ドレイモンドはMAXか?:Off Course!!
A「ちょっと前にドレイモンドがMAX要求したって話やな」
B「この議論って錯綜しとると思うから、ちょっと整理したいと思うんやけど」
A「どゆこと?」
B「まず、ドレイモンドの守備と攻撃能力の評価の問題があるやろ」
A「まあ、それが議論の大前提やわな」
B「そんで、彼の全盛期と、今後それが加齢で衰えるから、契約年数はどうなんかっていう問題もある」
A「あとややこいんは、他の選手との兼ね合いやわな」
B「それから、チームとして若返りをしてかないかんのか、とか色んな議論がごっちゃになってるわけよ」
A「最後の話は難しいから、俺らはドレイモンドがMAXにふさわしい選手かどうかの議論だけしようや」
B「そうやな。それでそうしよ。まずは彼の守備能力の話から」
A「ういうい」
◆ディフェンス
・ゴベアのケース
B「そもそも論なんやけどな、守備力の高い選手にどれだけ給料払ったらええんかって問題があるやん」
A「分かりやすいんはゴベアにMAX払うんは正解かって話やな」
B「いろいろ議論はあるんやろけど、君らはあれが不正解やと思ってる訳やろ?」
A「もちろん色々な議論の前提があるけどな。まず、俺に言わせたら彼は最高のディフェンダーではない」
B「ここからして多くの人が同意せん所やと思うんよ。3回DPOYやで?」
A「まずはDPOYは守備レーディングがトップ5位のチームからしか出ないっていうのを知らん人が多いわな」
B「でも、どっちかというと、ジャズは他にそこまでええディフェンダーはおらんから、ゴベアが凄いってことではないかね?」
A「それはそうやと思うで。例えばペイント内のDIFF%はかなり凄い」
B「ちなみにDIFFは相手の平均的なFG%を何%下げたかっていう数字やな」
A「これは3P、2P。2Pでもゴールまでの距離別のデータがあるんやけど、ゴベアは6とか10フィート以内で相手のFG%を10%下げる」
B「1フィート=30cmやから、6フィートが2メートル弱、10フィートが約3メートルってところやな」
A「ある程度出場時間のある選手の中で、大体ゴベアはトップクラスやな」
B「つまり、リムとペイントを守らせたらNO1ってことやな」
A「ドレイモンドは年によってバラツキがあって、エエ時はゴベアにタメ張れるけど、安定して凄いのはゴベアやな」
B「あのサイズでゴベアにタメ張れるってのも凄いが…」
A「相手のFGを10%下げるって凄いことで、30回シュート打つとしたら3本は防ぐって事やから、試合全体で相手の6点を防ぐことになる」
B「なんか、6点って聞くとそれほどでもないような気がしてくるけどな」
A「でも、26点の選手と20点の選手は、超一流と一流の差やろ?」
B「まあ、攻撃で言うたらそうなるわな」
A「それに得点と違ってシュートの本数が多いとかじゃないからね」
B「守備で6点失点が違ったら、どれぐらいの違いなんやろ?」
A「それはリーグ平均と、リーグ・トップレベルの差になるな(笑)」
B「ゴベア1人でそれか…それはエグいな…」
A「まあ、実際にゴベアが10Ft以内で打たれてるシュートは10本ぐらいやけどな」
B「なんや、エラい話が違うやんけ。それなら御利益は3分の1やがな」
A「でも、そもそもゴベアがおるからシュートが打てんってことが山のようにある訳でね」
B「なるほど。そう考えたら、ゴベアはやっぱり有難いんやな」
A「ただ、その御利益もPOに入ったら半減するんや」
B「それが面白いとこやろな」
A「まずDPOYに関してはRSの賞やからそれはかまんと思う。だけど、それがそのままPOに引き継がれんってことも知っといた方がええわな」
B「相手のレベルが上がると通用せんのか?」
A「そういう傾向もあるとは思う。だけど問題なんは、POでは外に引っ張り出されることが多いってことやな」
