観光経済学のミクロとマクロ ~とても基本的なこと~
こんにちは~ ゼミ生2年の梁瀬です。
最近はGoto トラベルについてのニュースをよく見かけますが、観光業はコロナで大打撃を受けていてほんとに大変そうですよね…(;_:) 皆さんも予防対策をしっかりとして十分に気を付けて旅行を楽しんでもらいたいです。
前置きが長くなりましたが、今回は観光業の経済ってどうなっているんだろう…? ということで、観光業の経済の仕組みを理解するミクロ経済学とマクロ経済学の理解の仕方の違い(基礎中の基礎)を簡単に紹介したいと思います。
ミクロ経済学の基礎中の基礎
まず、観光をミクロ経済学的視点から捉えると、経済主体は観光財サービスを需要する「観光者」と観光財サービスを供給する「観光企業」から構成されます。
需要者である観光者は、自分の所得と決められた価格をみて、最大限満足できるように観光財サービスを購入します。
一方で、供給者である観光企業は、価格は決められたものとして、自分達の利潤が最大になるように観光財サービスを生産します。
そして、需要者(観光者)と供給者(観光企業)の取引の場を市場と言います。そして、観光者の需給と観光企業の供給の一致するところで、「取引の数」と「価格」が決定されるという考え方です。
観光需要
従来の経済学では観光需要は2つの領域から考察されてきました。
1つ目は観光を余暇の一部と捉え、観光需要を時間的概念で定式化するものです。この定式化は余暇経済学や労働経済学の分野で広く取り扱われてきたものであり、余暇を観光と置き換えることで定式化しています。
2つ目は観光を観光財サービスに対する需要と考え、観光財サービスを複合的な財サービスの組み合わせと想定して観光需要を定式化するものです。しかしこのような定式化は観光財サービスとしての特性が明確に示されておらず、観光需要の実証的研究の進展には繋がっていません。
観光供給
次に観光供給の定式化についてです。
従来のミクロ経済学の枠組みでは一企業一生産物が前提となっています。
しかし、観光財サービスは多様な生産者(卸売り・小売業、金融・保険業、運輸・通信業、サービス業、etc)によって複合的に供給される生産物であり、様々な業種の生産活動を通じて一つの観光財サービスとして市場に供給されます。
また、生産において用いられる資源は、市場で取引される財サービス(経済財)だけでなく、自然や景観などの市場で取引できない財サービス(自由財)から構成されています。
その為、従来のミクロ経済学の枠組みでは定式化が困難になります。
観光経済学として精緻化していくためには、観光企業に対する実証的研究の進展が求められると同時に、経済学理論を包括的に取り込むことが必要とされます。
マクロ経済学の基礎中の基礎
次に、観光をマクロ経済学的に考察すると、国民経済、国際経済、地域経済の大きく3つの領域からなるそうです。
国民経済の領域では、経済成長モデルや乗数理論を用いて、観光の有効性を説明したり、各種の経済モデルを観光に適用した研究が行われているようです。
国際経済の領域では、国際旅行の需要を計測する実証分析や国際観光についての研究をするようです。
地域経済の領域では、都道府県別の観光消費額調査、観光統計データの整備、地域産業関連分析によるイベントやプロジェクトの経済波及効果の推計などを行って、地域の観光政策の策定に役立てられてきたそうです。
つまり、マクロ経済学の視点では世界や国単位などより大きな観光に関する経済活動を分析し、政策に役立ててきたことがわかります。
終わりに
経済学が苦手なので、あまり難しい内容には触れられませんでした。ごめんなさい!
でも、こんな私でも、ミクロ経済学では、需要者(観光者)と供給者(観光企業)の個々の経済取引を分析すること、マクロ経済学では、国民経済、国際経済、地域経済といったより大きな全体の経済を分析するものであることがわかりました。
小難しい内容でしたが、最後までお読みいただきありがとうございます☺上記はゼミ生がグラフィックレコーディングにまとめてくれたものです。文字で読むよりわかりやすいですね^^
〈参考文献〉大橋昭一・橋本和也・遠藤英樹・神田孝治、『観光学ガイドブック 新しい知的領野への旅立ち』ナカニシヤ出版、2014年