ライブ・ポーカー・ゲームに勝つための8つの戦術
(翻訳元記事)
ライブ・ポーカーはオンライン・ポーカーよりはるかにソフトであることは周知の事実である。
オンラインポーカーで成功しているプレイヤーのほとんどは、ライブポーカーに転向して、最初から安定した勝率で勝つことができる。
同じことがライブで成功したプレイヤーにも言えるわけではない。
しかしライブポーカーで最も高い勝率を上げるプレイヤー、つまりライブポーカーを本当につぶすプレイヤーは、圧倒的にライブポーカーのスペシャリストである。
その理由はいくつもあるが、ひとつだけ際立っている。
それは、多くのライブプレイヤーが使っているストラテジーが極めて稚拙であるため、エクスプロイトされる機会が多いということだ。
つまり、ライブポーカーで相手を潰すには、ライブプレイヤーによく見られるリークを見極めて攻撃する必要があるのだ。
オンラインゲームと同じように、ゲーム理論を深く理解することは財産であるが、バランスの取れたプレイはしばしばエクスプロイト戦術の後塵を拝することになる。
この記事の戦術は、ソフトで大きなフィールドのトーナメント(ライブやオンライン)や、ローステークスのオンラインキャッシュゲームでも非常に効果的である。
以下に、ライブポーカーの対戦相手のゲームに潜む多くのリークを利用するための8つの戦術をご紹介します。
戦術1. 相手の4ベットに対してタイトにプレイすること
ライブプレイヤーはプリフロップの3ベットと4ベットのレンジのバランスが悪く、バリューハンドに偏りがちである。
このようなレイズに対するリニアな見方、つまり、プレイヤーは良いハンドでのみオープンレイズし、素晴らしいハンドで3ベットし、プレミアムハンドで4ベットするという考え方は一般的であり、対策は非常に簡単である。
オンラインでは4ベットに対して必須のコールとなるハンドも、ライブではフォールドされることがよくある。
例えば、JJやTT、AQのような強いスーテッドブロードウェイもそうだ。
これらのハンドはAA、KK、AKのレンジ(ライブでは非常にタイトなプレイヤーの典型的な4ベットのレンジ)に対してひどいパフォーマンスを示す。
QQやAKのような強い手を4ベットでフォールドするのは、特に平均的な4ベットサイズが提供する比較的良いポットオッズを考えると、一般的には避けるべきである。
しかし、こんなことを書くのは心苦しいが、4ベットに対してQQやAKをマックに入れるべき場合もある。
AAとKKだけの4ベットレンジに対して、QQとAKを続けるのは大きな間違いである。
エクイティの内訳を見てみよう。
プリフロップでこのような手をフォールドするのは痛いことだが、このようなフォールドをすることで相手をエクスプロイトしていることを忘れないでほしい。
相手がAAを持っていて、あなたがQQを持っているとき、相手はあなたのスタックを獲得することになっている。
もしあなたが正しくフォールドできれば、相手のウィンレートは著しく下がる一方で、あなたのウィンレートは上がることになる。
ただし、4ベットに対して強いハンドを全てフォールドするようなやり過ぎは禁物だ。
常にテーブルのプレイヤーやアクションに注意を払い、対戦相手の傾向に応じて戦略をアジャストしよう。
あとから4ベットのレンジが広いと分かったプレイヤーに対してQQをフォールドすることは大失敗であり、あなたは馬鹿らしく感じるだろう。
戦術2. 3ベットレンジを広げる
ライブプレイヤーのタイトな4ベット傾向を利用する方法が一つある。
それは3ベットを増やすことだ。
相手がKK+とAKしか4ベットしてこない(=ほぼ4ベットが返ってこない)なら、プリフロップでポットから追い出されるリスクをほとんど負わずに3ベットすることができる。
このダイナミックさにより、あなたの3ベットレンジはより多くのエクイティを実現し、より収益性の高いものとなる。
この戦術のポジティブな影響は、多くのライブプレイヤーが3ベットのレンジをどのように認識しているかによってさらに大きくなる。
カジノではプリフロッププレイは一般的に受動的である。
多くのプレイヤーはワイドな3ベットレンジに対するプレイに慣れておらず、結果としてオーバーフォールドしてしまう。
3ベットレンジを広げる最も効果的な方法は、その場で通常自分のコーリングレンジのトップに来るようなハンドを加えることである。
