スポーツをするうえで大切なこと(永久保存版)
市立浦和高校サッカー部に入部してすぐ、『スポーツ基礎力』と書かれたB3サイズの紙が配られた。そこにはスポーツをするうえで今後大切にしてほしいこととして、当時の監督である池田先生から我々部員に毎年配られていた資料だった。
そこに書いてあることに感銘を受け、当時の大場少年は何か立ち止まるたびにそれを見返していた記憶がある。
2017年に自身が指導者として少年団に関わるようになった頃。彼ら選手に、親に、「スポーツってこういうことやで」っていうことで、その資料をワードで打ち直して配ったのだ。
そんなエピソードがさらっと出てくるそんなpdfをもう10年以上使っているPCから見つけてきたのでnoteに綴ろうと思っている。
出典は不明だ。しかし、スポーツに関わる者であればこれは見ておくべきだ。
スポーツ基礎力~目指す人間像
1.スポーツ基礎力とは
スポーツでの成功とは「勝つことと人づくり」の両立であり、これが成果の定義になります。スポーツをやるからには勝利に向かって努力する必要があります。勝利を目指す過程で我慢することや、悔しさを体験するのはスポーツをする大きな意味であると思います。人は必ずどこかで挫折感を味わいますが、スポーツのなかで挫折感を味わうことは大事なことです。このような悔しさがバネとなり人は伸びていくのであり、そのためには勝利を目指さなければ学ぶことは出来ません。勝利至上主義と「勝つことを目指す」のは意味が違います。前者は勝つことが目的ですが、後者は人づくりと勝つことの両立が目的です。
スポーツ基礎力は根と幹に分けることができます。初めに根の部分ですが、これは多くの指導者が言う「気づき」になります。スポーツは瞬時の判断が必要で「気づいて、考えて、行動する力」が求められます。まずは気づく力が必要になりますが、これは人の表情や態度、道具の置き方など日常の些細なことへの気配りから始まると思います。次に、気づく感性があり考える力があっても行動に移さなければ何も変わりませんので、行動を起こすことが大切です。ですから、「ゴミを拾ったり」「靴を揃える」という些細な行動が大切になるのです。ゴミが落ちていることに気づいても、それを拾って捨てるには勇気が必要です。みんなが気づきながらも通り過ぎていくなかで、自分だけが違う行動をするのは勇気がいることです。ある意味、自分に自信を持っていないと流されてしまうので、簡単なようですがなかなか出来ないことではないかと思います。日頃の何気ないゴミを拾う、靴を揃える、椅子を入れるというような行動に人の心は反映されています。「気づく感性」を高め、「勇気」をもって行動することの積み重ねが心を強くし、自分を作っていくと信じています。
次に、幹の部分となりますが、これは三つの柱があり、「道徳力」「思考力」「勝負力」になりますが、道徳力は礼儀や感謝心などの「敬意」です。ふたつめの思考力ですが、これは多様性や柔軟性を前提としたバランスや自分の位置を知ることなどがあり、「考え方の基本」です。三つめは勝負力で、勝負に勝つための姿勢を示すもので、ベストを尽くすことや間を合わすことなど、「日常とスポーツのつながり」です。
2.礼儀
①人より先に挨拶
②返事は「ハイ」とはっきり言う
多くの指導者が礼儀の必要性について語られており、特に「挨拶」や「返事」について述べられています。これらは相手への敬意を表す行為の基本ですので、社会規範として必ず身につけなければならないものといえます。
挨拶の必要性ですが、それは人との良い関係を気付くには日頃からのコミュニケーションが大切であり、その基本が挨拶になると言えます。日頃から挨拶を交わしていれば、人間関係も円滑になり、トラブルが生じても挨拶をしている顔が浮かべば、相手を攻撃することはないと思います。いつも当たり前にしている挨拶をおろそかにしていると、どこかで心のゆるみに繋がり、そこから失敗の原因をつくっていることがあると思います。
挨拶は心を開くコミュニケーションの第一歩です。「人より先に挨拶」することは、相手に対する敬意であり、戦いの場では機先を制することに通じます。つまり、受身な行動をするのではなく、自ら動くことの習慣作りとしてあいさつが位置づくのです。例えば、練習中に指導者と顔を合わせれば挨拶をしますが、いちばん先に挨拶をするのは勇気がいることだと思います。いつも先に挨拶をする選手は積極性があるなど何らかの良い特性を持っているはずです。こういう日常での何気ない行動が、スポーツの勝敗を分ける局面に活かされることがあるはずです。
挨拶と共に大事であるのが返事であると言えます。返事を「ハイ」とハッキリ言うことができは自分の考えを明確に示すための習慣化です。相手の言葉に敬意をもって反応し、自分の意志をはっきりと示す習慣作りです。「ナーニ」という子にさせないためには「ハイ」という返事を大切にしたいものです。「ナーニ」や「ハア」など曖昧な返事をしていると知らず知らずのうちに意志のはっきりしない日和見な人になってしまいます。
3.感謝心
①感謝心が一流と二流の差
②感謝される経験により感謝心は育つ
一流と二流の違いは、感謝心があるかどうかではないかと強く感じています。少し活躍し、有名になると、調子にのり、感謝心を忘れてしまいます。そういう人は一流ではなく小さな成功を自分の力だと過信する「小成功病」にかかった二流の人であるといえます。感謝の気持ちがあれば勝ったときでも自慢せずに謙虚に生きることができると思います。真の一流とは技術的なことだけではなく、人としての立ち振る舞いも一流で、その根底に「感謝心」があります。人は一人では生きていくことはできませんし、スポーツもひとりでは絶対に成り立ちません。すべては周りの方々の協力があって成り立ちます。「ありがとう」「いただきます」は感謝の心を表す言葉です。皆さまのおかげで生かされているという感謝心を心にこめて「ありがとう」「感謝します」と発しているとそれは自然と自分も周りも幸せになるものです。この当たり前のことを自然とできるようになれば、運が開け、ツキが回ってくるのではないでしょうか。
感謝心は感謝される経験を積むことで育つといえます。感謝される行為は意図的にやるものではなく、さりげなくやるのが大切であると思います。感謝される経験を積むためにはどうすればいいでしょうか。それは日々の生活のなかにたくさんあり、それに気づくかどうかの心の持ちようです。例えば、電車のなかで席を譲るなど、さりげない親切な行動をすれば感謝されることでしょう。このような経験を積むことで、感謝心は育つのではないかと思います。学校でのボランティア活動も感謝心をはぐくむ活動として行われているのではないかと思います。「ありがとう、感謝します」という気持ちを自然に発し、感謝の気持ちを持ち続けられる人になりたいものです。
4.バランス
①多様性を前提に物事をみる
②物事には必ずふたつの側面がある
物事には必ずいくつかの要素がありますので、多面的にみて柔軟に対応するバランス感覚が必要です。物事を一面的にみて、どちらかに偏ると本質を見失うことになりかねませんので、ひとつの方向ではなく違った方向から考える必要があります。「物事は多様である」ということを前提に考えるといいでしょう。何事も「表裏、明暗」などのふたつの側面があり、得るものがあれば失うものもあります。例えば、勝つことで誇りを得ることができますが、同時に謙虚さが失われる可能性があります。このような考えは「バランス」と表現できると思います。それは50:50で考えるのではなく、99:1もまたバランスといえるでしょう。つまりは、偏ったものの見方でけではなく、別の見方もある、ということを踏まえて物事を捉えることが大事なのです。