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#8 boygenius『the record』


リリース日:2023年3月31日
レーベル:Interscope
プロデューサー:boygenius、Cathrine Marks

こんにちは!
 今回は、各メンバーがそれぞれソロ・アーティストとして活動しているPhoebe Bridgers、Lucy Dacus、Julien Bakerによるバンド、boygeniusの1stアルバム『the record』の感想を書いていきたいと思います。
 彼らは2018年に最初のEP『boygenius』をリリースし、その後は、それぞれが個人の作品を出すなどして活動していましたが、2023年のコーチェラ・フェスティバルでライブを行うことが発表され、その後すぐファーストアルバムをリリースすることが発表されました。
 今作からは、Billie Eilish、BLACKPINKなども在籍するメジャー・レーベルInterscopeからリリースされると発表され驚きましたが、リリース後のチャート・アクションにおいても、米ビルボードで初週4位、英、アイルランド、オランダで1位、オーストラリアでも3位と、母国アメリカのみならず世界各国で良い成績を残しているようです。
 彼らは現在、4月から8月にかけて、その名も「the tour」というタイトルで、北米、ヨーロッパとツアーを行っている最中です。Phoebeに関しては、Taylor Swiftが現在行っている「THE ERAS TOUR」にも、フルではないですが参加したりとても忙しそうです。

(感想)
 今作は全12曲収録されており、クレジットでは3人の共作となっていると思いますが、アルバムを通して音楽面で統一感があるという感じではありません。勿論、フォーク、ロック、インディーロック等、共通の土台となる音楽性はありますが、曲ごとで各々の特徴を生かした上で、音楽を作り上げていっているような感じが伝わってきます。

 個人的に印象に残ったのは、Lucy Dacusについてです。私は、Phoebe、Julienに関しては、ソロ作も好きで聞いていたのですが、Lucyに関しては、最新作の『Homevideo』は発売時に1回聞いたことはありますが、その時はあまりピンときておらず、ソロ作もちゃんと聞いてきておりませんでした。今作を聞いて特に印象的だったのは、彼女が書く歌詞についてです。
 リードボーカルを務める「True Blue」や「Leonard Cohen」、「We're In Love」において、主に歌詞を書いていると思いますが、風景が浮かんでくるようなストーリー性があって、歌詞中の語り手の心情や、語り手から見たある相手のこと、相手との関係性、置かれている状況について、細やかに彼女なりの独創的な描写で歌っています。
「True Blue」については、相手と過ごした過去のできごとを思い出しつつ、ある相手との現在の関係性や相手に対する気持ちが描かれていますが、コーラスでの歌詞がとても素敵で好きでした。「Leonard Cohen」では、冒頭で実際にメンバー3人が経験した共通のできごとから「True Blue」での言葉につながるセリフにつなげ、Leonard Cohenの言葉も引用を用いつつ語り手の心情を表現していきます。「We're In Love」では、ある相手との恋愛の関係性を彼女らしい言葉で表現し、カラオケや「もし生まれ変わったら」という設定を用いて、自らの孤独や語り手の心情を、とても詩的な言葉で描いていきます。

ざっと簡単な感想にはなりますが、もちろん他の曲ますごく良くて、とても良いアルバムだと思いますのでぜひ聞いてみてください!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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