ビル・ラッセルの全チーム永久欠番はありか、なしか

A「今回は最近決まった話やな」

B「また、めんどくさそうなお題で…」

A「お盆で暇やと思ってチクシが無茶ぶりしてんやな(笑)」

B「もう、君らの相手はしたないで…」

A「なんでやねん?」

B「だって、またNBA左翼の政治活動やってキレ散らかすんやろ?」

A「いや、俺、むしろ反対って言ってる奴らにキレてるんやけど…?」

B「まじか…なんか、一見情緒不安定な人にしか見えんで?」

A「マジメに考えたらそうなるって」

B「そんなら、どんな屁理屈なんか聞いてみよか」

A「まず、正確に言うたら俺は「反対ではない」って立ち場やな」

B「敢えて反対ということもないって感じか」

A「さらに言えば「反対の反対で賛成なのだ」って感じやな(笑)」

B「おじさん、やっぱりネタが古いねん…NBA見立ての若い子らには分からんって…」

A「なんか、反対言うてる奴らはモノ分かって口ひらいてんのかと」

B「しかも、やっぱりケンカ腰やし…」

A「どこから話したらエエんか分らんわ」

B「どこからお聞きしたらエエのか分かりません…」


・全ての前提としての黒人差別問題

A「まず、説明が悪い部分もあるあもしれんけど、これは偉大な選手ってだけじゃなくて、反黒人差別の問題ってことやな」

B「ジョーダンとかもするんかって話もあるけど、それは違う、と」

A「確かにMJはNBAを国際的にした云々とかあるけど、流石に次元が違う。MJやったら反対言う人の意見は理解できるわ」

B「念のためやけど、ヒートも23番永久欠番にした件は?」

A「それはフランチャイズの勝手ちゃう?まあ、この話もおいおいするわ」

B「分かった。とりあえず黒人差別の問題やな。手短に頼むで…」

A「逃げ腰やな…まあ、アメリカの他の4大スポーツでも同じようなことしてるってのは知ってるよな?」

B「MLBのジャッキー・ロビンソンが有名やわな」

A「別に他のスポーツがやってるからNBAでやってエエってことにはならんけど、とりあえず常識として知っておきたい所やな」

B「まあ、少なくともアメリカの流儀ではアリってことなんやろな」

A「これも常識やから一々説明せんけど、ラッセルの60年代は今とは黒人差別のレベルが違うってことも抑えなな」

B「平和的なデモに犬けしかけたり放水したり、およそ人間扱いしてなかったからな…」

A「これが自由と平等、公正を旨とするアメリカ様の人権意識やったってことやな」

B「おじいちゃん、あんまり怒ると体に障るから…」

A「ラッセルの活躍した60年代はこんな時代で、本人がボストン嫌になって外に出てるからな」

B「これが開明的なはずのボストンってのが救いがないわ…」

A「ハーバードのお膝元やで? アメリカで一番マシにとこちゃうの?」

B「そんで60年代は公民権運動が一番盛んだった時代やわな」

A「どんなにお勉強しても、所詮俺らは外様や。黒人の気持ちは理解できんのかもしれんが…」

B「それでも、とにかく酷い時代で、それに立ち向かった人がいかに偉いかってぐらいは分かるわな」


・スポーツと政治:再び

A「そんで、スポーツと政治の関係の話なんやけどな」

B「そうそう、そこよ。なんで今回はOKなん?」

A「まず、前回のBLMの問題やけど、試合拒否ってのが最大の問題やったわけや」

B「まあ、少なくとも君のなかではそうやったんやな」

A「アメフトの選手も国歌斉唱で片膝付くとか怒られてたけど、試合拒否はしてない」

B「なんで試合拒否はそんなに許されんの?」

A「まあ、NBA選手、職業人として職務放棄は最後の手段やからな」

B「でも、広い意味で労働者にはストライキが認められてることも多いやん?」

A「それは「生活を守るため」の最終手段として、やからな。職種によっては認められんぐらい重い権利なのよ」

B「まあ、お医者さんとか公務員が職務放棄したら人死にが出るからな…」

A「NBAは娯楽や、って観点からしたら試合放棄ぐらいなんやってことになるんかもしれんけど、それってバスケを根本的に否定してるわな」

B「バスケが好きな人にとっては、バスケは大事なもんやってのは共通認識として持っとるってことでエエと思うで」

A「そこら辺は運営方式が気に入らんとかいう話もあるけど、今回はスキップやな」

B「お願いします」

A「そういう政治活動のためにストライキは許されませんよ、ってのが俺の基本的な趣旨やな」

B「そこが難しいんやけど、少なくとも黒人選手にとってはBLMってのは下手したら生き死にの問題ちゃうの?」

A「そこの線引きは難しいけど、まず少なくとも60年代の人種差別が許されるかってのは現代の基準では政治問題じゃないやろ」

B「ビル・ラッセルも出場拒否した訳じゃないしな」

A「そうそう。あくまでコート外の活動。しかも基本的人権の話や」

B「でも、今の選手にとったらBLMは基本的人権の問題なんやろ?」

A「こうなったら歴史が証明するとしか言えんけど、少なくともラッセルの時代ほどじゃないことで、ラッセル以上のことをするんか、とはなるで」

B「なるほど。そこは分かったことにするわ」


・「プレーする権利」

A「もう1つ大事な問題があって、それは選手のプレーする権利自体の問題やったってことやな」

B「単に黒人差別が酷かっただけじゃなくて、プレーするのも憚られる空気があった、と」

A「職業の問題で言えば働くこと自体を否定されとる訳で、これは完全に生き死にの問題やな」

B「君の基準で言う、ストライキしてもええレベルやって話やな」

A「まあ、黒人が少数派やったら現実的じゃないかもしれんけど、そのレベルやと思うで」

