2024/11/2 《桜坂劇場編、映画祭初日!》
✴︎金壺食堂
いよいよ沖縄編、映画祭初日です。
この日は朝から依子さんお勧めの台湾精進料理『金壺食堂』へ。
台湾のベジタリアン料理がビュッフェ形式になっており、依子さん御用達のお店だけあって一品一品ほんっとうに美味しく、正直東京に戻った今でも毎朝忘れられないほど…。
壁にさりげなく飾られる数々の著名人のサインの中に我らが〈洞口依子〉の名前も。
依子さんは初日から最終日まで、私たちスタッフに沢山の美味しいものをご馳走して下さる中で、ご自身は食事もままならないような毎日でした。
そんな中で『金壺食堂』の店主は、挨拶に顔を出した依子さんにそっと名物〈ちまき〉を渡してくださると。
この〈ちまき〉がまた、とっても美味しいのです…!
私たちも金壺食堂の大ファンになりました。次回来沖の際もかならず伺います。
✴︎桜坂劇場
金壺食堂から歩いて3分ほどで、『桜坂劇場』に到着。
初日なので少し早めに集合。司会の平良竜次さんや、全日会計を担当して下さったりえさん、皆様のご協力のもと物販等の準備を整え、いよいよ映画祭の幕が開きます。
《洞口依子映画祭パート2 〜桜坂劇場編〜 初日》
✴︎一本目「パイナップル・ツアーズ」1992年製作/118分
琉球大学映画研究出身のお三方が監督を務めた3話構成のオムニバス式作品。
(真喜屋力監督作「麗子おばさん」、中江裕司監督作「春子とヒデヨシ」、當間早志監督作「爆弾小僧」)
依子さんは當間監督の「爆弾小僧」に主要キャストとして出演されています。
3話とも土着的な当時のパッションと映画愛に溢れていて素晴らしかった。
前日のツイキャスで當間監督がさりげなく話されたエピソードの中で、「洞口依子に依頼する以前、あの役はジム・ジャームッシュにダメもとで依頼していた」と仰せに。
なるほど、3話目の「爆弾小僧」での依子さんはまるでジム・ジャームッシュ「ナイト・オン・ザ・プラネット」(同様にオムニバス映画)のジーナ・ローランズさながら!と頷いていたのですが、製作年は一年しか変わらないのですね。どんなに映画が輝いていた時代だったのだろうと、勝手に妄想を膨らませ興奮しました。
✴︎二本目「探偵事務所5 マクガフィン 劇場版」2006年製作/58分
こちらも當間早志監督作品。2004年2月に広汎子宮全摘手術を受けた洞口依子さんに、敢えて〈臨月に近い妊婦〉の配役をした挑戦作。
沖縄の本土復帰、依子さん演じる成子の再生に、洞口依子ご本人の再生が強く紐づけられているように思い、當間監督から洞口依子への深い信頼と愛情を感じずにはいられない。
上映後の監督と依子さんのトークでは、依子さんが思わず涙を流す場面もあり、私(1993年生まれ、31歳)は当時の状況を完全には分かり得ないけれど、その涙の意味、そして當間監督の深い愛情に想いを巡らせた。なんとも、言葉に代え難い時間でした。
時間は順調に進み、余韻に浸りたいところですが頭を切り替え、10分間は物販へと戻ります。そして三本目の上映へ。
✴︎三本目「夏の妹」1972年製作/96分
大島渚監督作品。今回の映画祭で唯一、依子さんご本人が出演していない作品です。
こちらも本土復帰して間もない沖縄を舞台にした作品。
私と藤本はこの日が初見でした。ありがたい…。
三世代それぞれに交錯する様がお見事で、さすが!の一言。今見てもむしろ新鮮で飽きさせない巧みな演出がとても面白く、舌を巻いた。
✴︎✴︎✴︎
こうして初日の上映が無事終了し、笑顔で物販を購入してくださる沖縄県民の方々、私たちにもツイキャスみたよ〜とのお声掛けも沢山頂き、あったけえ時間を体験しました。
沖縄の方々に愛される依子さんの人柄を間近で感じられ、共に過ごす時間の中での会話や姿勢、生き方を知るほどに、依子さんの人としての強さに感銘を受けます。
この日の夜は、沖縄スタッフの皆様と一風変わったお店でとても美味しい餃子をいただきました。
東京から来た得体の知れない若造二人を暖かく迎え入れて下さり、感謝です。
この日上映した内の2作品を監督した當間監督には、裏話なんかを聞けたりして楽しかった。
美味しかった〜!!
大スタアがたった一人で開催まで進行した前代未聞の映画祭パート2。
あったかい土地であったかい人々に囲まれる依子さんはとてもチャーミングで。
いつかスクリーンで目撃した19歳のあの少女の40年後に巡り合わせ、よりいっそう輝く姿を傍で見ることができるなんて幸運だなあと感じたのでした。
続く…
愛美子