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日独伊三国同盟〜移動編①〜


今回、私は大学のゼミの先生の紹介でドイツにあるライプツィヒでスポーツ関係の講座を受けることになり、ついでに夢だったイタリア旅行に行くことに決めました。そのときの出来事をここに残しておこうと思います。


関空→上海

多少、不安はあったが特に大きなトラブルなく上海までたどり着くことができた。
ただ、関空の搭乗口で待っている時にアナウンスがあり、自分の名前が呼ばれた時は少々焦った。何かやらかしてしまったのではと一抹の不安を抱えながら搭乗カウンターに向かった。すると、新しい搭乗券を渡され、予め指定していた座席に座れなくなったとのこと。よくわからなかったが、飛行機に乗れないという最悪の事態を免れたので一安心した。
飛行機に乗り込むと中国人が周りに大勢いて、高校の修学旅行の時の機内ぐらいうるさかった。特に後ろに座ってる人の話し声がでかくて、突発性難聴になりそうだった。おそらく高校時代は運動部で声出し要員か応援団長だったのだろう。飛行機に乗ってテンションが上がってしまったのだろうが、大声を出すのはグラウンドか応援席だけにしてもらいたいものだ。
あと、中国語は怒っていないのに怒ってるように聞こえるのは何故なんだろうか。何を話しているか全くわからないが、なんとなく怒っている感じの語気で「え?なんかキレてる?」と思ったら急に笑い出したので「いや、情緒どないなっとんねん」と思わずツッコミそうになった。

上海→ミラノ

そんなこんなしているうちに上海に到着した。
飛行機から降りると雨が降っていたせいか少し肌寒かった。相変わらず周りにいる中国人は声も態度も大きかった。
そんなことはさておき、トランジットの手続きを早々に済ませ、あとはミラノ行きの便が出発するのを待つのみとなったのだが、この待ち時間がとにかく長かった。

徐々に奇妙な冒険

別のルートでドイツに向かっている友達(私と一緒に講座を受ける)がちょうど上海でトランジット待ちだったので、会いに行こうと思い、その友達と連絡を取り始めた。初めは行けそうな雰囲気が出ていて冒険心に満ち溢れていた。ターミナルが違うことは最初からわかっていたのだが、搭乗口の番号を聞いて、その番号に通じそうな通路に向かった。電車の駅があり、そこの係員にここに友達がいるので行けますか?と尋ねると行けるよーと答えたのでさらに期待感は高まった。意気揚々と電車に乗り降りてみると、教えてもらった搭乗口の番号がありそこに通じるエスカレータに乗ってみた。友達がいるであろう場所に到着し、そのことを連絡したのだが、待てど暮らせど出会うことができない。同じ階にいるはずなのに。マップをよく観察し見比べてみると少し違うことに気づく。インフォメーションカウンターの人に尋ねてみると、そっちには行けないよの一言。希望が絶望に変わる瞬間だった。そうして奇跡の再会を果たすことなく自分の搭乗口へと戻るのであった。
しかし、ここからも大変だった。来た道を戻ればたどり着くと思うだろうが、ここは上海。日本の常識など通じない。上がってきたエスカレータに下りは用意されていない。つまり、戻ることができないのである。
なんとか空港内マップを手に入れそれを頼りに大冒険が始まった。しかし、わからない。出口がどこか。歩き回ること10分。なんとかエレベーターを見つけ、そこにある案内に自分の搭乗口の番号があることを発見する。ただ、これも一筋縄では行かない。エレベーターに乗って、もし間違っていた場合、戻ってこれるかはわからない。なんてったってここは上海。そう上海迷宮なのだから。私は勇気を振り絞ってエレベーターに乗った。エレベーターから降りると係員がいて、その人に自分の搭乗口のところに行けますか?と恐る恐る尋ねる。彼の答えはイェスだった。
ほっとしたのも束の間、電車に乗ったのは良いものの、本当にたどり着くのかはわからない。電車に揺られると共に心も揺さぶられていた。電車が到着。恐れながらも案内板を見ると戻れそうな雰囲気が。エスカレータに乗りなんとか元の場所に戻ってくることができた。上海迷宮を攻略したのだった。こうして、上海迷宮大冒険編は幕を閉じたのである。
そんな茶番もありつつ、お腹も空いてきたので晩ご飯を食べようとレストランに入る。

上海レストラン編

レストランに入るとメニューを渡されるが、メニューからどんなものかわからなかったので、とりあえず、seafood noodleと書いてあるものを頼んでみた。飲み物はいるか、と聞かれたので、コーラを頼み料理が出されるのを待った。しかし、しばらくしても料理が出てこない。私より後に店に入った人には料理が出されているのに、私が頼んだ料理はなかなか出てこない。ただ、別に急いでいるわけでもなかったのでゆっくり待っていたら、店員さんが、注文が通ってなかったみたいで待たせて申し訳ない、と言ってコーラを持ってやってきた。それからしばらくすると料理が届いた。
料理は seafood noodle というだけあって、魚と麺が入っていたのだが、これが想像以上に辛かった。コーラで辛さを誤魔化しながら何とか食べ切ることができた。コーラを頼んでいてよかったなと思った。コーラに助けられた初めての経験だった。
そうして食べ終わってお会計をするときに、店員さんが、さっき待たせて申し訳なかったからコーラのお金はいらないよ、と言ってきた。中国人もなかなか捨てたもんじゃないなと思った。


そこから3、4時間ほど待ってミラノ行きの飛行機に乗り込み、ヨーロッパの地へ足を踏み入れるのであった。

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