例えば、3bbのカットオフのレイズに対するボタンからの通常の3ベットのレンジは以下のようになる。
それを次のように変更する。
強いがプレミアムではない手札で4ベットされたくない手札(99、QJs、87sなど)は、それほど恐れることなく3ベットできる。
このアグレッシブな3ベット戦略により、相手は次のハンドでレイズレンジを狭める可能性があり、こちらがレイズする機会が増える。
ただし戦術1と同様、このアドバイスを適用する前に、プレイヤーの傾向やスタックの深さなど、関連する要素を考慮することが肝要である。
例えば、ローステークスのライブゲームでは、レクリエーションプレイヤーは最低額でバイインすることが多い。
つまり、後ろにショッブできるショートスタックがたくさんいるときに幅広いハンドで3ベットすることは不利益になるので注意すべきだ。
戦術3. マルチウェイのフロップで小さいCベットサイズを使う
ライブプレイヤーの傾向を利用するもう一つの方法は、特にマルチウェイポットで小さいCベットサイズを使うことである。
この戦術には、いくつかのよくあるリークを同時に利用できるという利点がある。
1. ライブのポーカーゲームでは、チェックレイズは比較的頻繁に起こらない
通常はパッシブなプレイが多いので、あなたのCベットがレイズされる可能性は低くなる(戦術2の4ベットの頻度の低さを利用するために3ベットを多くする理由と同じ)。
これにより、より多くのエクイティを実現すると同時に、相手のハンドのエクイティを否定することができる。
2. ライブプレイヤーがしばしばオーバーフォールドする後のストリートで、より効果的にバレルをすることができる
小さなフロップCベットは、SPRを、フォールドエクイティを生み出すサイズで3ストリートをバレルできるサイズに保つ。
ライブポーカーのプレイヤーの中には、大きなフロップCベットのサイジングを使い、ターンとリバーで問題のあるベット状況に陥る人がいる。
例を次に挙げよう。
$1/$2 9ハンデッド。ES:200ドル。
ヒーローはミドルポジションでJ♠ T♠。
ヒーローは$10にレイズ。
カットオフコール。
ボタンコール。
BBコール。
フロップ (ポット: $41) 9♠ 7♣ 2♦
BBチェック。
ヒーローは$35をベット。
ボタンのみコール。
ターン (Pot: $111) 4♠
ヒーローは?
このハンドを$200でスタートし、フロップでポットの~80%をCベットしたことで、ヒーローのバックスタックは$155となっている。
このスタックの浅さは少し厄介である。
ヒーローはターンで小さくベットしてリバーショッブを仕掛けることもできるが、それではターンのフォールドはあまり生まれない。
また、ターンでオーバーベットショブをすることもできるが、そうすると強い手を持っているときにバリューを逃してしまう可能性が高い。
では、ヒーローがフロップで$15(37%ポット)の小さいCベットを使ったとしよう。
この小さなサイズによって追加のコールを誘ったとしても、Heroは$71のポットを2.5のSPRでターンを迎えることになる。
このスタックの深さであれば、ヒーローは自分のレンジをより自由に操ることができ、ターンとリバーで自分のフォールド・エクイティをより均等に広げることができる。
小さなフロップのCベット後のトリプルバレルの有効性が増すのは、小さなサイジングが使われたときのレンジの相互作用の仕方によってさらに複雑になる。
小さなサイジングが使われた場合、コンティニューレンジは広くなり、したがって後のストリートでは弱くなる(フォールドする可能性が高くなる)。
言い換えれば、フロップでスモールサイズを使えば、比較的弱いレンジに高いSPRでトリプルバレルすることになるので、各ストリートでフォールドエクイティを最大化することができる。
戦術4. レイトポジションの緩いレイズに対してブラインドからアグレッシブにプレイする
ライブプレイヤーの中には、レイトポジションからあまりにも緩いレンジでレイズする者がいる。
このようなプレイヤーには、3ベット、Cベット、そしてブラインドからの積極的なレイズが有効である。
SPRが低いほど有利な中程度のポケットペアは、スーテッドコネクターやスーテッドブロードウェイなどの基本的な3ベットレンジと混ぜて、レイトポジションからのオープンに対して3ベットに回すことができる。
3ベットがコールされたら、フロップでCベットする準備をしておくこと。
