2019J1第26節 清水エスパルスvs名古屋グランパス レビュー
目次
1.はじめに
2.スタメン
3.前半~スタイルの逆転~
4.後半
5.感想
1.はじめに
いつも読んでいただきありがとうございます。また、初めての方、読んでみて面白いと思ってもらえたら周りの方に勧めたり、SNSで拡散してもらえると嬉しいです。
エスパルスは上位陣とのここ3試合で14失点、その内ホームでの2試合で12失点無得点とホームサポーターもフラストレーションの溜まる試合が続いている。
今節は順位の近いグランパスが相手で、フライデーナイトゲームという事で普段の試合より多少なりとも注目される試合だ。
そんな試合を振り返っていこうと思います。
2.スタメン
▪エスパルス
立田→エウシーニョ、吉本→ソッコ、中村→金子の3選手を変更。
▪グランパス
システムを3バックから4バックに変更。
藤井→吉田、成瀬→宮原、太田→和泉、長谷川→赤崎と4人変更。
3.前半~スタイルの逆転~
0’ グランパスのキックオフ。1度下げネットからCH間ジョー→ネット→宮原→ネットと繋ぎ、SH,CH間を通すパス。シャビエルが受け中央ジョーがゾーン間辺り右ハーフスペースネットにワンタッチで出すが松原が絞って対応。
キックオフ直後にポゼッション型の名古屋にCH間、SH,CH間を使われた為、そこを頻繁に使われてしまうのではないかと心配になったが、立ち上がりはこの試合でもエスパルスが良い入りを見せる。
4’53 ヘナトが名古屋陣内ゾーン2右ハーフスペースでクリアーを拾いCH間へ運び、チャンネル(CB,SB間)の河井、幅を取った金子と繋ぎゾーン3へ進入。金子が深い位置からクロスを送るが中央でネットがクリアー。
5’57 ソッコからのロングボール。吉田の裏のスペース深い位置でドウグラスが受ける。ドウグラスにCB2人が対応した為、クロスを送ればチャンスだったが丸山に当たりスローインに。
7’01 松原がゾーン3左ハーフスペースネットの手前からCH間を通しライン間のドウグラスへ。反転したドウグラスはバランスを崩しながら中央に絞ったエウシーニョへ。金子が和泉,シミッチ間でエウシーニョから受けるが丸山が出てきて対応し、はね返す。
7’32 ハーフライン付近右ハーフスペースから広がったCH間へ縦パス。金子が受け、吉田の手前河井、オーバーラップした右外エウシーニョと繋ぎ深い位置からワンタッチでクロスを送るが丸山がクリアー。
8’08 名古屋陣内ゾーン2右外からソッコが吉田の裏へ。ドウグラスが丸山に対応されながら受けペナ角辺りでキープし、河井へ落とす。受けた河井がエリア内右ハーフスペースに進入するも、ネットがカバーに来た為、金子にパスは繋がらない。
押し込むが、シュートまで持って行けない場面が続いた。
9’17 丸山が自陣ゾーン2中央からロングボール。ジョーが上手くコントロール出来ずに戻った松原が拾いクリアー。
14’ ネットがハーフラインを越えて運び、ドウグラスのプレスを剥がす。2CH手前から間を通す縦パス。二見の手前で赤崎が受けシャビエルに落とす。シャビエルはサイドチェンジで左サイドの吉田へ。受けた吉田はペナ角からクロスを送る。二見のクリアーが不十分となりゴール方向に流れたボールに宮原が素早く反応し、ヘディング。飛び出したGK大久保の顔の横をすり抜けゴールへ。
二見のクリアーは風の影響があったかもしれなく、不運な形で名古屋に先制を許す。
18’36 名古屋陣内ゾーン2中央で竹内からCH間を通す縦パス。ドウグラスが受け、シャビエル,ネット間を通し竹内へリターン。左サイドで細かくパスを繋ぐ。
20’25 丸山がハーフライン手前左ハーフスペースからロングボール。ジョーが反応し、エリア手前でヘディングするも二見が対応し、ついていた為、繋げずGK大久保がキャッチ。
21’45 二見がゾーン1左外からロングボール。名古屋陣内センターサークル付近でドウグラスが丸山に競り勝つ。左ハーフスペースの河井が2ndボールを拾いカットインするも丸山,宮原に対応されゾーン3中央エリア手前でロスト。