B「差別と闘って働く権利を勝ち取ったから偉い、と」

A「自分らだけじゃなくて、後の世代の問題にもなるからな」

B「こうなったら、MJとかとは次元が違うってことも分かりええな」

A「まあ、これでビル・ラッセルの偉大さのあり様は伝わったと思うけど…」

B「でも、ラッセル以外の選手もおったやろって話もあるやん?」

A「そこも難しい話やけど、全員同じ対応してても大変やから、象徴として扱われてるってことやろな」


・フランチャイズと背番号の権利

B「それはええとして、なんで永久欠番なんって話もあるやん?」

A「そこは最初にちょっと話したけど、そういう表現方法なんやとしか言いようがないな」

B「アメリカ流ってのは分かったけど、それこそ他のスポーツではどうなん?」

A「サッカーとかやと、基本的に永久欠番はないな」

B「やっぱり、本格的にアメリカ式の文化なんやな」

A「まあ、サッカーとかラグビーやと、きちんと1番から背番号付けてくってことが多いって事情もあると思うわ」

B「サッカーのエースって10番とかやろ? そんなん永久欠番にしてたら大変やなわ(笑)」

A「実際、ペレを記念して10番が永久欠番のなった例もあるけどな」

B「でも、これが例外的なことやってことは分かったわ」

A「ここはもうカルチャーとしか言いようがないんやけど、とにかくアメリカ式は永久欠番ってことやな」

B「そんなんでエエの?」

A「だから、俺の立場は正確には「反対ではない」っていうのが、そこにあんのよ」

B「なるほど。君らがそうやるんは勝手や、と」

A「これはよー調べ切らんかったんやけど、他の6番の選手が同時に永久欠番になるのはかまんのやろ?」

B「すでに6番で永久欠番になってる人もおるし、そもそもペリカンズ、マジック、キングスはファンの番号ってことで6番は永久欠番らしいな」

A「NYKとかポートランドは複数選手のために1つの番号を永久欠番にしとるって例もあるみたいやしな」

B「レブロンも永久欠番になれるんやろな?」

A「そこを禁止ってなったら、またちょっと話は変わってくるけどな」

B「その辺はちょっと分からん部分やな」

A「あと、これも前提知識やけど、今回の件はオーナー会議と選手会が同意してるってのもポイントやな」

B「まあ、インサイダーが納得しとるってことやな」

A「レブロンが云々言う人もおるけど、レブロン自身も、マイアミやLALも納得しとるってことやな」

B「やけどさ、背番号に思い入れがあるファンってのもおる訳やん?」

A「それは分かる。だから本来ならファンの意見も反映されるべきやろな」

B「そこがないのが嫌やっていうファンもおるやろ」

A「その話になるんやけど、まずアメリカのファンは多数派が賛成っぽいってのは知っといた方がええやろ」

B「ちなみに、もうちょっときちんとした記事とかは見つかりませんでした」

A「そんで、日本人の方が反対が多そうや、と

これなんか、日本のキッズどもは歴史を知っとるんかって話やろ」

B「まあ分からんけど、深刻度が違うやろな…」

A「でも、NBAも世界展開してるわけで、そういうファンの意見も大事やってのも1つの御卓見やと思うで」

B「香港問題のときもそうやったけど、それも問題になるやろ」

A「でもやっぱり、そういう人たちは選手の気持ちが分かってんのか、ってのは気になるわ」

B「そこを言われると弱いけど、君が言うかね」

A「次に、そんなん言うんやったら、今のNBAの運営方法でええのか、って話にもなる」

B「ああ、またメンドイ話になるんやな…」

A「念のために言うと、欧州式のスポーツやったらクラブは民主的に運営されてるから、サポーターの意見も当然反映される」

B「それでも、外国のファンの意見までは分からんやろ」

A「全部調べた訳じゃないけど、今時やったら外国人とか外国居住者でもだいたいソシオになれると思うで」

B「うーん、なかなかディープな世界やな…」

A「もちろん、我々が外人やから難しい部分はあるけど、NBAでも熱狂的なファンは年パス買ったりするやろ?」

B「やろ? って言われてもそんな人サンキュー・タツオさんしか知らんけどな(笑)」

A「TV見てぶー垂れてるレベルのファン風情では、物言えば唇寒し秋の風、ってなもんやな」

B「その格言、そのまま君に返ってきそうやけどな(笑)」

A「だから、結局そこで文句言ってる奴には「嫌なら見るな」砲が炸裂するんやろ」

B「究極はそこに落ち着くわな…」


・まとまらないまとめ

A「まとめると、事情も知らずに自分が気に入らんから反対とか抜かすキッズはマジで胸糞が悪いってことやろな」

B「ちったあマトモに話したかと思ったけど、やっぱり酷いオチやな…」

A「自分の事を棚に上げて言うけど、人間としての品性が悪いわ」

B「そこまで言うかね…」

A「バカなんはしょうがない。でも、バカ発言は当事者を傷つけることがあるってことを知らんやつらはアッパやろ」

B「君の発言も大概、人様傷つけてると思うで?」

A「俺が悪口言ってるアッパどもはどうせこんな長話聞かんし、聞いても傷つく感性持ってないやろ」

B「傷つくなぁ…」

A「人様傷つけるかもしれんと自覚して言う分にはええらしいで?」

B「それも無茶苦茶な理屈やと思うけどな」

A「しかし、バカにバカっていう人間がおらんと、世の中増々バカだらけやで?」

B「バカにバカって言ってもバカは治らんと思うけどな」

A「その言いぐさも酷いし、救いがないな(笑)」

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