多くのライブプレイヤーはフロップで "フィットorフォールド "のアプローチをとり、特にビッグポットやポテンシャルビッグポットでは、何かヒットしたときのみ続行する。
エースハイのボードは、あなたのレンジの認識からすると、特に儲かるCベットスポットであり、特に弱いプレイヤーはそのようなボードではコール/フォールドのレンジが弾力的でないからである。
(非弾力的というのは、エースやドローを持っていないプレイヤーはベットの大きさに関係なくフォールドするという意味である。)
これは戦術3で説明したスモールフロップCベット戦略と相性が良い。
弱いライブプレイヤーはスモールベットに対して十分な頻度でコールしないので、このような3ベットポットでは驚くほどのフォールドエクイティを生み出すことができる。
戦術5. より高い頻度でフロップでチェックレイズする
経験の浅いプレイヤーは、フロップでのチェックレンジの強さや、レイズに対するハンドレンジの広さを気にしない。
このような頻繁にCベットをするプレイヤーは、ライブポーカーゲームの定番である。
少しでもボードとフィットば、彼らは(たとえそうすることにあまり意味がなくても)ベットする。
アグレッシブなチェックレイズ戦略は、後のストリートで頻繁にベットすることを意図しており、このような経験の浅いプレイヤーはほとんどのレンジでどうしようもなく厳しい状況に追い込まれることになる。
戦術6. フロップでの弱いチェックレンジをエクスプロイトする
経験の浅いプレイヤーの多くは、フロップでのチェックレンジに強いハンドを入れないので自分のチェックレンジを守れなくなる。
そのようなプレイヤーがフロップをチェックした時に積極的にベットすることで、そのプレイヤーを効果的にエクスプロイトすることができる。
この戦術は、Cベットをミスしたプレイヤーに対してのみ有効なわけではない。
プリフロップでレイズしたプレイヤーがCベットをミスした後にチェックしたプレイヤーに対しても有効である。
例えば次のケースだ。
ヒーローはボタンで2♠ 2♦が配られる。
ミドルポジション(MP)は$10にレイズ。
ハイジャック (HJ) コール。
ヒーローコール。
フロップ ($33) Q♠ 5♦ 4♣
MPチェック。
HJはチェック。
ヒーローは?
このようなシングルレイズのポットでは、経験の浅いMPやHJのライブプレイヤーは、Qxのハンドを100%の頻度でベットすることが多い。
これとは対照的に、レンジプロテクションを重視する強いプレイヤーは、フロップで弱いQxハンドをチェックするかもしれない。
2♠ 2♦のようなハンドを含め、このスポットで高い頻度でベットやバレルをすることで、経験の浅いプレイヤーをエクスプロイトすることができる。
戦術7. 強いベットの後のチェック・レンジには十分注意すること
プリフロップでレイズし、フロップでベットした後、多くのライブプレイヤーはターンやリバーでチェックする。
言い換えれば、強い手札を持っているときは不必要なほど慎重になるのである。
例えば、次のような場合である。
ライブポーカーの$2/$5。ES:$600
ヒーローはK♠ T♠をボタンで配られる。
ヒーローは$15にレイズ。
SBは$65に3ベット。
ヒーローコール。
フロップ ($135): Q♦ 9♠ 4♣
SBは$80をベット。
ヒーローコール。
ターン($295): 7♣
SBがチェック。
ヒーローは?
SBがAQのような強いバリューハンドをチェックするとは思わないだろうが、多くのライ ブプレイヤーはチェックする。
フロップのチェックレンジと同じ方法では、このようなターン/リバーのチェックレンジをエクスプロイトできないことに注意することが重要である。
そうしなければ、驚くほど強いハンドにスナップコールされるかもしれない。
戦術8. リバーでのアグレッションに対してはオーバーフォールドする
ライブポーカープレイヤーはリバーでアンダーブラフをする傾向が強い。
これはリバーでのレイズについてさらに言えることで、ポットオッズが良い場合でも、リバーでのアグレッシブなアクションに対してコールしている場合のEVは、大多数のライブゲームでは大きなマイナスとなっている。
もちろん、リバーでどんな大きさのベットに対しても、自分の全レンジをフォールドすれば良いというわけではありません。
自分で観察した傾向に基づいて判断し、それに対抗するように戦略を調整しよう。