B「あー、これは良く言われることやわな…」
A「POやとプルアップ3打てる敵が増える。そんなの相手にPnRでドロップしかできんゴベアの有効性は下がってまうんやな」
B「インサイドを固めるディフェンスがPOでは通用せんってのは、よく言われるわな」
A「最近やとバックスとかもそれでRSではエエ成績を残したんやけど、POで3Pに沈められることが多かったわ」
・GSWのディフェンス
B「ところがドレイモンドはそうじゃないって話なんやな」
A「その前に、今シーズン前半のGSWの守備が如何に鬼やったかって話がある」
B「シーズン前半っていったら、ドレイモンドがケガする前やな」
A「スタッツとしては歴史的なレベルに凄い守備やった」
B「比較対象がおかしいわな(笑)全盛期セルツ、スパーズ、ピストンズ、ニックス…」
A「今季は特にウィギンスとGP2の活躍も大きかったわ」
B「でも、彼らが加入する前からGSWは守備でもエリートやったやろ?」
A「そうやな。攻撃の凄まじさに目が行きがちやけど、13-14はRS4位、14‐15は1位、15-16は5位、16-17は2位となっとるな」
B「GSW王朝は守備も凄かったんやな。でも17‐18以降はどうよ?」
A「この辺はドレイモンドの休みが増えたり、KD加入で選手層が薄くなったりしたせいで、守備の成績は落ちとる」
B「あー、崩壊の予兆は守備に現れてたんやな」
A「ところがKDを追い出したら、20‐21は5位、21-22は1位や(笑)」
B「KDに悪意があり過ぎやろ(笑)」
A「いや、選手層の問題やって(笑)」
・ドレイモンドの守備の評価
B「でも、今季に関してはやっぱりウィギンスとかGP2が大きかったんちゃう?」
A「それはそうやろな。流石に彼らがおらんかったら「歴史的な守備」ってことにはならんかったやろな」
B「それでも、やっぱりドレイモンドの存在感は大きいと?」
A「POのDIFF-10.6%はチームトップやな」
B「-10%? 鬼やんけ」
A「やから鬼やって言うてんのよ(笑)16.4本打たれて10%落としてるから、4点位は下げてる勘定やろな」
B「なんか、ウィギンスが凄かった印象があったんやけどな」
A「まあ、これはあくまで「打たせた」場合にどれだけ下げたかやから、そもそも打たせてない選手は過小評価になるけどな」
B「確かにそもそもテイタムに打たせてなかったことも多かったわ」
A「ゴベアの時もそうやったけど、DIFFも万能ツールじゃない。だけど、一時近似としては使えるんちゃうかな」
B「スタッツやったらon/offもあるやん?」
A「でもあれは、特に守備の場合は、出てる相手に合わせることが多いからな…」
B「どゆこと?」
A「on/offで相手の攻撃レーティングどれだけ下げたかってのは分かるんやけど、ドレイモンドとか相手のエースが出てる時間に出てくるやん?」
B「ああ、つまり相手の攻撃が平均より強い時間に守備してるから、評価が難しいってことなんやな」
A「そうそう。DIFFはシュート打った相手の確率をどれだけ下げてるかやから、その問題がない」
B「なるほどな」
A「実際、ドレイモンドはヘルプも凄いけど、1対1でもジェイレン・ブラウンとか、かなり抑えてたからな」
B「ブラウン頑張ってたイメージがあったんやけど、ファイナルで3Pが34.0%、FG全体も43.1%やったんやな…」
A「ブラウンに関しては、左にドライブさせられたらアカンってのもバレたんもあったが。基本的にボストンはファイナルで100点取れてないからな」
B「それは勝てん道理やわな…」
A「ちなみにGSWのPOのDIFFで2位の選手って分かる?」
B「流れ的にはウィギンスじゃないんやろけど…」
A「何と-7.5でカリーなんよ(笑)」
B「マジで!!! そんなんありえる?」
A「これに関してはたまたまってこともあるやろけどな」
