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50代後半女性。ジグソーパズルのようにピースがハマった日
5月連休中、ふと気分が落ちた日がありました。
このまま物悲しい気分で休みを過ごすのは時間がもったいない。と思いました。何か気分転換のためにできることはないかと考えてみたところ、一つの課題が頭に浮かびました。これまで似合っていた服が似合わなくなっているという事です。昨年から、通勤時、鏡をみるたび
「なんだか違ってきたなぁ…… 他人の服を借りているみたいだ。今の自分がもっとイキイキとして見える服が必要だな」
と感じつつもその気持ちにフタをして(お金もかかるし)、目を背けていたのでした。
50代後半になってくると、なかな洋服選びが難しくなってきます。たくさん選べるお店もなかなかないんですよね。私の勝手な推測ですが、人によって老化のペース、似合うものがあまりに違うので、ターゲットをしぼったデザインやパターン(衣服の裁断のもとになる形)作りが難しいのかもしれませんね。ビジネスとしては難しいですよね。
「大人のおしゃれ Do! & Don't」(地曳いく子さん・槇村さとるさん共著 集英社)では、40代後半以降の女性へのファッション指南のエッセイ・対談が収録されています。とても参考になります。この本を読んでから、大手スーパーのミッシーコーナーも見るようになりました。身近なミッシーコーナーで選び放題ならカンタンなのですが、ドンピシャのものにはなかなか出会えないこともあり、ファッション改善問題を後回しにしていたのです。
今回、いよいよその問題に取り組む事にしました。
狩りに行く前に、具体的に何が必要か、クリアにしました。無目的に歩き回って疲労する事を避けるためです。
【現状維持でOKなところ】
・身体のサイズは変わっていない。メーカーによって、Mサイズか、LサイズでOK。
・ボトムスは今持っているもので十分着回しができるので、購入不要。
【今回購入すべきもの】
・目標:トップス、顔まわりを変えること。(黒は顔の輪郭を強調するので選ばない)
・今持っているトップス(ブラウス・Tシャツ・キャミソールなど)を生かせる、薄手のはおりものを買う。暑い季節が長いので、清涼感のあるもの。
・顔の輪郭がぼやけてきているため、若干大き目・動きのあるアクセサリーでツヤとメリハリをつける。
お店が集まっている大きな駅へ出かけました。
前述したように、50代後半の女性のための服を大量にまとめておいてあるお店はなかなかないので、いろんなお店を見て、自分に似合うものを探す、という体力勝負に出ました。
(ハイブランドだったら若いシニア向けのステキなお店がワンサカありそうですが、私の経済力では購入できないため、対象外)
ShOO LA RUE は若い人向けのお店ですが、こんな感じのコットンシフォンのブラウスを見つけました。試着したら、私でも全く大丈夫でした!(笑)
写真では伝わらないかもしれませんが、実際には透明感があってフワフワしていて涼しげです。とても気に入ったので、薄いブルーも買いました。タグには、「リサイクル素材を利用」とあって、ビックリ。リサイクル素材でこんなにステキなものを作れるなんて。技術に感謝です。中に着るものや、ボタンの開け方でいろいろ着回しもききそうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1714790817108-KK7q0URuVy.jpg?width=1200)
このお店は、お値段的にも買いやすいですよ。
他にも、レースの羽織ものを買いました。透けているので暑い季節にぴったりです。(いま、「はおりもの」という言葉使いますかね…… 私は、カーディガンよりも薄い、一枚ブラウスかTシャツ的なものを着た上にかさねる服、という認識を持っております)
予想を裏切るステキなお洋服に出会えてホクホクしましたが、次はアクセサリーを求める旅に出ました。
亡き母の遺品にイヤリング・ネックレスもあるのですが、母と私は全く顔のタイプが違うので、そのまま私に似合うかといわれるとなかなか難しいのですね。それに、昭和のアクセサリーって、どういうわけか妙に重厚感があって、まとっている空気感がちがうというか……。身に着けていて、気持ちが上がらないです。母の事を思い出すのもなんだか今はしんどい。(ほかの投稿に書きましたが、相当支配的な人格でした)
