「まずやってみる」周りの言葉を後押しに、移住した場所でボールペン画を描き続ける

2023年7月11日 13:22

白川町でボールペン画を描く活動をする蓬田菜々美（よもぎだななみ）さん。

2019年にはネットに投稿したボールペン画をきっかけに、台湾の展示会で特別賞*を受賞。オーストラリアでは個展を開催し、展示した20点以上の作品ほとんどすべてが来場者に購入されました。

＊ART TAIWAN & JAPAN in Kaohsiung April 2019 という展示会にて特別賞『Rising Star賞』を受賞

「すごい絵を描く人がいる！」という噂を聞きつけて、お話を伺ってきました！

ーー細やかで綺麗な作品ですね…！これはどんなふうに描くんでしょうか？

特に何も決めずに描き始めています。描きながら「ここにもうちょっと表現が欲しいな」って思ったら色をつけたり。
だからテーマがない絵もありますね。

ーー何も決めずにこれが作られるんですか！？

そうですね。時間がある時や、頭にパッと何か思いついたら描き始めていますね。

描き始めると、自分がこだわりたいところに集中して何も考えずに没頭してる感じが好きなんですよね。
細かいところを描くのが好きなんです、服のシワとか！

ーー服のシワ…

描いてるとどんどん楽しくなってきて、寝れなくなって朝まで描いてる時もあります(笑)

ーーすごい集中力ですね！！

文章を書かれるんだったら、そういうことってありませんか？

ーーすいません、無いです…眠くなったら寝ています…

描かない時はぜんぜん描かないですけどね。ただボールペンを手に取って、服のシワなんかを描いてると気持ちがハイになってきますね(笑)
だから何を描くにも服をいちばん最初に描くんですよ！

ーー服のシワでハイになる、という言葉は初めて聞きました(笑)きっとその没頭感やハイな気持ちが、蓬田さんが絵を描くうえで大切なんですね。

描いてる時の感情とか、何を想って描いてるのかとか、そういうのが一番大事なんだなって思います。
自分にとってはそれは没頭感とか、こだわりたい部分に集中していることだったりするんです。

ーー心の状態が、絵の出来映えに反映されていくんですね。

はい、結果よりも描く過程が大事だと思います。
誰かから「これを描いて」って言われて描いたものや、漫画やアニメの元からある絵を写した時は、出来栄えがあんまり良くならないんです。自分が描こうと思って描いている時と、気持ちの入り方が違うんです。

ーー絵を見るとその技術的なものに驚くことが多かったので、心の状態が大切というのは個人的に意外でした！

ーー現在のボールペン画の活動を始められたきっかけはあったんでしょうか？

そこにボールペンがあったから、ですかね？(笑)

ーーなんだかカッコいい…

元から絵を描くのは好きだったんですけど、高校生以降は他のことにハマっていたこともあってあんまり描かなかったんです。
でも20歳ぐらいの時、机の上にあったボールペンが目について、それでガリガリと描き始めていました(笑)

ーー描いてみたら、自分に合っていたということなんですね。

そうですね。絵具は片付けなんかもめんどくさいけど、ボールペンだと気軽に描くことができるので。今はボールペンで絵を描くことが自分の生活に溶け込んでいます。

ーーそこからオーストラリアでの個展開催や、台湾で特別賞を取るまでの作品が生まれていったんですね！

やっぱり自分の絵が売れたのは嬉しかったですね！

ーー白川町への移住のきっかけは友人からのお誘いだったと聞きました。不安などはなかったですか？

あんまりなかったですね。移住含め、なんでもまずはとりあえずやってみています。
その時の環境ややってみた時のフィーリングを感じないと、自分の気持ちって分からないんです。

なので、年齢を重ねるほど自分の「これやりたい！」が少なくなってきました(笑)それよりもまずはやってみることを大事にしています。

ーー絵と同じように、結果よりも「やってみてどう感じるか」という過程を大切にされているように感じます。

そうかもしれないです。
そうやってたどり着いた今の生活はかなり心地良いです。白川町のいろんなところを自転車で周って、写真を撮って自分の絵と合成する。
いつか白川町のパンフレットを作れたらな良いなって思います。

ーー楽しみです！蓬田さん、ありがとうございました！

取材執筆・撮影：澁谷尚樹
監修：白川町役場企画課
取材月：2023.5

【ヤゴーシラカワ】
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