一夫多妻制の国の人と結婚
文化の違いはたくさんあれど、結婚する、となると気になることの一つが各国の結婚制度。
私の夫は西アフリカのガーナ出身なのだけれど、私はガーナが一夫多妻制であることを知らなかった。結婚するとき、「一夫多妻制」と聞いて、「ほかのだれかとすでに結婚している可能性もあるのでは?」と正直思ったことも…。
今回は、夫から聞いたガーナの結婚制度と、一夫多妻制の国出身の夫との結婚してから5年経ったいまに至るはなし。
スピード婚で文化分からず
夫とはいわゆる世にいうスピード婚といわれるやつで、付き合って2カ月で結婚した私。
出会ってからはもう少し経っていたけど、まさか結婚するとは思っていなかったから、付き合うまでは相手と深く話すこともなく、結婚前に相手の文化を知ったのは、この結婚前の2カ月だけ。
付き合ってからは、毎日電話で話していたものの、文化は分からず、しかも会話はすべて英語。初めは、英語で電話をすることも慣れていないしお互いネイティブでもないからアクセントもあり、半分くらい何を言ってるかわからなかった。
なので、結婚前は正直、あまり相手の文化を理解している、とは言えなかった。
ガーナは一夫多妻制?
結婚しよう!となってからは、結婚に向けての会話が増えた。
「結婚式する?」から、「子ども何人ほしい?」まで。
その中で、ガーナではどんな生活様式なのか、など話すようになり、ガーナは「一夫多妻制」であることを知った。
しかし結婚のシステムが、日本とすべて一緒ではないようで、ガーナの一夫多妻制は、「結婚式を挙げるものもあれば、役所で申請するものもある」のだという。
今まで特に調べたことはなかったのだけれど、noteに書くにあたって調べてみよう、と思い検索してみたところ、西アフリカには一夫多妻制を採用している国は多くあるそうだ。
役所で取り持たれる「結婚」
日本と同じく、役所に行き手続きをする結婚は、財産なども共有されるので、離婚のときも守られている、と彼は言う。
結婚式はもちろん行われるのだろうけど、要は、法で守られている結婚。
女の人ならこれを望むのがほとんどだと思うのだけど、田舎に行くとそうもいかなかったりする様子。
夫に、「この役所に届け出する結婚も、何人もできるの?」と一度聞いたことがあるが、そのときは、「これができるのは1人だけ」と言っていた気がする。(私の記憶が正しければ)
ということは、日本と同じく、法律的には1人としか「結婚」という形では守られないのか?と思ったがそこは謎のまま。
ローカルな「結婚」
結婚式は挙げるし伝統的な儀式?なども行われるが、役所に何かを提出する、ということはない形式。
法で守られているわけではないので、口約束になってしまったりすることもあり、離婚などとなった場合は財産分与などの面で守られないことも多くあるのだとか。
日本人と結婚する場合は一夫一婦制が守られる
あくまで、日本で婚姻届を提出し日本に住んでいる私の場合なのだけれど、日本で結婚する場合は日本の法律が適用されるようで、日本にいる間は少なくとも一夫一婦制となるらしい。
結婚する際は、ガーナ人である夫が「独身」であり、法的に別の人と結ばれていないことを証明する「婚姻要件具備証明書(独身証明書)」を提出します。
ガーナの場合はガーナ大使館から、発行してもらいました。
ただ、これはあくまで「公的な」証明書なので、先に書いた「ローカルな結婚」をすでにしているとわからないのかも。
ただ、これは日本人も全く同じだけど、要は法的に籍が入っていない人と付き合っている可能性がある、ということだから、私は、相手をよく見て、信じるのか、自分が強く生きるという覚悟を持つのか、なのかな、と思っている。
一夫多妻制と浮気は別物
余談になるのだけれど、これは面白いな!と思って聞いていたはなし。
一夫多妻制=浮気OK、というわけではないらしい。だから、すでに結婚していて新しい彼女と付き合い始めたときは隠すのが一般的なんだそう。
第一婦人は、夫の浮気を阻止すべく戦うし、付き合い始めた彼女は結婚に持ち込み第二婦人になれるよう戦う。
