昔の自分に挑戦。
昨今の事情で図らずも自宅にいる時間が爆増してしまった私は、長年の人生の垢を擦り取るが如く、部屋の片付けに邁進していた。
その途中、一枚のイラストを発見した。かの自分が必死になって描いただろうと思われるイラストだった。ほとんど記憶がないので十年以上経っているのではあるまいか。
オタクであったかつての自分を思い返して、「なんか頑張ってたんだなあ、自分。」などと感慨にふけってしまった。
それがこれである。
アナログ彩色で水彩絵具と水彩色鉛筆で塗ったと思われ、紙の切り口を見ると、わざわざ木製パネルに紙を水張りして描いた形跡がある。(塗った後パネルから剥がしたようだ)昔は塗る時に水を使いすぎて紙をベコベコにしていたので、それを避けようとしたらしい。
当時は同人系でオリジナルはほとんどなかったはずだから、使い当てのないイラストを手間かけて描いたんだと思う。
今の私にはない情熱である。
うむ。ならば。
今の私が同じようなイラストを描くとどうなるのか。
当時では考えられないようなデジタルでの彩色で挑戦したらどうなるのか。
ブラッシュアップしたようなイラストになるのか。
はたまた退化してしまっているのか。
そんな気持ちになったので、過去の自分に挑戦してみることにした。
それがこっちである。
下書きの段階で、前のデッサンぐるいに気づいて手直しし、構図に手を加えていたらこんな感じになってしまった。これもかなり狂ってると思う。ていうか、こんな体勢と構図でよく描こうと思ったな昔の自分…。勢いというやつかもしれない。
スカッとするイラストは前の方かな…。
技術とセンスはさして成長してねえな…。
しかし、すっかり忘れ果てていた自分流の水彩の塗り方を思い出したのはよかった。こう塗ってましたわ自分。
昔の自分からの思いがけない手紙をもらったような。
そんな気分になりました。
せめて過去の自分に負けないように、ボチボチ頑張ってまいります。