と評価された。バカンブ欠場、アラン自国選手枠になりACLでも登録メンバー入り。
18 金泰延(Jin Taiyuan)9試合 名前の通り彼も朝鮮族、見た目は地方の労働者だが朴成と生年月日同じ&同郷で子供のころから幼馴染らしい。元々MFだが国安では両サイドバックの控えとして起用が多い。技術よりスタミナや献身性というタイプ。韓国語が達者でキムミンジェの通訳務める場面も
23 李可(Li Ke ,Nicholas Yennaris) 16試合 1993年生まれの右SB兼MF。アーセナル出身のニコ・イェナリスといえばプレミア通はピンとくるかも。U17からU19のイングランド代表に選出されているが、父がキプロス人、母が中国人で2019年中国国籍に。早速国安で守備的MFとして活躍し中国代表にも定着した。昨年ACLはその身分故に規約があやふやで登録外に、今年がACLデビュー。日本の中継は彼を「リ・カ」と読むんだろうか?
26呂鹏 (Lü Peng )7試合 ボランチの控え、89年生まれで大連実徳出身。2011-12年ごろカマーチョ暗黒時代にA代表定着していたが近年はひたすら控えで守備要員で途中投入されている印象。
*メンバー外 7 侯永永(Hou Yongyong, John Hou Sæter) 8試合2得点 98年ノルウェー生まれ、名門ローゼンボリで16歳でデビューし、年代別ノルウェー代表入りしウーデゴール(レアルマドリード)らと並び称される有望株だったらしいが、母が中国人で2019年に国安加入&中国国籍取得。中盤センターでの起用が多く今季本領発揮かと思われたが負傷でACL選外に
FW
21 ジョナタン・ビエラ(Jonathan Viera) 元スペイン代表 18試合3得点
18年ラスパルマスから加入した攻撃的MF。ロシアW杯欧州予選イスラエル戦では背番号10を背負いスペイン代表デビュー。2列目・トップ下での起用が予想され、正確なFKは大きな武器。19年に大怪我で登録外になり古巣ラスパルマスへレンタルされたがリーガ2部で大活躍し満を持して帰還した。
19 阿兰(Alan )15試合4得点 ザルツブルク時代EL得点王に、2015年広州恒大に加入し今期レンタルで国安に。万能型FWで得点以外でも貢献が期待できる。バカンブ欠場のACLではエース格として期待される。中国国籍取得しており、外国人枠は適応されない模様
9 張玉寧(Zhang Yuning)18試合6得点 97年生まれ中国期待のFW、185CMの高さとフィジカルが魅力で10代からU23やA代表に抜擢、2015年から欧州に渡りオランダでは頑張っていたが、長距離移動と酷使でケガがちになって伸び悩み気味。今年も年初のU23アジアカップで負傷し離脱したが、復帰後は6得点と復調気味。杭州時代にトルシエがトップチームデビューさせた選手。
20 王子銘(Wang Ziming)14試合1得点 1996年生まれのストライカー、2019年7得点上げA代表デビューも。コロナ前に行われたACLチェンライ戦では決勝点。スーパーサブ的扱い、高さはあるがヘッドよりもシュートがうまい印象が。
29 巴頓(Ba Dun) 3試合1得点 下部組織出身のFWor左MF、外人アタッカーとの競争で中々出番ないが、今季は石家庄戦で見事なゴール。2018年U23アジアカップメンバー。
*メンバー外 11 セドリック・バカンブ(Cédric Bakambu) 19試合15得点 コンゴDR代表 ビジャレアルから加入、国安への移籍金、現在の年俸はいずれもアフリカ人選手最高額と言われる。その割に好調不調の波が激しく昨年は肝心なところで外した印象が強く、雑魚専のイメージも。2020年は15得点でリーグ得点王に輝いたが、代表に合流したためACL欠場に。惜しい、、
↓ACL登録メンバー