デザイナーの学びの場「デザイナーズコミューン」でやっていること
デザイナーズコミューンとは?
セブンデックスのデザインDivは、隔週1時間で「デザイナーズコミューン」を開催しています。デザインDivのメンバーが持ち回りでオーナーとなる、勉強会よりも自由でライトな形の“学びの場”です。1時間の設計はオーナーに任されており、メンバーそれぞれの興味関心事やイシューなどがテーマに設定され、ワークショップやディスカッションを行っています。
コミューンのあり方
始動後半年ほどで、コミューンの“あり方”を考え直した上で一度リニューアルをしています。
当初は成果物の報告・フィードバック会やスキルを高めるための情報共有などを行っていましたが、それらは“実務の中で得ようとすれば得られる”情報。わざわざデザインDivのメンバー全員の予定を合わせて同じ場所に集まるわけなので「より意義が大きく、長期的に見てデザイナーの成長に寄与し、実務でクイックに理解・習得することの難しい抽象度の高い事柄」を主な題材として扱うことにしました。
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過去に行ったワークの紹介
セブンデックスのデザインDivは、メンバーのバックグラウンドが多様であることが特長です。その中で、筆者は美術大学出身のビジュアルデザイン領域を得意とするデザイナーです。
今回は、ビジュアルデザインを制作する際の思考プロセスや作業中に考えていること・気付きなどを落とし込んだ過去の出題ワークを2つご紹介します。
1️⃣ デザイン見て考えたこと頭から垂れ流しワーク
「他者と思考に差分があることに気づく」ためのワーク。デザイナーはより多角的な視点や広い視野を持ったほうが良いと考えていますが、なかなか持とうとして持てるものではないと考えています。
そこで、まずはものを見る際に他者が自分とは異なる着眼点を持っていることを改めて実感することから始めてみよう、というアイデアをワークにしてみました。
見てもらったポスターは、かのマスターピース・亀倉雄策による「1964年東京オリンピックポスター 第2号 陸上」です。(検索してください)
モデルの表情どうなってんの?
モデルの人種が気になった
文字詰めの美しさ
日の丸と五輪シンボルマークの位置関係が気になった
などなど、人によって見る順番やよく見る箇所が異なり、自分の思考のクセを実感したり、他者にあって自分には無い着眼ポイントがある、という気付きを得られました。
2️⃣ 音楽を即興でビジュアル化してみるワーク
曲を流し、着想したイメージを即興で1枚のグラフィックに起こすワーク。発表後に全員でミュージックビデオを見てみるオマケ付きです。
質は二の次に、とにかく音から浮かんだイメージを形にすることを心掛けてもらいました。また、いずれの曲も回答側に曲及びミュージックビデオを視聴済みのメンバーはいませんでした。
課題曲と結果は以下のとおり。
Track 1 - Star Guitar (The Chemical Brothers)
Track 2 - Bubble Gum (New Jeans)
Track 1は、ハードなハウスビートに、浮遊感のある曲調が特徴の曲。低音の重さが色で、ビートの連続性や浮遊感が連なるオブジェクトや曲線で表現されているように見受けます。
一方、Track 2はいわゆるシティポップ風のディスコビートに、淡くてウィスパーなボーカルが特徴の曲。Track 1と比較すると明らかに明度も彩度も高い色が選ばれています。円形のオブジェクトも多く使用されています。
頭でよく考えがち(良くも悪くも)なメンバーが多いと感じていたので、直感のままに形にしてみてしまうことの面白みや、それでしか得られないアイデアがあることに気付いて貰えたらいいな、と思って考案したワークでした。
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おわりに
開始から既に1年ほど(2024年11月時点)経ちリニューアル後の回数もすでに20を超えており、なかなか定着しない施策の多い中、モチベーション維持に成功している取り組みです。業務遂行の質を上げることが目的ですが、チームメンバー同士の相互理解や関係性構築の時間にもなっています。
今後もデザインDivの成長に向けてアップデートし続けていく所存です!
セブンデックスにご興味がある方は、ぜひカジュアル面談にもお申し込みください。