予算100万円以下イタリアンスポーツカーの選び方と維持の仕方
この記事では、以下の動画で取り上げている車種から3車種を取り上げた詳細解説記事です。
維持費や故障リスクが高い「アバルト500」「アルファロメオ・ミト」「アルファロメオ・159」の3車種を取り上げ、動画では尺が長くなりすぎるために割愛した部分も細かく解説している完全版です。
無料部分の記事では、完全版の車種別紹介のイメージが持っていただけるように、「アバルト500」の部分と目次を掲載させていただきます。
有料部分の記事では参照しやすい資料となることを目指し、輸入車一般およびイタリア車に対する基礎知識について執筆後、動画で取り上げたアルファロメオ、「ミト」「159」について詳細に解説しています。
アバルト500
基本的なスペック・仕様
エンジン
アバルト500は、1.4L直列4気筒ターボエンジンを搭載しています。最高出力135ps、最大トルク18.4kgmを発揮し、コンパクトカーとは思えないパワフルな走りが楽しめます。エンジンはフィアット500やパンダ100HPに搭載された1.4リッターエンジンにターボを追加したものです。タイミングベルトが3年ごとの交換と非常に短く維持費の高さにつながっています・・・
トランスミッション
トランスミッションは5速マニュアルトランスミッション、アバルト版のデュアロジックであるアバルトコンペティツィオーネのロボダイズド5MTが設定されています。(発売当初5年程度はマニュアルのみラインナップ)
なお、ロボダイズド5MTは信頼性が高くないので5MTを推奨します。(後述します)
車体について
駆動方式は前輪駆動のみです。Aセグメント車でも特にホイールベースが短く、2シーターのNDロードスターが2310mmであるのに対して2300mmとそれ以上に短く、機敏なキャラクターや足回りの設定にあっています。そのため、後席は多くの軽自動車よりも狭く4人乗りになっていますが・・・
実はハンドルの切れ角が少なく、ホイールベースの短い割にまったく小回りが効かないという弱点があります。最小回転半径が5.6mと大柄な4ドアクーペのBMW640iの5.5mにすら劣っています。
サスペンションは、フロントにストラット式、リアにトーションビーム式を採用しており、ごく一般的です。
タイヤ
タイヤは、標準で195/45R16サイズと一般的であり、YOKOHAMA ADVAN NEOVA AD09といったハイグリップラジアル、YOKOHAMA ADVAN FLEVA V701といったコンフォートスポーツ、Michelin Primacy 4などのコンフォートタイヤまで選べるタイヤは多い印象です。
なお、エッセエッセキットを装着していたり、オプションホイール装着車は205/40R17のタイヤサイズとなります。
詳細なスペックは以下をご確認ください。
維持についての注意点
タイミングベルトの交換サイクルが非常に短い
アバルトやフィアットの1.4リッターエンジンのタイミングベルトは交換時期が3年12万キロとなっています。走行距離はともかく、3年という交換スパンの短さがネックとなります。
交換費用はウォーターポンプと一緒に替えて下記事例では115,000円程度です。2回目以降はベルトのみだともう少し安くなるでしょう。
アバルト500 タイミングベルト交換 ウォーターポンプ交換 312A1 輸入車整備 矢吹 メンテナンス |グーネットピット (goo-net.com)
ロボダイズドMTの故障時の新品交換が非常に高い
ロボダイズドMTが壊れた場合、変速ユニットのみとの交換となるため、乾式デュアルクラッチトランスミッション車よりも比較的修理費用が安いのですが、アバルトでは純正部品の値付けが高く、約46万円とのこと、クラッチやレリーズを交換すると約60万円弱、工賃を含むとそれ以上になるでしょう。よって、基本的には5速マニュアル仕様をお勧めします。
なお、フィアットの純正部品扱いではない、供給元のマレリが作ったOEM部品を使った場合、ほぼ同じ機構であるフィアット500の自動変速機校の部品代は6割ほどの25万円だそうです。もしOEM部品がアバルトでも使える場合は使用したほうが良さそうです。
マイナートラブルは多め
ヘッドライトの中に水滴がつく、ハイマウントストップランプの配線が切れやすいなどマイナートラブルは多いとのことです。
費用が掛かる故障とはならないでしょうが、このあたりは少しおおらかになる必要があるでしょう。
サービスマニュアル入手先
ヘインズのオンライン版は入手可能です。
(紙版の方が詳しい印象がありますが・・・)
フィアット・アルファロメオはebayなどでは正規版のサービスマニュアルの流通がなさそうです。
実はヤフオクで個人の方がPDF版を出品されています・・・
*内容は問題なくとも権利関係が大丈夫かわからないので購入される場合は自己責任でお願いいたいます。なお、個人の出品者さんなので、将来的に出品をされなくなった場合、このリンク先では購入ができなくなる可能性がございます。
チューニング適性
純正でもチューニングパーツが豊富であり、サードパーティ製のパーツも多く、輸入車としては非常に多いと言えます。
ECUチューンも活発であり、10万円程度で20馬力以上の馬力アップが狙えます。
中には200馬力近くまで馬力を上げているメニューもあります。
同型のエンジンでアバルト595は160馬力、695ビボストは190馬力を出していますが、これらのモデルはアバルト500のビッグマイナーチェンジ版とも言えるので、各部の強化を受けている可能性があります。パワーアップと耐久性はトレードオフなので、馬力を上げれば上げるほど車に負担がかかることを考量してECU書き換えの施工を決めましょう。
基本的な維持費
税金や消耗品関係はそれほど高くない印象です。
自動車税(毎年):34500円 *13年経過後は39600円
重量税(2年に一回):24600円 *13年経過後は34200円 18年経過後は37800円
タイヤ代(標準16インチ4本を工賃別でネット最安で購入した場合):
YOKOHAMA ADVAN NEOVA AD09(ハイグリップ)約9万強
YOKOHAMA ADVAN FLEVA V701(スポーツコンフォート)約6万
中古相場とその他のお勧め車種
最安乗り出し価格:70万円程度~
タマ数:50台程度あり、それなりにあります。
その他のお勧め車種:アバルトプント、プントエヴォ、グランデプント
*同形式のエンジンを積んでいますが、こちらであれば1サイズ上のBセグメント車なので、後席も比較的広いです。他の人と被りたくない方は一緒に探してみてはいかがでしょう。
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