
描きたいものがなかった私が、ペットアートにのめり込んだ理由。
「絵を描くことが好きなのに、描きたいものがない」
幼い頃からずっと、
そんな悩みを抱えていました。
絵を描くこと自体は好きなのに、
何を描けばいいのかが分からなかったんですよね。
何か描きたい。
でも、何も頭の中に浮かんで来ない…。
周りの友人たちが自由に絵を生み出しているのに、
私はペンを握った手を動かすことができない。
「何か描かなきゃ」
そんな思いで、
とりあえず目の前にある筆箱を描いてみたり、
漫画のキャラクターを模写してみたり、
友人が描いているものと同じものを描いてみたり…。
模写をしたり、
設計図やお題があるものなら
完成度高く仕上げることができるのに、
「自由に描こう!」
というシチュエーションでは、
全くダメだったんです。
「なぜ自分には描きたいものがないんだろう?」
成長するにつれて、
その焦りや不安は大きくなっていきました。
「描きたいものがないなんて、
絵師として致命的な欠陥ではないだろうか。」
「絵の才能なんて、自分にはないんだろうな。」
そんなふうに思い込むようになり、
気づけば絵を描くことを遠ざけていました。
でも。
今、こうしてペットアートを描くようになって、
ふと気づいたことがあります。
それは、ずっと自分の欠点だと思っていた
「描きたいものがない」ということが、
ペットアートにおいては、むしろ、
大きな強みになっているのではないか?
ということです。
なぜなら、「描きたいものがない」ということは、
私自身の“我”が存在しないということだから。
私の描く作品には、
私の主張や個性を詰め込む必要がありません。
私はただ、
ご依頼主様の“愛するペット”を
ありのままに描くことに全力を注げるのです。
描きたいものを自由に表現するのではなく、
「誰かの大切な存在を、
その人の心にある姿のまま描き出すこと」
私の役割は、絵を通して
“ご依頼主様とペットの心をつなぐ橋渡し”
をすることなのだと。
これに気付いたのは、
お客様に
「あなたの絵は素直な絵だね」
と声をかけていただいたのが
キッカケでした。
当時、まだネガティブ思考だった私は
「素直な絵って、特徴がない。
個性が無いってことじゃん!! ガーン…」
なんて考えていたのですが(笑)。
でも、物事を前向きに
捉えられるようになってからは、
「ちょっと待てよ……
これ、最高の強みじゃない?」
と思えるようになって。
絵を描くことが好きなのに、描きたいものがない。
絵描きを目指すものとして致命的な欠陥だと
長年抱えてきたコンプレックスが、
強みに変わる瞬間でした。
ペットイラストを初めて描いた日から、
4年が過ぎました。
お恥ずかしい話ですが、
社会人になって就いた職業の中では
「ペットアート作家」が一番長い職業となっています…!
まだまだこの活動を続けたいと思うし、
私はもっと伸びるという確信もあります。
私の性質を最大限引き出してくれる
ペットアートを通して、
ご家族と“うちの子”との
かけがえのない絆を描き続けていきたい。
この想いはずっと持ち続けていきたいです。
私だからこそ描ける作品を、
これからも心を込めて届けていきます⋆*