B「話を戻すけど、やっぱりドレイモンドは守備の鬼ってことでええんかいの?」
A「GSW王朝の間だいたい守備は良かったし、特にPOではそうやからな」
◆オフェンス
B「まあ、ドレイモンドはDPOYも取ってるし、守備についてケチつける人は端から少ないとは思っとったけど」
A「議論が分かれるんやオフェンスやろな」
・GSWでのプレー
B「まず、GSWでドレイモンドの攻撃力がどれだけ大事かって話をしたいんやけど」
A「基本的には、GSWの流動的な攻撃の中でパスの供給役ってのが一番やろな」
B「実際に大体、7アシストぐらいしてるからな」
A「少なくともパスに関しては、ビッグマンとかいう括りなしで、リーグでもトップクラスやと思うで」
B「でも、例えばクリポとかとは違って、自分でPnRしてギャップを作れるわけではないやん?」
A「まあ、それはやっぱりカリーとクレイの動きがあってこそやわな」
B「その話は後でするけど、とりあえず他にはある?」
A「やっぱりトランジションも武器の1つやな。そもそもDRBとかスティールが多い選手やから、効果は絶大や」
B「でも、今季に関してはちょっとイマイチじゃなかった?」
A「それはそうやな。なんかファイナルの最期の試合に復活してたけど、今季は冴えんかった気がするわ」
B「他のポイントは、やっぱりPnRかいの?」
A「これもカリーのプルアップ3があるから、相手はどうしてもトラップとかに行きやすいからな」
B「そこからのショートロールでチャンスメークってのは多いわな」
A「大体はこんなもんやろな」
B「でも、今季のファイナルでセルツはカリーのPnRに対してドロップで対抗してきたやん」
A「そうやな。だからカリーの得点は増えたけど、ドレイモンドのアシストはちょっと少なかった。とはいえ、1試合6以上なんやけどな(笑)」
B「PO全体でも6超えてるんか…やっぱりエグいな…」
A「ドレイモンドのショートロールがあるから、ボストンはカリーのプルアップ3を打たせるしかなかった。その結果の30失点やわな」
B「でもさ、この点に関しては他の選手でも代わりは効くようになってない?」
A「それは確かにあるかもな。ルーニーとかも大分上手くなったと思うで」
◆GSW以外で活躍できるのか?
B「最後に気になるのはさ、やっぱりドレイモンドはGSWを出ても活躍できるのかってことになるんやけど」
・ディフェンスはOK
A「色々あると思うけど、まず守備はやっぱり最強レベルやと思うで」
B「でも、そこはスティーブ・カーが凄いって部分もあるやん?」
A「それはそうやな。でも、少なくとも優勝争いするレベルのチームやったら、ドレイモンドは活躍できると思うで」
B「確かに守備に関してはカリーがおらんといかんってことはないからな」
A「もちろん、今季のGSWみたいに「歴史的なレベル」の守備が再現できるかって言われたら分からん」
B「それは流石に無理やろ」
A「でも、優勝争いしてるチームって、大体守備もちゃんとしてるやん?」
B「逆のええ例がレイカーズやわな…」
A「そりゃ、ラスみたいな大穴が空いてたら、いくらドレイモンドがおっても無理よ(笑)」
B「今季もファイナルは守備が1位と2位の戦いやったからな」
A「前にもデータをチェックしたけど、優勝チームは少なくともRSでトップ10の守備力はある」
B「優勝狙うチームはRSで体力温存するってのはあるわな」
A「それに、そもそも攻撃が凄くて点が取れるから、多少守備では手を抜いても勝てるからな」
B「でも、そういうチームもPOになったら大体守備力上げてくるんよね」
A「それがチャンピオン・チームってもんやわな」
B「まとめると、少なくとも優勝争いするレベルやったら守備力は通用する、と」
A「通用するっていうか、守備の中心選手になれるし、ええ守備をチャンピオン・レベルに引き上げてくれる存在やと思うで」
・オフェンスは?
