#69『時計のはなし』Vol.1
小学生が取り組んだ課題(テーマ)学習から『時計』について何回かに分けて紹介してみたいと思います。
学習に際しての約束事等はここでは割愛させていただきます。
また、写真・図などの資料も省略させていただいています。
『日時計』
私たちは、機械式の時計が使われるようになる以前は、世界で最も多く使われていたのが『日時計』ではないかと考えて、『日時計』について調べることにしました。
大昔の人間が自然の中で生きていくうえで一日の区切りの中で最も大切にされていたのが、「夜明け」、「真昼=(正午)」、「日暮れ」だったそうです。そのなかから、およその時間を知る方法として、道具を使わなくてもできる「影」の利用が始まったそうです。それから、地面や板の上に棒を立てて、目盛をつけることを工夫して『日時計』が生まれたそうです。
紀元前1500年ころ、エジプトでは、
・T字型の棒を水平の棒にたてに取り付けた持ち運びができる『日時計』が使われていました。
午前中は、T字型の棒のついているほうを東側にむけて影の長さを読み、午後は180°回転させて影が東側にできるようにして時間を読んでいました。
A君は、”これはすごい、今ならノーベル賞だ”といって感心していましたが、B子さんは、”でも日本のように夏と冬がある地域では正確かな?”という疑問もあり、3人で調べた結果、赤道直下の地域は太陽がほとんどいつも真上を通るため正確でも、赤道から離れるにしたがって誤差が生じるという結論になりました。
その後、調べが進むと色々な工夫がされていたことがわかりました。
今から2500年以上前の古代ギリシャでは、
・影をうける板の上に網目のような目盛を組み込んだもの。
・影を受ける面をおわんの内側のような形にしたもの。
・影を受ける面のおわんを半分に割ったもの。
などがあることがわかりました。
季節に関係なく、一つの目盛でほぼ正確な時刻を示す日時計が発明されたのは、紀元1世紀ころといわれているそうです。
・影をなげる棒(グノモン)を地球の自転軸の方向(=だいたい北極星の方向)に向けました。
太陽も星も季節に関係なく自転軸のまわりを24時間かけて一周しますから影は同じ時刻におなじ方向になげられます。これを水平な麺に受けて目盛をつければ一年中つかえることになります。正確には、住んでいる地域の緯度を調整する必要がありますが。
3人ともあまりにびっくりして声も出ませんでした。”古代の人すごい!!”
私たち3人は、実物をまだ見たことはありませんが、日本でも公園などに置かれているところもあるそうです。古い建築物が多く残るヨーロッパでは、公園だけでなく、教会や大きな建物に今も多く残っているそうです。機械式の時計がつくられるようになっても、初期の機械式時計は故障や精度が高くなかったため日時計は、庶民には欠かすことのできないものだったそうです。