これは、きっともともとの昔からの一夫多妻制に、現代の「恋愛結婚」という文化が混ざってしまったが故の文化なのだろうな、と感じた。(あくまで個人的な感想なので歴史的に云々、というのはわからないです)
それもあってか、ガーナでは奥様とは一緒に住まず、夫側が奥様の家に通う、というスタイルが多いのだとか。
だから、よくテレビで見る、第一婦人、第二婦人、第三婦人…が一緒に住む、ということも、もちろんそういった家庭もあるけれども全員ではないらしい。
そう考えると確かに、結婚していながら第二婦人と恋愛、も可能な気がしてくる。
うちの夫は、ガーナで結婚していたら妻と一緒に住みたくない、と結婚前は言っていたので、日本では文化的に一緒に住むのが一般的とは言え、大丈夫なのだろうか…と心配していた。
いま、5年一緒に住んでみて、特に自室も欲しがらず(子供ができるので今後はそれも検討中ではあるが)、飲みにもいかず寄り道せずまっすぐ家に帰ってくるので、実際やってみたら大丈夫だった、というパターンなのかな、と思う。
経済力のある男性のみが許される一夫多妻制
こちらも余談になるのだけれど、何人か奥様がいる男性は、どの奥様にも平等に生活費工面をしなくてはいけないそう。だからお金関係でもめることもあるのだとか…
一人の女性に車を買ってあげたら、もう一人にも買ってあげないと「なんであの女は持っているのに!」と戦いが始まる。
つまり、かかる費用は人数分増える=収入が多くないと結局火の車となってしまう、というわけだそう。
一夫多妻制は文化
まさか自分が一夫多妻制の国出身の人と結婚をするとは思ってもみなかったし、結婚する直前までは「一夫多妻制なんてなんであるの?」とすら思っていたけれど、知れば知るほど文化って奥が深い、と感じる。
夫とよくこれについても話すのだけれど、女性は比較的結婚したがっている人は男性に比べて多いのでは?と思う。(これはあくまで個人的な感覚なので特にデータなどを見たわけではないけれど)
そうなると、当然、結婚したい女性の人数>結婚したい男性の人数、となってしまって、結婚したいのにできない、という女性が増えてしまう。でも、1人の男性に対して数名が結婚して良ければ、その分出生率は上がるのだろうから、少子化に歯止めがかかるのかな、と考えたり。現に、ガーナの人口ピラミッドは0-4歳が一番多い。
★PopulationPyramid.net
ただ、じゃあ、相手にもしも奥さまがほかにもいたら結婚していたか?と聞かれると、申し訳ないけれど私はNO。やっぱり、私はその文化では育っていないし、仕方ない、と折り合いもつけられないと思う。
ガーナ人女性がどう感じているかはわからないけれど、第一婦人がいても結婚する人はたくさんいるようだから、そこは割り切っているのかな、と感じている。もちろん、自分の夫である男性が別の女性とも結婚したことをきっかけに離婚する第一婦人もいるそう。
まとめ
結局のところ、文化がどうであれ、自分が結婚する相手の考え方がとても重要になるのかな、と思う。
うちの夫は、元々、「出身国では一夫多妻制はOKだけれども、一夫一婦制が良い。同時に2人を愛せるわけがない」というのは常々言っていたので、そこを信じることにした。
日本でも、一夫一婦制とは言え浮気をする人も山ほどいるし、そこは出身国の文化では決められないと思う。
ただ、やっぱり出身国で公的に認められていることなら2人の女性と付き合ったりすることもハードルは低いだろうし、日本人の認識とも違うことがあるから、それは見極めが必要かな、と。
うちの場合に限ってしまうけど、結婚して5年半経って、やっと、信用できる要素がそろったかな?ということ。
いくら口で「誰とも結婚していない!」「君のことを愛している!」と言われようとも、それは誰でも言えるので、私は結婚時、先を見て自分で信用できるか判断しよう、と決めた。
なので、もし裏切られていたりほかに誰かがいたとしても、自分で選択したこと、と決めたので、強い気持ちでいられた。
でも、一夫多妻制はあくまで相手の国の文化なので、それはリスペクトしなくてはいけないな、と思っている。
自分の常識なんて、日本で育って日本の常識であって、他国に行けば通用しないものもたくさんなのだし、国際結婚は学びの連続だな、と最近もひしひしと感じています。