B「問題はさ、今の時代に3Pの打てん選手は攻撃面で足を引っ張るんちゃうかってことやけど」
A「確かに最近も今どきのPFは3P打てんとアカンって話したとこやわな」
B「サイブルとかそうやけど、そもそも出場時間自体を貰えんってことにもなりかねんやん?」
A「そこは難しいんやけどさ、とりあえずPnRでロールできるやん」
B「ただ、それもハンドラーにプルアップ3があればこそやろ?」
A「これもやっぱり強いチーム限定になるけど、おらんことはないやろ」
B「強くなくてもリラードとかもおるわな」
A「仮にセンターがストレッチできんでも、ドレイモンドがPnRに出て、そのセンターをダンカーズ・スポットに立たせておくってことはできる」
B「でも、プルアップ3が打てる選手のPnRだけで攻撃する訳でもないやん?
A「あと言えるんは、強いチームにはストレッチ5がおることも多いってことやな」
B「例えばグリズリーズのJJJとか?」
A「ホーフォードがセンターの時のボストン、来季からダラスに行くウッド、ミネソタのKAT、あとバランチュニスとかもそうやな」
B「ヨキッチとかエンビードみたいに、センターが強いチームはどうなるんやろ?」
A「ヨキッチとはそもそもキャラが被るからキツいかもな。シクサーズやったら、ハーデンとかおるから大丈夫じゃない?」
B「そんじゃあ、サイブルみたいに全然使えんって訳でもないんか」
A「あと、時間帯によってはスモールのセンターもできるからね」
◆まとめ:ドレイモンドを欲しがるチームはあるか?
B「そんじゃあさ、現実的にドレイモンドを欲しがるチームってあるかいの?」
A「まあ、年齢とか契約年数とかの問題は置いとこか」
B「でも、年齢の問題も重要ちゃう?」
A「やけど、これまで安い給料で我慢してきたってのも事実やろ?」
B「まあ、こんだけ頑張ったんやから、ええかげん給料上げてくれって感じもするわな」
A「少なくともクレイが今のままやったら、彼にMAXあげる必要はないわけでね」
B「それじゃあ、とりあえずその条件でええわ」
A「でも、意外と厳しいな(笑)」
B「やっぱりそうやろ?」
A「まずフィットしそうなチームから考えると、やっぱりシカゴやろな」
B「ああ、あそこはそもそもPFが弱いし、センターはストレッチできるし」
A「デローザンとは相性悪いかもしれんけど、ラヴィーンはシューターとしても使えるからな」
B「将来考えたらデローザンも先は長くないやろしな」
A「メンフィスもJJJがおるから合いそうやな」
B「ミネソタも悪くは無かったと思うけど、ゴベアとったから、もう居場所がないな」
A「リラードとの相性考えたら、ポートランドもありやと思うで」
B「あそこは守備が死んでるからな…」
A「守備が死んでるで言えば、アトランタもそうやな」
B「ただ、PFでジョン・コリと被るけどな」
A「ないってことはないけど、どこでもええって訳にもいかんな」
B「中途半端なところやな(笑)」
A「でも、そもそもミネソタとか、あとベンシモが行ったネッツとか、そのトレードの前やったら、ってチームもあるわな」
B「でも、やっぱり今とか、来季のオフまで、とかになったら、そんなに多くはないってのは事実やろ」
A「普通のスーパースターみたいに、そこそこのチームを優勝争いするレベルに上げるって選手じゃないからな」
B「優勝争いしてるチームを、実際に優勝させるっていうタイプやわな」
A「しかも、攻撃の駒は揃ってるけど、守備を完璧にしたいっていって所に限定される」
B「現実にFAで出たら、MAXで取るチームはあるかいの?」
A「現実的なんはシカゴとポートランド、場合によってはアトランタ、ダラス、ニューオーリンズかなぁ…」
B「やっぱりGSW、というかカリーとの相性が良すぎるから、そもそもイメージがしずらいわ(笑)」
A「そこなんよな。結局はGSWで一番活躍できそう(笑)」
B「分かり切ってたオチやけど、結局そこに話は落ち着くんよな(笑)」