突然ですが、角野栄子さん、ご存じでしょうか。「魔女の宅急便」の原作者として有名な作家です。あの方のファッションを見たことがありますでしょうか?とてもカラフルなのです。現在、80代と記憶しておりますが、角野さんのお写真を見ると、その年齢とは思えぬエネルギー、喜びのようなものが横溢しています。とても楽しそう。
もともとのお顔の美しさや、成功者としての自信が彼女を輝かせている上に、さらに美しい色彩をコーディネートしたファッションが数十倍にもポイント加算しているからではないかと私は考えます。
角野さんのアクセサリーは、写真・画像で見る限りポップな素材で、カラフルなものが多いです。あれは一体どこで購入なさるのかと思い調べてみましたが、わかりませんでした。(ものすごい高級品なのかも……。あるいは、海外で入手なさっているかもしれません)
高級品は買えないため、これまた若い人向けのお店を見て歩きました。(場違いで気遅れしつつ)
痛感したのは、「イヤリングよりピアスのデザインが圧倒的に豊富」
ということです。わかってはいたのですが……。
自分は金属アレルギーなので、ピアスを諦めています。
![](https://assets.st-note.com/img/1714792780459-9IVNu0tp37.jpg?width=1200)
こんなイヤリングを見つけました。一目で惚れました。右の目玉おやじみたいなのは、宇宙飛行士です。「わーい」って楽しそうに宇宙遊泳をしていますね。
探していたタイプとは全く違いますが、見ていると嬉しくなるので、良い出会いでした。
ほかにも、安くて大ぶりなイヤリング・ペンダントなどを買ってみました。
さて、次の日に一人で美術館に行くことにしました。いつもならジーンズにユニクロ的な普段着で、アクセサリーもせず行くのです(誰か同行者がいたら若干整えますが)。しかし、このたびは新しい服をきて、髪は通勤時のようにきちんとアップにして、揺れるイヤリングをして行ったのですよね。なんだか心は華やいでいました。
そして、帰り道、最寄り駅を出て、自宅へ向かう道すがら、
「〇〇さん?」と、呼び止められたのです。(←私の本名)
その人はなんと、5年前に私が退職した会社の男性上司(年齢は一回り下)でした!
びっくり仰天。
お住まいがわりと近いことは知っていましたが、まさかバッタリ会えるとは!
私の退職時にあまりちゃんと話ができなかったので、ずっと気にかけてくれていたようでした。
立ち話で、あれこれ話しました。お互いの近況、飼い猫のこと、ご家族のこと等々。
楽しく話していたその間、私が内心何を感じていたかというと、
「ちゃんとした格好をしていて、ほんっとうに良かったーーーー!!!」
という事だったのです。深い安堵といってもよいです(笑)
50代の女性にとっての5年というのは大きいです。私が退職した時より、私の顔かたちはだいぶ変わってきている。これでファッションをアップデートせず、くたくたの普段着でボッサボサの髪だったりしたら、無残な印象になっていたのでは?さらには、自分自身が、自分を恥じ、身の置き所がない気持ちになって、確実に悲しい気持ちで帰宅したことでしょう。
多少なりともおしゃれをして、新しいイヤリングをゆらゆらさせて、今の自分をイキイキ見せてくれる格好をしている、という確信があったので、自信を持ってニコニコお話ができました。
「元気そうで良かったです」
と男性は私に何度もおっしゃっていたので、本当にそう見えたのでしょう。それこそが私が求めていたことなので、とても嬉しかったです。
前職中に私が離婚してシングルマザーになっていたこともその人はご存知だったので、転職後、お給料がかなりアップしたことをお伝えしたら、とても喜んでくれました。
「また是非会いましょうね」
と別れたのち、懐かしい人に会えた高揚感ののち、とても不思議な気持ちが湧いてきました。
しばらく、自分のファッションに違和感が続いて気分がよくなかったこと。
その前日、なんとなく滅入った気分で、前向きなことをしよう、と決めてファッションのアップデートをしたこと。
そして今日の日、お気に入りの身なりをして外出したら、懐かしい人に会えたこと。自分が元気そうに見えて、相手も自分も、ニコニコ笑顔で会話できたこと。
こうやって、とても楽しく幸せな気持ちで、帰宅していること。
日常のひとコマひとコマが、ジグソーパズルのピースのようにつながったような感覚がありました。