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【トランスジェンダーになりたい少女達】SNSの暗黒面を跋扈してきた「政治的絶対アウトサイダー」なる存在の特徴抽出についての話。

割引あり

現在、一旦出版停止に追い込まれて話題となったアビゲイル・シュライアー「トランスジェンダーになりたい少女達(2021年)」を読み進めているのですが、気になる点が幾つか。

  • 本文に「少女達がtumbrやインスタグラムに集っていた頃」とあるが、当時の最大勢力であった「親の監視に嫌気が差して逃げ出した少女達」がtumbrを匿名で徘徊するのに禁じられた深夜番組をこっそり視聴する事に背徳めいた快感を抱いていたのは2010年代前半の景色。2013年頃から自分達も能動的に投稿したくなって種々様様な素人動画投稿が百花繚乱状態となり、2015年頃にはインスタグラムを主な活動場所とする若者が拮抗し以降はむしろ急速にインスタグラムの方が優勢となっていく。この本、2020年代に入ってからの出版だけど、思うより情報が古い?

  • そこには、さらに「これらのネットでは自傷と拒食症に関連する陰惨な投稿で溢れ返っていた」とあるが、少なくともtumbrにおいてそれはさらに昔の景色。運営側が対策した為、2013年までにその種の投稿はtumblrからすっかり駆逐されてしまったからである。当時のアニメ漫画gameファン層は巻き添えでアニメ版「美少女戦士セーラームーン」第四話「ダイエットにご用心」から切り取られたmeme「体重に乗ってあーん、太っちゃた‼︎と嘆く月野うさぎ」GIFも削除対象となってしまった事を嘆いた。逆をいえば実害はその程度で、一方排斥された投稿者達達が以降何処に向かったのかなど気にも止めなかった。「トランスジェンダーになりたい少女達」の記述を信じるなら、以降の彼女達はネット上に自らの抱える不安をぶちまけて発散する機会すら奪われ、さらに孤独感を深めた事になる。

「トランスジェンダーになりたい少女達」によれば、その様な「悩める少女達」は自傷行為や拒食症に魅入られるたのと同じ流れで性別違和を抱え、これに付け込んだ医師やカウンセラーのオルグに流される形で性転換手術に踏み切ったといいます。そもそも彼女達が同時に性別違和まで抱えるケースもあったという話はこの本で始めて知りましたが、孤独感から何にでも飛びつく様なタイプではあったので、十分あり得る話と感じました。

  • 一方、tumblr上のゲイやレズの方々は「まだ性自認も定かでない未成年に同性愛をオルグする事」に強い忌避感を感じていた。セクシャル・マイノリティが中央値から外れるほど多次元化し複雑なグラデーションを描く事についても十分なコンセンサスが成立しており、そうした関係から性癖についての話題なら幾らでも盛り上がる一方、個人的選択の押し付けや後押しを求める姿勢に追随してしまう無責任な介入は相互監視によって完全に抑制されていたのである。そういう部分について「トランスジェンダーになりたい少女達」が不満を抱えていたとしても、到底口に出せる雰囲気ではなかった事は認めざるを得ない。

その一方でトランスジェンダー(かもしれない)と公言する存在なら普通にある種のアウトサイダー群像の一部として実存していたものです。

  • 「ウォシャウスキー兄弟」改め「ウォシャウスキー姉妹」。

  • 例えば「海辺の女の子」「おやすみプンプン」が国際的にヒットした後に性転換願望を口にし、次回作に実際にトランスジェンダー女子を登場させた浅井いにお。

  • またtumblrには当時から日本人の評価と離れたところで「うる星やつら」における女装男子潮渡渚やクラマの手下が開発した性転換砲、「らんま1/2」における早乙女乱馬に関する話題が盛り上がる空気が存在。ただしこれらの作品の作者たる高橋瑠美子自身が仕込んだ「例え心は女性でも、身体男性ならジェントルマンたれ」なるメッセージ故に特に問題が生じる事もなかったのである。

その一方で2020年代に入ってから世間を騒がせる様になった「女子トイレや女風呂に入りたがる自称トランスジェンダー女子活動家」は影も形もなく(「トランスジェンダーになりたい少女達」にも登場しない)、代わりに「憎悪から異性撲滅を叫ぶ同性愛者」や「一切の性表現を憎悪してその撲滅を叫ぶ自称無性愛者」が明らかに先天的同性愛者や先天的無性愛者とは異質の振る舞いを見せ、LGBTQAコミュニティ保全の必要性に基づいて片っ端から追放されていたものです。

そして2020年代に入るとこうした異質な同性愛者や無性愛者が姿を消す一方で「女子トイレや女風呂に入れない事を差別と言い立てるトランスジェンダー女子運動家」が登場。

しかもその「明らかに先天的マジョリティに憎悪をぶつけつつ、その代表者として君臨せんと挑んでくる攻撃的姿勢」はまるで同じ。これは両者が本質的に連続する(自明の場合として十年以上前から存在し、十年後以降も存続し続ける様な恒常性を有する男女の性やセクシャル・マイノリティとは明らかに異質な)政治的絶対アウトサイダーに過ぎない事を意味してるのではないでしょうか?そう、どうやら彼らはその「明らかにマジョリティに憎悪をぶつけつつ、その代表者として君臨せんと挑んでくる攻撃的姿勢」においてのみ「自明の場合として十年以上前から存在し、十年後以降も存続し続ける様な恒常性を有する」存在としてのみ特徴抽出されるのではないかという疑惑が出てきたという話ですね。

特に日本の場合、明らかにまずそれに先行する上掲の様な展開の蚊帳の外に置かれてきた関係から、突然出現したトランジェンダー女子活動家の存在がインベーダー(外世界から突如襲来した侵略者)以外の何者にも映りません。まずそういう現状認識から出発する必要がありそうなのです。

ある意味まさに過去の経験を総動員してこの様な認識に到達した事こそ「今年学んだ最大の事」であったかもしれません。そんな感じでとりあえず以下続報…


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