2020 J1第11節 清水エスパルスvs横浜F·マリノス レビュー
目次
1.はじめに
2.スタメン
3.前半
4.後半
5.最後に
1.はじめに
いつも読んでいただいている方々、ありがとうございます。初めての方々、読んでいただき少しでも面白いと感じてもらえたら、SNS等で拡散してもらえたら嬉しいです。
前節、ベガルタ仙台戦はレビューをお休みし、楽しみにしていた方がいたら申し訳ありませんでした。
前節は今シーズン初のクリーンシートを達成し、リーグ戦5戦負け無しと少しずつ新たなサッカーが定着し始めたように感じるエスパルス。今節の相手はクラモフスキー監督が昨シーズンまでコーチをしていた横浜·F マリノス。
師弟対決としても注目が集まる試合が、どの様になったか振り返っていく。
2.スタメン
▪エスパルス
金井→奥井と前節から1枚を変更。
▪マリノス
小池→松原、畠中→實藤、ティーラトン→高野
扇原→和田、エリキ→仲川、
オナイウ→サントスと前節から6枚を変更。
3.前半
エスパルスの狙い
1.ハイラインの背後
2’12 ハーフライン付近左外ソッコ→カルリーニョスでDFライン背後を狙うがオフサイド。
3’17 マリノス陣内ミドルサード右外の奥井→金子DFライン背後を狙うが、長くなりGKキャッチ。
7’41 右サイドでのスローインから左へ展開。仲川の脇で受けたソッコ→カルリーニョスDFライン背後を狙うが、ペナルティーエリア角までGK出て来てカット。
19’58 梅田がロングボールをDFライン背後へ送るが合わない。
21’46 立田がロングボールをDFライン背後へ送るが、後藤がオフサイド。
39’40 梅田→ハーフライン付近左外のソッコへ。ソッコは松原,チアゴ間の所謂チャンネルへ。西澤が抜けて背後を狙うが、オフサイド。45’+2 立田→カルリーニョスDFライン背後を狙うが、オフサイド。
この様にマリノスの特徴でもあるハイラインの背後を狙う場面が再現性高く見られ、前半だけで7回オフサイドとなっている。
CB,GKの所は数的優位となるが、ミラーゲームで他を捕まえやすく、竹内、ヘナトの所も監視されている状況でビルドアップに困り、ロングボールを多様したという見方も出来るかもしれないが、多様する事によってマリノスは嫌がるだろうという点、背後へのボールによってDFの意識が後ろにいき、ボールを繋いで前進する為のスペースが出来、ポゼッションしやすくなると考えたのではないかという点の2点で狙いとしてあったのではないかと考える。
2.サイドチェンジ
5’19 立田→金子へのサイドチェンジ。しかし、失敗し、ボールはGK朴の所へ。
8’12 ハーフラインまで下りた西澤→金子サイドチェンジ狙うが、やや短く高野がクリアー。
14’35 ヴァウド→西澤サイドチェンジ。しかし、オフサイド。
17’04 西澤→金子サイドチェンジ。インナーラップした奥井が高野の背後へ流れ、金子→奥井と繋がりクロスを上げるが、クリアーされる。
マリノスがボールサイド西澤圧縮した逆サイド大外でフリーのSHへのサイドチェンジも再現性高く見られた場面であったので、こちらも狙いとしてあったのではないかと考える。
しかし、サイドチェンジで終わりではなく、そこからどの様にゴールへ繋げるかが、重要だが、そこに関しては組織としてどの様にというアイデアが見えてこなかった様に思う。
守備
マリノスのGK,CB,CHの5枚に対してカルリーニョス、後藤の2枚が縦関係でスタートし、サイドを限定する事が出来ず2枚のうち、空いているCHを経由してSBや下りて来たマルコスに繋がりプレス回避され嵌める事が出来ずに苦しむ事になってしまった。
しかし、飲水タイム辺りを境とし、前が横関係となり、CHへのコースを切る守備に変更したが、CHの1枚が下りたり、CBが広がるなどズレを作られると簡単に前進を許してしまった。
4.後半
後半になると、前半の背後へのボールの効果か定かではないが、立ち上がりエスパルスは前半に比べてボールを繋ぐ事が出来る様になったように感じた。
後半開始10分辺りの時間帯は両チーム共にカウンターによる殴り合いの様な試合展開となった。
その時間帯を過ぎると、マリノスは試合をコントロールしようとボールをしっかり繋ぐ本来のスタイルへ。また、選手交代によってプレスの強度が戻った為にエスパルスはなかなか自分達のリズムを取り戻せなくなった。
CHの疲弊
前半からマルコスが手前や間に顔を出したりする場面で捕まえきれずに動かされ、DFラインのカバー、攻撃参加などタスク過多によりCHが疲弊し、後半75分辺りから徐々に攻撃の場面で出て行く事が出来ずに間延びが見られる様になる。
立て続けの失点
3失点目、4失点目は僅か2分間での2失点となってしまい勝敗を左右する結果となってしまった。
·3失点目
立田、六平がそれぞれ釣り出されるが3対3と数的同数。渡辺がポジションを取り直したのに対してエスパルスは対応が遅れ、フリーで受けた渡辺には時間と空間に余裕があった。立田が出て広がったCB間に渡辺からパスが出てそこへ入ったサントス。ヴァウドがそれに対して対応に出るが、シュートが当たってしまいゴールとなってしまう。
この場面、ポジションを取り直した渡辺への対応が遅れた事もそうだが、前半から何度もCB間が広がる場面が見られただけに、この時間までそこを使われての失点がなかったのが不思議なくらいであった。
·4失点目
高野のフリーでのクロスに対し、立田,ソッコの間に入った渡辺が頭で合わせてゴール。
最後のクロスに飛び込み渡辺を捕まえる事が出来なかったのも問題ではあるが、その前のクロスの所でエスパルスの守備によく見られるボールホルダーへのプレスの甘さからこの場面も余裕のある状態でクロスを上げられてしまっているのは問題であるように思う。
5.最後に
撃ち合いとなったこの試合、リアルタイムで見ていた時は1点差という事もあり面白い試合で僅かな差で負けた様に感じたので悔しかったのですが、振り返ってみると判断の早さ、パススピード、パスを受ける前のポジショニングと体の向き、ワンタッチ、ツータッチでのパスなど様々な面でマリノスとの明らかな差に気付かされた。
また、前半の部分で上げたような狙いがあったとしても、それだけではなくプラスアルファーでここ数試合見られていた様な自分達の動きでスペースを作って、そのスペースを使っての攻撃が全然見られなかった事から考えると新たなスタイルでチームを築いていく上では問題があったのではないかと考える。
次節の相手の横浜FC,その次の川崎フロンターレもボールを保持したいチーム同士の戦いとなるので、日程を考えメンバーが入れ替えもあると思うが、今節上手くいかなかった部分が修正出来たかを見るには非常に良い相手であるはずなのでしっかり見ていきたい。
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