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「今が一番しっくりくる」自分が惹かれるモノを通じた『接点』

蘇原地域出身で、今はアイサロンを営んでいる後藤 良枝(ごとう よしえ)さん。

美容の専門学校にいったあと、仕事が中々続かなかった時期。それを経て『しっくりくる自分の在り方』をみつけたストーリーをお聞きしました!

大仏パーマをつくる方法(!?)

——良枝さん宜しくお願いします。こちらはアイサロンということですが、明るくて落ち着いている雰囲気がいいですね~!

え、そう?ありがとうございます(笑)こじんまりしたとこですけど、くつろいでもらえるような空間になったらいいなと思って。

明るく落ち着いたサロン内の雰囲気

——随所に良枝さんのこだわりを感じるし、白川にアイサロンがあるなんて何か驚きです(笑)あと、ハンドメイドアクセサリーのデザインもどれも目を惹きます!

「こんなとこじゃ店やっても無理やろ」とか言われたこともあります(笑)でも1年半くらい経ちますが、何とかやってますね~。(取材は2022年7月)

——白川中心街でもないし、人通りがある場所でもないのに1年半やっていることがすごい。元から美容関係のお仕事を?

ぜんっぜん(笑)美容学校を出たけど、美容系の仕事をしているのはアイサロンが初めて*です。中学生の夢を書く文集には「カリスマ美容師」って書いたのに(笑)

*アイサロンの施術をするには『美容師免許』が必要

——最初は髪を切る方の美容師になりたかったんですね!でも結構前から具体的な夢が決まってる。

そう、昔お母さんと一緒に行ってたサロンの美容師のお姉さんがめっちゃくちゃ好きで、その人に憧れて(笑)

先生も推薦してくれたから美容学校に入るのはわりかしスムーズだったけど、入ってから「イメージと違う!」ってなったんですよね~。

美容学校時代の写真。みんなチャ…おしゃれ!!

——入ってからの試験がめっちゃ厳しかったとか?

「学校入れば髪切れるようになる」と思っていたんですが、違ったんです。

——え、違うんですか?!

はい(笑)国家資格のための勉強をするんですが、国家資格の試験内容って3つの技術試験のうちからどれか1つしか出ないんです。しかもどの技術も今ではあんまり使われてないものばっか…。

昔でいうと、おばちゃんの大仏パーマをつくる方法とか。ヨーロッパ貴族のような巻髪をつくる方法とか(笑)

——そうなんや…それは確かにあんまり使われなそう…(笑)

専門学校は楽しかったけど「美容師じゃなくてもいいかな」って思っちゃって。モヤっとしながらハードな日々を過ごしてました。

でも授業の先生として来てくれていた会社さんの影響で、ブライダル科に進んでファッションショーのリーダーを任されたりして、楽しかったですけどね(笑)

——そこからハンドメイドアクセサリーにもつながるアパレル系に、気持ちが傾いていったんですね。

ファッションショーの時にパシャリ!完全にスタイリストのオーラ。


迷いが晴れた同級生からの一言

——では卒業後はアパレル系の会社に?

そうです、アジアン雑貨のお店に入りました。だから美容師免許は取っただけ(笑)でもそのお店で接客を憶えてすっごい楽しかった。

——今やっていることに繋がってますね!

サロンの一角には、全て手づくり一点物のアクセサリーが並ぶ

でも仕事がなかなか続かなかったんです。入ったお店が2つ連続でつぶれたり(笑)休みとれなさすぎて研修期間中に辞めたら、その後すぐつぶれたり(笑)

いや、何で採用した?!って感じでしたけど(笑)

——その通りすぎる(笑)

その後、施設や工場、飲食や内職もやりました。でもどれも続かんかった。何かしっくりこんくて。

でも20代前半は『みんなと一緒でないといけない』と思っていた時期があって、「すぐ辞める私はダメな奴なんや」と思ってました。まあ昔はそういう空気感もあったし。

——つらい…。周りの友達も長く仕事を続けている人が多かったとか?

そうですね、そんな周りの環境と比較しちゃってたのかも。そんな時に同級生に相談したんですが、その同級生が言ってくれた一言からそんな後ろ向きな思考が変わりました。

——どんな一言だったんですか?

えっと…

「おれは辞める勇気がないから働いとるだけや、自分に合う仕事を探せる人はすごいと思う」

って。

——うわ…。かっこよ…。

今まで「辞めちゃあかん!」っていう気持ちで仕事してたから、余計続かなかったんです。

同級生からの一言で「そうやな、自分に合う仕事なんてすぐ見つかるわけないよな」って思えるようになって、そっから生きやすくなったんです。

同級生の一言があったから

——『そうしなきゃ』と『自分の気持ち』のギャップから解放してくれた一言だったんだ…。

不思議なもので、そうゆう考えに変わると仕事も落ち着いてきたんですよね。


「今が一番しっくりくる」

——その後にサロンを始めたんですか?

いや、実家の会社で人手が足りんってことで25~26歳の時に白川に帰ってきてしばらくその仕事をしてました。

——そこから何故アイサロンを?

