新生フロンターレを支えるシミッチの活躍...その要因とは
川崎フロンターレが公式戦ここ4試合3勝1分、3日の京都戦で今季初の連勝を飾るなど、復調の気配を見せています。
そんな中、アンカーもしくはダブルボランチの一角として目覚ましい活躍を見せているのが在籍3年目のMFシミッチです。
ルヴァン杯の清水戦から4試合続けて主将の橘田を押しのける形でスタメンに名を連ねています。
今回はそのシミッチの活躍の要因について見ていきたいと思います。
以前までのシミッチ
シミッチは海外移籍した守田英正の穴埋めとして2021年に加入し、シーズン序盤こそはレギュラーだったものの、シーズン中盤から当時大卒1年目の橘田にレギュラーを奪われました。そしてオフには移籍の話もあったようですが残留し、2022年シーズン序盤はベンチ外の試合も続いた中で、シーズン中盤からはレギュラーを奪取しましたが、今季は再びベンチスタートの試合が続いていました。
ここまで中々レギュラーに定着できていなかったわけです。
川崎フロンターレのアンカーは、高い位置で相手に囲まれながらも下がらずにボールを受けて前線に運ぶ事が求められます。アンカーが相手の圧力を受けて下がってしまうと、前線の選手も下がらざるを得なくなるからです。
ですがシミッチは、フロンターレに来るまではCBの間まで降りてきてゆっくりボールを受けるタイプの選手だったので、そこに苦労していました。
前向きでボールを持てた時は正確な縦パスやロングパスなど素晴らしいプレーを見せるのですが、アンカーとして相手の2トップにマークされる中でボールを上手く受けられず、パスが入ってもトラップで一発で前を向けないので後ろに下げてしまうなど、なかなか持ち味を発揮できていませんでした。
やり続けて課題を克服したシミッチ
しかし、今季は相手の2トップにマークされながらもボールを上手く引き出し、トラップも一発で前を向く事ができています。
その中で持ち味であるキックの正確さをいかんなく発揮し、守備でも球際の強さ、空中線の強さを見せて大活躍しています。
競争相手の橘田は守備範囲や運動量はずば抜けていますが、攻撃面ではまだまだ課題があるので、そこでシミッチは差をつけているのでしょう。
シミッチがフロンターレに加入してから、鬼木監督がトラップの仕方や体の向きをマンツーマンで細かく指導していました。本人も真面目な性格で、自分の課題に目を向けてずっとやり続けてきた結果が今の活躍に結びついているのだと思います。
今のフロンターレは、素晴らしい武器を持っているのに何かしら課題があって、持ち味を中々出せないという選手が多く在籍しています。その中で、シミッチのように課題を克服して自分の持ち味を存分に発揮できるようになる選手が増えていけば、また強いフロンターレが見られると思います。期待したいです。