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僕が他人に本を貸さなくなった理由
僕が本を読むようになったのは20代後半のころ。KAYACという会社にいたころ社内で成長するには読書がよいという風潮がうまれ、年間100冊近く読む時期もあった。
組織の中での立ち位置の変化に対する不安もあり、自分でも職能に関係のないいろんな分野の本を読み漁ったし、会社や社長や同僚と貸し借りして読んだものもある。KAYACは「他人に乗っかる」文化があるのでそれも手伝ってわりと素直にいろんなものに触れて、それは今の自分にとっても良い経験になっている。
そうやっていろんな人と本を介した意見交換をしてきたが、不思議なもので、同じ本でも人によって読み取り方が全然違う。
ディレクターにマネジメントの本を渡して、プロジェクトメンバー側の苦悩を知ってほしかったのに「マネージャーはこのくらいザックリがいいんだって気づいたよ!」とか言われたりする。笑う。
自分にしたって、勧められて読んだけまったくピンとこない本もたくさんあったし、きっと貸した側の期待とは全然違うところに響いていたことも実際にはあったのだと思う。
いま思えば当たり前で、その人にはその人の立場で別の悩みや課題がある。愛sての問題だと思っているのは、実は相手をコントロールしようとしてる自分の側の問題である。当時は今よりも未熟なのでそのことに気づけなかったのだな、と思う。
もし誰か悩んでいたら、きっかけとして本を勧めことはするけど、何か変化を期待して貸すことは無いと思う。
一方で、「他人に乗っかる」ことは改めてよい姿勢だと思っていて、勧められたら騙されたと思ってとりあえず読んでみるといいと思う。つまらなかったら止めるのも自由だし、あとで思い出したら再開すればいい。
読書なんて、そんなもんでいいと思っている。
あと同じ本を読んだときに受け取り方がどう違うのか話すのは楽しい。貸さないけど勧めあっていける友達を増やしたい。
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