結婚してしばらく経って…。30歳になる頃に「美容師免許このまま一生つかわんのかな…?」ってふと思ったんです。

その頃マツエクが流行っていたから、友達からも「免許活かしてやってみたら?」って言われました。

——ついに美容師免許が日の目を見る時が…!

でもやるって簡単なことじゃないし、経営なんて全然わからんから避けてたんです。

…でもね、ふと

「やってみるか!」

ってなって、すぐ講習受けにいってサロンを建てるってなりました(笑)

——いやいや、急展開すぎる(笑)

おメメ周りのチェックもしてもらいました

ね(笑)

思い返すと美容学校出た友達の一言が影響してたかもしれないです。美容学校出た人達は最初の1~2年で辞めるのがほとんどなんですが、その友達は続けていて…

「ウチは母子家庭やったから美容師にならんっていう選択肢はなかった」って言ったんです。

——同級生の一言と同じで、それもまた…ささる…。

聞いたときはムっとなったけどね(笑)だからこそ、美容の仕事やったら没頭できるかもしれん!って思ったんです。

——ハンドメイドアクセサリーもその頃から?

いやもっと前から趣味でやってますね。別にアパレルのお店にいたとか関係なく、7.8年前に「何かつくろう!」って思い立って(笑)

——サロンと一緒で急!(笑)

何ていうか暇なのが嫌というか…テレビを集中して見ることが出来んタチで(笑)趣味でやりながら色んなマルシェ出たりするうちに、色んな人と知り合うことが出来ましたね。

サロンに入るとこのスペースがお出迎え

——完全に趣味の域こえてる(笑)マルシェ出店は大変じゃないですか?

うーん、そんなえらいとは思わんねぇ…。マルシェって対面で販売するじゃん?それが好き。

自分が好きなものとか、惹かれるものとか…そうゆうのを通じて人と接するというか。

——最初に働いたアジアン雑貨も、アイサロンもまさにそうですね。

そうゆうことなんだと思う。だから今が一番しっくりきてる。


ほどよい不便さが良い

——アイサロンの方の調子はどうですか?直球ですんません(笑)

でも開業してから赤字の月は無いですよ!

——え、まじですか!すご!!

プラス 1,000円の時も含めてね(笑)でもありがたいです。金山とか恵那とか…ハンドメイドマルシェで知り合った人達も来てくれるから。

——そうゆう意味でもハンドメイドとアイサロンはつながってますね。

ね。ハンドメイドやってなかったらアイサロンやろうって思わなかったかもしれない。

——あと、9月に白川町の三川ドームでマルシェを主催でやるんですよね?(取材は2022年7月)

三川ドームで開催されたマルシェ『AZAREA MARKET(アザレアマーケット)』の出店者のみんなで。町内外から30店舗近くのみなさんが!

そうです!ちなみに共同で主催する『て~る珈琲さん*』の照章さんもハンドメイドマルシェで出会いました。

*て~る珈琲さん:白北に工房がある珈琲屋さん
 ヤゴーの取材記事はこちら

自分でもマルシェやりたかったけど、どうしても行動に移せんくて。そんな話を知り合ったばかりの照章さんにしたら、すぐ「いつやりますか?」って連絡くれて!マルシェが出来るのはホント照章さんのお陰です!

——照章さん実行力すさまじいですよね(笑)ただ、マルシェのつながりは白川以外の地域の方が馴染みがあると思いますが、なぜ白川町に?

三川ドームが最適やと思ったからですね。室内やし駐車場あるし、靴脱がんでいいし…。あの場所は使わんともったないな~と思ったのもあります。

——確かに、マルシェとかのイベントにぴったり!

でもGoogleでまともに出てこんやん!(笑)しかもホントの名前『三川ドーム』じゃないし(笑)

——そうなんだ(笑)

なんとかしてほしいよね~(笑)

自分達がやるマルシェは場所もこだわってないし、主催も白川の人じゃなくていいと思うけど…なんだかんだどっちも白川になってる。それが一番やりやすいのかなと思う。

金山のマルシェとか下呂市の市長が来るくらい盛り上がってるけど、ゆうても白川より立地悪くて出来てるんだから。白川でも出来るかもなって。

——白川町ってすごく田舎のわりにアクセスは良い方ですよね。

『ほどよく不便』なのが白川の良さなのかも(笑)だってさ、ウーバーイーツとかあったらさ~、お金つかっちゃうしね~(笑)

——たしかに(笑)でもAmazonはしっかり届いてありがたい(笑)

ね!そう思うと便利すぎるなのも考えものかも(笑)

あと独身が目立ったりする雰囲気も変わったらいいと思いますね。
「結婚してなきゃだめ」とかさ、子供とかさ。まあ田舎だから多少感じるし。

——白川だけじゃないとはいえ、ゆるくなったらいいですね。そうゆうのもマルシェで色んな人の交流が増えれば変わっていくのかも…?

マルシェを良く思わない人もいると思うけど、ゆるやかに変わっていくといいよね。

——白川らしく変わっていけたらいいですね~。
次回のマルシェも楽しみです!(笑)良枝さんありがとうございました!

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取材執筆:纐纈 翼 @tsubabo_sakuraya
写真:榊間 歩 @ratatoskr_617
編集:宮澤 優輝@yuki_m_629

取材月:2022.07
※記事中の年月は取材当時のもの。