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遊戯王はEXに対して新しい禁止制限の形式をつくるべきではないか
はじめに
遊戯王では強すぎるカードが出たときに、枚数規制を行います。リミットレギュレーションです。ただし、カードを制限(1枚しか使えない)にしてもあまり意味がないカードも存在します。それがエクストラデッキのカードです。
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例えば海外で禁止になったアポロウーサやバロネス、他にもリトルナイトや咎姫など、明らかにオーバーパワーだと感じるカードが多数ありますが、それらのカードはOCGやマスターデュエルでは制限に指定されているわけでもないのにほとんどのデッキで1枚しか採用されていません。
これはEXデッキに余裕がないことが理由ですが、1枚でも十分な働きをしてくれます。
なので、これらのカードが強すぎるからリミットレギュレーションをかけようとしても、本当に強さを抑えるなら禁止にするかないです。故に海外ではアポロウーサやバロネスは即禁止になっています。
ただし、禁止にするということは制限にすること以上に商業的に重い意味を持ちます。そのカードのゲーム上の需要が0になり、資産価値が暴落します。パックを売る公式はもちらん、在庫を抱えるカードショップも痛手です。また、関連カードやそのカードに依存したデッキも巻き添えを喰らいます。コレクター需要に影響は少ないとはいえ、そのカードのグッズなどにも多少の影響はあるでしょう。
もちらん制限でもこれらと同じ影響は受けますが、禁止にする場合とは天と地ほどの差があります。とくに美少女型モンスターはイラスト違いやグッズ化などがあるので、商業的に禁止にし辛いでしょう。
上記により、現状の禁止制限だけでEXデッキのモンスターを抑えるのは商業的観点から無理があると思っています。最近の例だとデモンスミスのような明らかにオーバーパワーなカードが公式の目玉として押し出されている場合、禁止にするわけにもいかないのでリミットレギュレーションが正常に機能し辛いです。
そこで現在のリミットレギュレーションとは全く別の禁止制限システムを導入するべきだと思っています。
デュエルリンクスのLIMIT1はどうか
単純な枚数制限と異なる禁止制限として、デュエルリンクスのLIMIT1があります。
LIMIT1は指定されたカードは合計で1枚数しか入れられないというものです。
例えばマスカレーナ・リトルナイト・アポロウーサ・咎姫がリミット1に指定されていた場合、上記4種類のうち1枚しかEXデッキに入れられず、総合的なEXデッキのパワーを落とすことができます。
ただし、これはデュエルリンクスがデジタルカードゲームだからこそできるシステムです。紙の場合、デッキがリミットレギュレーションを守っているかをチェックする必要があります。現行のリミットレギュレーションならそのカードの枚数だけを見て判断できます。しかし、LIMIT1だと全てのLIMIT1のカードをデッキ内から探し、対象カードが合計で2枚以上入っていないかを判断する必要があります。これは運営的にとても負担ですし、デッキを作る側もミスを生み出しやすいです。
現に紙で似たシステムであるプレミアム殿堂コンビを採用しているデュエルマスターズでも、プレミアム殿堂コンビに指定されるカードは極端に少なく、歴代で6組、2024年12月22日現在は1組のみです。
EXデッキの枠を減らす方法
「禁止にはしたくない」「制限ではほぼ無意味」「リミットレギュレーションチェックの負担になりにくい」を解決する手法として自分が考えたのが「EXデッキの枚数を強制的に減らす」新制限です。仮に「EX制限」と名付けます。
EX制限に指定されたカードはEXデッキに1枚しか入れられない上に、EXに入れた場合EXデッキの最大枚数が2枚減ります。
例えばリトルナイトとマスカレーナがEX制限に指定されていた場合、リトルナイトをEXデッキにいれると、EXデッキはリトルナイトを含めて最大13枚までしかカードを入れられなくなります。マスカレーナもいれるとEXデッキは最大11枚まで減ります。
EX制限に指定されるのはEXデッキに入るカードのみです。
これならリミットレギュレーションチェックのときに参照するのはカード本体とEXデッキの枚数のみで済みます。
サイドデッキにEX制限のカードが入っていた場合がややこしいですが、これはサイドデッキに入っている場合もその分EXの枚数を減らす形になると思います。ルール上EXデッキの枚数はサイドチェンジ後も変更できないので。
これにより強いカードを入れた場合のEXデッキの汎用性が落ちることになります。EX制限を1枚だけ採用するならそこまで影響は強くないかもしれませんが、2枚、3枚採用するとEXデッキにほとんどカードを入れることができなくなり、総合的な弱体化につながると考えています。
これは「枚数制限をするなら逆に3枚絶対に採用必須にすればEXデッキの枠を食って汎用性落ちるからありなんじゃないか」という発想が元です。
ただし3枚固定制限の場合、通常の制限と逆に3枚固定制限に指定されたカードの需要が上がることになります。公式が強すぎるカードを刷っても3枚固定制限にすればもっと売れるということになり、強すぎるカードを刷る動機にすらなってしまうので健全ではないと思いました。
なにより公式の都合で制限指定されたのに追加で金を払わないとカードが使えなくなるのはユーザーから強い不評を買うでしょう。
そこで「EXデッキの枠を潰す」ことだけを抜き出して現在の案になりました。枚数指定の禁止制限と比べると少しややこしいことは否めないですが。
おわりに
個人的な提案をつらつらと書きました。こんなことをここに書いても遊戯王公式窓口に投げても別に公式が採用してくれるということは無いので、ただ自分の考えを書いただけです。
ただ、EXデッキと禁止制限の相性が悪いというのは古来からの遊戯王の問題点なので、そこをどうにかする施策を行ってくれたらなと思います。とくに最近は遊戯王モンスターのグッズが沢山作られていて、商業的に禁止にはできないカードが増えている感じがします。