25’ 名古屋自陣エリア内からFKでのロングボール。ゾーン3ジョーの前でソッコがカットし、ハーフライン手前ライン間で河井が受ける。河井はドリブルでハーフラインを越えてセンターサークル内竹内→左外の西澤と繋ぐ。西澤がボールを保持している間にパスを出した竹内が中央から外へCH間をダイアゴナルラン。これにネットがつられ、宮原とシミッチの間にスペースが出来た。西澤がそこにカットインし、シュート。これがゴールに吸い込まれ同点に追いつく。
25’59 自陣ゾーン2右ハーフスペースからヘナトが和泉,シミッチ間を通す縦パス。ハーフラインで河井が受け、幅を取った金子へ出すが、ネットに倒される。
26’59 エスパルス陣内ゾーン2右ソッコの宮原が松原がシャビエルについて出てギャップが出来ていたチャンネル(CB,SB間)へボールを送る。シミッチが抜け出すが二見が対応し、CKに。
30’51 中谷がハーフライン手前センターサークル内から西澤,竹内の間を通し、シャビエルへ。受けたシャビエルは松原がついていた為、抜け出せず、加勢したヘナトがカット。
33’48 自陣ゾーン2右ハーフスペースから中谷がロングボール。ゾーン間で中央ジョーがソッコに競り勝ち落としたボールを和泉が拾い、左ハーフスペースに運ぶ。金子に対応されるが切り返しで剥がし、ライン際から低いクロスを送る。GK大久保が弾いたボールは赤崎の前にこぼれるが松原がクリアー。2ndをシャビエルが拾いシャビエル→宮原→ネットと繋ぎ、エリア手前右ハーフスペースからシュートするもGK大久保が弾きCKに。
37’00 GKランゲラックからのロングボール。エリア手前で二見に対応されながらジョーが赤崎に落とすがヘナトがカット。
38’18 自陣センターサークル内で受けたソッコが吉田の裏へロングボール。エウシーニョが受けるがオフサイド。
40’55 エスパルスゾーン3左サイド河井からサイドチェンジ。アイソレーションの形でエウシーニョが右外フリーで受けクロスを上げるが、ドウグラスの前で中谷がクリアー。
45’+1 ハーフライン手前右外からソッコがCH間に下りたドウグラスに出そうとするが、シミッチがドウグラスに寄せた為、吉田の裏へロングボール。河井が反応し、受けるがオフサイド。
45’+2 名古屋ゾーン3左外吉田→ハーフスペース和泉→中央ネットと繋ぎ竹内の脇からエリア内に縦パス。シャビエルに二見がついていた為、コントロール出来ずにGK大久保がキャッチ。
·攻撃面
ロングボールをSB裏へという場面もあったが、ボール保持で相手を動かし、CH間やCH,SH間を上手く使った攻撃が多く見られた。
·守備面
失点シーンに繋がったネットから赤崎への縦パスを入れられた場面はブロックを作っていた為、もう少し組織的に守れたのでは?という思いがある。
それ以外の場面では中央から崩されるシーンは殆ど見られず、グランパスのロングボールへの対応や2ndボールを拾う意識、相手のビルドアップ時にSHが出過ぎてしまい4-2-4気味の配置になる場面はあまり見られなかった。
·前半の感想
両チームが本来やりたいサッカーが真逆のような印象があった。
エスパルスがボールを繋ぎ相手を動かし、グランパスがジョーへのロングボールを送るというサッカーで、SHの守備もエスパルスはブロックを作り、グランパスは前への意識が強いが、CHとの間にそれ程意識がない印象を受けた。
4.後半 ~放り込み作戦
後半は名古屋の放り込み作戦にラインを押し下げられて押し込まれる時間が長くなった。
54’42 丸山がゾーン3入った辺り左外からクロス。ジョーがコントロールから右ハーフスペース宮原へ落とすが西澤と松原が素早く寄せた為、コントロール出来ない。
このシーンはクロスを入れられた後の対応が良かったと思う。
54’ 和泉がドリブルで運ぼうとした所をセンターサークル内で竹内がカットし、吉田の裏を取った河井へ。河井は攻め急がずにキープし時間を使い上がってきたエウシーニョへ。エウシーニョはカットインでエリア手前右ハーフスペースで対応したネットの脇からエリア内チャンネル(CB,SB間)を取った河井へ縦パス。河井はコントロール出来ずに丸山がはね返したボールはエウシーニョの足下へ。エウシーニョはそのままシュート。これが河井に当たりコースが変わってゴールへ。
