Teamsで270人の研修をやるまでに準備したこと
この一年でどれだけオンラインで登壇しただろう?自主開催のセミナーなんかも含めれば100回くらいいっているかもしれません。
いまやオンラインでの研修なんて当たり前。でもさすがに270人ってのはじめてでした。しかもツールは使い慣れたZoomではなくてteams。
自分の気付きの整理も兼ねてteams270人研修に向けてやったこと、わかったことをなどを書いていきます。
270名のteams研修をやることになった経緯
今回研修をしたのは某メーカーの新入社員の方々に向けて。いわゆる新入社員研修です。コロナ禍でオンラインで新入社員200名以上が一斉に受けられる研修を探していたところ、私に声がかかったということです。
※ちなみに研修業界ではよくあることですが、私の会社(株式会社カイラボ)に直接問い合わせがあったわけではなく、間に入るベンダー企業さまかお声掛けいただきました。
当初から新入社員全員が一斉参加は条件でした。おそらく時間的、コスト的な制約もあったと思いますが、会社として「同期の一体感をつくりたい」という強い思いも感じました。朝礼などで多人数での(ほぼ一方通行ながらも)ミーティングは実施経験がある企業だったこともあると思います。
当初はZoomでの実施を提案し、一時はOKが降りそうになりましたが、結局セキュリティ等の問題からteamsでの実施になりました。
本題の前に、これまでの私のオンライン登壇経験
本題に入る前に、これまでの私のオンライン登壇経験をご紹介しておきます。2020年にコロナになってから、オンラインで登壇した研修は何十回とありますが、ほとんどがZoomです。
これまでの最高参加人数は約200名。ツールはZoomでブレイクアウトセッションありという研修がこれまでの最高記録。ただし、このときは2時間の登壇でした。
今回の270名はそれを上回る人数で研修時間も丸一日。そして何より、この人数でteamsでグループワークありの研修は私もはじめてです。なので、準備にあたっては様々な状況を想定しましたが、きっと想定できていないこともたくさんあるだろうなとビクビクしながらの準備でした。
準備でぶち当たった3つの問題
準備というか提案段階で問題になった問題は主に3つです。
1.一体感をどうやって醸成するのか?
2.受講者の参加感をどう高めるのか?
3.グループワークはできるのか?どうやるのか?
どれも同じようなことと言えば同じようなことですが、要するに「オンラインで多人数だからと言って、講師が一方的に話して終わり」みたいなのはNGという条件です。
実は、受注が決まったあとに先方から「先日グループワークをやってみたけど、うまく機能しなかったのでグループワークはなしても良い」と言われたのですが、私が「できます。やります。やった方が学びは深まります!」と言ってしまったという事情もありました。
それぞれの問題にどう対応したのかをご紹介していきます。
一体感をどう醸成するか問題
同期同士の一体感をオンラインでどう醸成するのか?
20名くらいの参加者なら、グループワークでグループ対抗のゲームを入れたり、自己紹介を交えたアイスブレイクを入れたりという方法が一般的だと思います。でも、今回は270名。おまけにメーカーさんのため、文系、理系、大卒(院卒)、高卒が混じっています。バックグラウンドが異なる方々が直接会ったこともなく、いきなりオンラインで話しをしろと言われても困惑するのは目に見えています。
しかも頼みのグループワークは通信トラブルなどの可能性が高くなるので一日の中でやれても2回まで。何をやるかも重要です。
結局は午前中のグループワークで自己紹介+共通点探しというよくあるワークを入れる&グループ対抗感を出すためにフリップを用意してフリップでチームごとに共通点の数字発表という形式をとりました。
このフリップ大作戦(勝手に命名)はお客様にも評判がよく、ベンダーさんからは「フリップ大作戦が提案通った要因の一つ」とも言われました。
受講者の参加感をどう高めるか問題
参加者の参加感を高めるにあたってもフリップ大作戦は効果を発揮しました。
270名も参加者がいれば、一人ひとりに目を配るのは不可能です。順番に指名して発言してもらっても全員に回るのは不可能です。研修はどうしたって、自分が見られている感がなければ参加意欲は下がります。
そこでフリップの登場です。
やったことは非常に単純です。
クイズを出してフリップにこたえを書いてもらい、全員に「せーの」でカメラに向けてもらうのです。270名が一斉にフリップオープンはなかなか壮観です(セキュリティの問題上、スクショがないのが本当に残念)。
「なんだそんなことか」と思われるかもしれませんが、クイズの出し方も結構難しいんです。細かい文字は画面で見えない可能性があるため、クイズはクローズドクエッションにするのが基本。そして、簡単すぎてもダメ。敢えて解釈によって「AもBもどっちもあり得る」と思われる塩梅が重要なんです。
実際に出したクイズのうち、一つがこちらです。
グループワークをどうするか問題
ある程度はフリップ大作戦で乗り切れましたが、最後に残ったのがグループワーク問題。
研修でZoomを推奨する理由はいくつかありますが、個人的に大きいのがZoomのブレイクアウトセッション機能の便利さ。最近ではteamsはじめ他のオンラインミーティングシステムでも実装されはじめてますが、やっぱりZoomが一番安定していると思います。ただし今回はteamsです。
結局、グループワークは事前にグループ分けをして、グループ毎にチャンネルを設定し、そこで会議を開いてもらう形式としました。
ここで注意したのが受講者用テキストへのワーク内容の記載。口頭で「これやってください」だけだと絶対にわからなくなるので、受講者用のテキストにけっこう丁寧にグループでやることを記載しました。
この点は当初、人事担当者の方もかなり気にされていた点です。打ち合わせの中でも「この前オンラインでグループワークをやったら全然うまくいかなかった。オンラインにグループワークは向かないのではないか?」という意見を言われたこともありました。私の答えは「ちゃんと準備すれば大丈夫です」だったわけですが、270名が相手なので正直、不安でした。
そしてグループワークにあたっては会場の違いも苦労しました。基本的には自宅から一人で参加なのですが、場所によっては事業所に出社して会議室から複数名参加というケースもあったのです。そういった拠点については現地の先輩社員の方々にサポートいただいて、なんとか事なきを得ました。
その他の問題
ここまでご紹介した以外にも開催が近づくにつれて色々と問題は出てきました。
・テキストをどう配布するのか、いつ配布するのか。
・途中で接続切れた人をどうするのか。
・一会場で複数名参加の人たちをどう扱うのか?
などなど。(このあたりの問題については、後日時間があったら書こうと思います。)
一生懸命準備をして迎えた当日、やっぱり想定外のことは起こるのです。
つづきはこちら↓
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