エスパルス逆転。
59’ 名古屋ゾーン3左外から吉田のカットインを河井がカットし、こぼれを拾った竹内がCKでの流れでスペースが出来ていたハーフライン付近へボールを出す。それに金子が反応し、センターサークル脇で対応に来た赤崎を剥がし、ゾーン3まで運ぶ。ここで赤崎とシャビエルがスプリントで戻った為、シュートは打てずに、ポジティブトランジション(守→攻の切り替え)でスプリントで左サイド上がってきた西澤へ。左ハーフスペースで受けた西澤はエリアに入った所からシュート。これがシャビエルの足に当たりゴールへ。
エスパルス名古屋を突き放す追加点。
名古屋はその後、選手交代で前田投入し、前田を左SH、シャビエルを右SHに変更し、両サイドからの仕掛けを狙い。更に米本の投入でボール奪取、配球面を、長谷川の投入でジョーへのサポートの修正を図ろうと考えたのではないだろうか。
ジョーを目掛けた放り込みは続いてエスパルスのラインを押し下げた効果が出る。
74’ ゾーン3左外和泉から中央に出来たスペースへ。ヘナトが寄せようと出るが寄せきれず、上がってきた米本がフリーでシュート。ソッコが外の前田に引っ張られた為、中央フリーの長谷川がこのボールを足でコースを変え、ゴールへ。
名古屋1点を返す。
79’25 中谷がセンターサークル内ハーフライン辺りからゾーン3長谷川へ縦パスを送るがソッコが前に出てはね返す。
84’29 ゾーン3右外で幅を取った前田が大きく広がったエスパルス左サイドチャンネル(CB,SB間)へボールを送る。これに宮原が反応し、ハーフラインライン際からクロスを入れるがニアの長谷川には合わない。
85’39 エスパルス陣内ゾーン2左外からシャビエルがロングボール。エリア内中央でジョーがポストで落としたボールを長谷川がフリーでシュートするもGK大久保の正面に転がりキャッチ。
86’58 前田がドリブルでゾーン3右外深い位置まで運びクロス。これがファーサイドのポスト直撃。はね返りを戻ったエウシーニョがクリアー。
1点差となり、押し下げられた状態が続くエスパルスは選手交代で対応する事を考えた。
89’ 金子を下げ、立田を投入し、3バックに変更。守備時は5バック化し、立田をジョーの対応にあてた。
90’ ゾーン3右外から前田がカットインし、クロス。エリア内ファーサイド丸山の落としを中央シャビエルがシュートするもGK大久保が僅かに触りCK。
90’+1 ゾーン3入った中央寄りハーフスペースから宮原がクロス。ファーで中谷が折り返すがジョーには合わず、こぼれたボールを下がりながら丸山がボレーでゴールを狙うが松原が松原に当たったボールはゴールを僅かに外れる。
90’+3 ランゲラックのロングボールをヘナトがジョーの前でカット。そのままセンターサークル付近からエリア内まで運びシュートするがGKランゲラックの正面。
最後まで集中して守り切ったエスパルスが3-2で勝利。
5.感想
名古屋はこの試合、ジョーの高さという質的優位を使う放り込み作戦に終始した印象だったが、エスパルスは最後まで集中して体を張って守ったが、2失点目の様に押し込まれた状態が続きCH前に出来たスペースからのミドルを打たれた所からの失点や、得点差·残り時間を考えた試合の終わらせ方など勝ったから良しで済まされない問題も見えた。
しかし、攻撃面ではボール支配率40%とエスパルスにしては高いポゼッション率で、カウンターをを狙うがスローダウンさせられた場面でも、しっかり繋ぎやり直すシーンや前半で見られたが、ボール保持で相手を動かしての攻撃など、今後残留争いに巻き込まれて守備を固められた相手に対しても期待できるようなシーンが見られ、久しぶりに面白いと思える試合であった。
リーグ戦は1週空いて湘南、浦和と順位の近いチームとの対戦が続く。9位から15位まで勝ち点差1となっているだけに、名古屋戦と合わせ3連勝して残留争いから抜け出したい。
先ずは天皇杯4回戦アウェーでの静岡ダービーで勝利し、次のステージに進んだ勢いを持って湘南、浦和とのアウェー連戦に向かいたい!
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